Nintendo Switchが殺人事件の犯人特定につながる。盗まれたSwitchのオンライン利用履歴より追跡

 

米国アラバマ州南部の都市モービルで発生した、大学教授の殺人事件。その犯人特定にあたり、Nintendo Switchのオンライン利用履歴が重要な鍵となった。ローカル局のFOX 10WKRGが報じている。共同被告人であるTiquez TimmonsとDerric Scott(両者とも20歳)の保釈審問にて、モービルの地方検事であるKeith Blackwood氏が説明した情報によると、被告人は11月20日、強盗目的でサウスアラバマ大学の准教授Matthew Wiser氏(享年39歳)宅に侵入。Wiser氏を射殺し、物品を盗み出したとのこと。そしてWiser氏宅から盗み出した品の中にNintendo Switchが含まれており、警察はそのオンライン上の利用履歴から、被告人を追跡することに成功したという。

モービルの警察署長Lawrence Battiste氏が、ローカルニュースを扱うal.comに伝えた話によると、本件は当初、捜査の手がかりとなる情報が少ない案件であったという。先述したWKRGでは、捜査が難航し、一時は5000ドルの報酬付きで市民から情報を募っていたとも報じられている。そうした状況を踏まえると、オンライン上での利用履歴は犯人の特定にあたり、なおさら貴重な情報になったのだろう。

なお強盗殺人の実行犯は、共同被告人であるDerric Scottであり、Timmonsは運転手として、ScottとともにWiser氏宅の近くまで向かったと、上述した保釈審問にて語っている。Blackwood検事によると、2人は強盗を終えては次の犯行地に向かうという行動を繰り返しており、Wiser氏宅の強盗もそうした常習的な犯行の一部だったという。犯行先はあらかじめ定めていたわけではなく、Wiser氏宅を襲ったのは、あくまでもランダムに選んだ結果とのこと。被告人はWiser氏と関わりのない人物であり、サウスアラバマ大学の生徒というわけでもない。

Blackwood検事は保釈審問にて、本件の事情を踏まえ、通常よりも高い保釈金額を設定するべきだと主張。一方でScott被告人の弁護士は、Wiser氏宅以外の強盗・窃盗罪については現時点で証拠が不足していることから、保釈金額の低減を求めていた。最終的に2人の保釈金は、1人あたり15万ドル(約1600万円)と定められ、仮に釈放された場合にはモニタリング用デバイスの装着が義務付けられる。また「職場、通学先、教会」に向かう目的以外での外出は禁止される。