Kickstarterで資金を集めたゲーム開発者、出資者向けの「進捗報告の頻度」に対する批判と直面する。報告要求を断り議論に

『Mutant Mudds』や『Xeodrifter』などの作品を手がけたインディースタジオAtooiが、ニンテンドー3DS向けに2017年に発売したアクション・アドベンチャーゲーム『Chicken Wiggle』を、『Chicken Wiggle Workshop』としてNintendo Switch向けに移植中だ。これは、2018年3月に実施したKickstarterキャンペーンにて開発資金を獲得しておこなっているプロジェクト。ただ発売延期を繰り返し、開発状況の報告もあまり頻繁ではないとして、出資者としては不満が溜まっているようだ。

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もともと2018年12月の発売を計画していた『Chicken Wiggle Workshop』だったが、その1か月前になって開発元Atooiは、開発は順調に進んでいるものの、Nintendo Switch向けとしてベストな状態に仕上げて届けるには、まだまだすべきことが残っているとして2019年前半への延期を発表。そして2019年5月には第4四半期へと再延期している。当時は、予定した以上のコンテンツを追加制作していることを理由のひとつに挙げていた。

2018年4月にKickstarterキャンペーンが成功してから、Atooiはおおむね2〜3か月に1回のペースで開発状況を報告している。この頻度を十分と見るか少ないと見るかは微妙なラインかもしれないが、本作に期待して出資した人にとっては物足りなかったようだ。また、事前に予告していた進捗報告がなされなかったこともあり、度重なる発売延期も相まって、コメント欄では本作の完成を危ぶむ声や、怒りと共に返金をおこなう考えを示す人が相次いだ。Atooiは本作以外にも手がけている作品があり、そちらのSNSでの告知は頻繁におこなっていたことも火に油を注いだようである。

そうした出資者の反応を受け、開発元Atooiの設立者Jools Watsham氏は10月15日、キャンペーンページにてコメントを発表した。Watsham氏は同スタジオのDiscordサーバーにて、Kickstarterでの出資者は消費者というよりパブリッシャーに近い存在であるという内容の抗議を受けたそうだ。おそらく、出資者向けには開発の進捗を逐一報告する義務があるという意味だろう。しかしWatsham氏は、発売を延期した点については謝罪したものの、キャンペーンにて頻繁な進捗報告を約束した事実はないと述べる。

続けてWatsham氏は、出資者が開発状況の頻繁な報告を期待することや、そうならなかった場合にフラストレーションを抱えることは理解するともコメント。しかし、開発元に要求すれば報告が出てくるというものではなく、実際のところ、そうした要求は開発チームにストレスやプレッシャーを与えているとのこと。そして、デベロッパーであるAtooiが注力すべきは、本作の開発を進めることであり、進捗を報告することではないとして、準備が出来れば次の報告をおこなうだろうとした。

Watsham氏は批判も覚悟のうえだとして上記コメントを出したが、いわば開き直ったような内容であったため、出資者からはそのとおり失望を示す意見が寄せられる結果となった。一方で、本件を報じた海外メディアNintendo Lifeのコメント欄では、Watsham氏やAtooiに同情するような意見も多く見られる。毎週・毎月のように披露できる状態のものが用意できるわけではないし、なによりデベロッパーが開発に集中したいというのは自然なことであるといった内容だ。こうした擁護の背景には、Atooiは実力あるデベロッパーとして認知されているという面もあるだろう。また、Kickstarterにおいて(発売延期や)コミュニケーションの欠如は珍しいことではないという諦めのような意見もある。

本来であれば、担当者を置いて出資者と密にコミュニケーションを取ることが望ましいのだろうが、Atooiのような小規模なスタジオにとっては難しいことだったのかもしれない。そもそもデベロッパーにとって不慣れな領域だろう。もっとも、発売を延期する際には事前に理由と共に予告しており、開発の進捗も先述したペースにておこなってはいた。それでも批判の声が上がるということは、同じくクラウドファンディングをおこなうスタジオにとっては学べる部分があるかもしれない。

なお『Chicken Wiggle Workshop』については、Watsham氏がコメントを出した同日に、本作にて切り替え可能な2種類のグラフィックスタイルが披露された。出資者からは情報提供を歓迎するコメントが数多く寄せられており、同氏もそれに対して積極的に返信している。

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