Epic Games、3DCG制作ツールBlender開発元に約1億3000万円の支援金を提供

 

Blender Foundationは7月15日、Epic MegaGrants基金より合計120万ドル(約1億3000万円)の支援金を受け取ることを発表した。Epic MegaGrantsは3月のGDC(Game Developers Conference)にてアナウンスされた、総額1億ドル規模の基金。前身となる資金援助プログラムUnreal Dev Grantsによる総額500万ドルの資金支援が今年3月に終了し、支援活動の次なる一手として支援金総額を倍にし、設立された。

支援対象となるのは、Unreal Engineを使って制作されるプロジェクトや、Unreal Engineとの関係性を問わずオープンソースによる3Dコンテンツ制作のための機能強化を図っているデベロッパー、クリエイター、ツール開発者など。各対象者/組織への支援額は5000ドルから50万ドルまで幅がある。ゲームに関わる作品やツールである必要はなく、映画・放送・ライブイベントといったエンターテインメント事業や、Unreal Engineを使った革新的な企業プロジェクトを幅広くカバーしている点も特徴のひとつである。

今回Epic MegaGrantsの支援対象となったBlender Foundationは、フリー&オープンソースの3DCG制作ソフトウェア「Blender」を開発している非営利団体。3Dグラフィック、アニメーション、エフェクト、そしてゲーム制作に用いられるさまざまなツールを提供している。無料ということで、モデリングなどにチャレンジする際には、まずここから始める人も多い。Steamからも日本語版が利用可能である。

Epic MegaGrantsは今後3年間に渡り合計120万ドルの支援金を提供することで、Blenderのツール開発に貢献。Blender Foundationの創設者であるTon Roosendaal氏は、「Epic MegaGrantsのおかげで、私たちの組織が新人教育やコーディネーションの改善、そしてコード品質向上のために最善手を尽くせるよう、多額の投資が可能となります。その結果、業界からより多くの方々が私たちのプロジェクトに貢献してくれるようになるでしょう」と今回の発表にあたりコメントしている。

※Blender 2.8でつくられたアニメーション

Epic MegaGrantsはこれまでに、MR(複合現実)ヘッドセット「Magic Leap One」の開発者向け無料配布を支援(Magic Leap)。ゲーム作品としては、昨年の東京ゲームショウにて公開されたPS4向けのガンアクションゲーム『GUNGRAVE G.O.R.E』が支援対象として認定されている。個別のゲームプロジェクトから制作ツール、ハードウェアまで、幅広く支援しようとしていることがうかがえる。

なおEpic Gamesは、Epic MegaGrantsとは別途、投資会社のInteractive Gaming Venturesと提携し、Unreal Engine 4を採用するタイトルへの資金援助を2018年8月に発表している。毎年経験豊富なインディーデベロッパーを2〜3チーム選定。1プロジェクトにつき100万〜500万ドルの資金援助を、7年間にわたって行うという計画だ(関連記事)。