西部劇MMO『Wild West Online』基本プレイ無料ゲームとして再出発。バトルロイヤルモードを加え、新たな体制で挑む

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WWO Partnersが開発する『Wild West Online』にバトルロイヤルモード「Magnificent 5」が追加され、既存のモードと合わせてふたつのモードに分割されることが明らかになった。本作は、今年5月にSteamにてリリースされた西部劇をテーマにしたMMOアクションゲームだ。

『Wild West Online』は今年5月にSteamにて正式リリース(関連記事)されたが、ローンチ後のSteamカスタマーレビューは「ほぼ不評」で、主にコンテンツのボリュームとパフォーマンスの面でユーザーからの不満が募っていた。WWO Partnersからの発表によれば、8月には開発に必要な資金が枯渇したために、新たなコンテンツ開発が中止するという状態に陥っていたという。WWO Partnersオリジナルのデペロッパーチームはほとんどが去ってしまい、たった3人しか残っていない。そんな過酷な状況下で、『Last Man Standing』を手がけたことで知られるゲーム開発会社Free Reign Entertainmentが手を差し伸べ、新たなメンバーを加えられた。新体制で『Wild West Online』の再出発に向けた準備が進められているとのことだ。

今後『Wild West Online』はふたつのモードに分割され、従来のモード「Frontier」に加えてバトルロイヤルモード「Magnificent 5」が追加される。1チームが5人のプレイヤーで構成された最大20チームが、広大なオープンワールド上で要塞を建設したり、戦闘によって戦利品を奪い合うといった内容だ。また、これまで『Wild West Online』は通常版が3,090円で販売されていたが、バトルロイヤルモード発表のタイミングで基本プレイ無料(F2P)タイトルとなる。過去に製品版を購入していたユーザーには、次回接続時にゲーム内通貨などのアイテムが付与されるとのこと。ゲームの収益化については『フォートナイト』のように”シーズンパス”が導入され、購入者はチャレンジや限定スキンが利用可能となる。

従来の『Wild West Online』は、1800年代後半から1900年代初頭のアメリカ西部を舞台とした広大なオープンワールドで、ふたつの派閥「McFarlane Family」「Steele Industries」から所属先を選択し、Wolwood Countyの領土を奪い合うMMOアクションゲームだ。自由度の高さが魅力で、悪人を捕らえる正義感の強い保安官となったり、賞金首の悪人を追い続けるバウンティハンターとして生活するなど、幅広いプレイスタイルが許容される。また、ゲーム内では定期的に拠点制圧戦、物資争奪戦、銀行強盗、レリック回収といったイベントが発生し、激しいPvPが繰り広げられる。NPCを介したクエスト遂行、農場運営、宝探しなど、非戦闘型のコンテンツも用意されている。キャラクターカスタマイズは自由度が高く、顔のタイプや髪型、肌の色、顔の特徴などを選択できる。ゲーム内スキンも豊富で、帽子、スカーフ、眼鏡、上着、ズボン、靴など合計で100種類以上のアイテムが用意されている。

今回新しく追加されるバトルロイヤルモード「Magnificent 5」の詳細は今のところ不明だが、従来の西部劇MMOから引き継がれる可能性のある興味深い仕様をいくつか挙げておこう。ひとつは、プレイヤーの経験値に応じて銃のダメージ量、マガジンサイズ、射程をアップグレード可能な点だ。バトルロイヤルの特性上、こういった成長システムを反映することは難しいとは思うが、もし採用されれば既存のバトルロイヤルと差別化を図れる要素のひとつとなるだろう。もうひとつは、探索によって入手できる資源やブループリントによって銃やナイフ、グレネードを作成できるクラフトシステムだ。こちらは、プレイヤーが物資を集めることを前提とするバトルロイヤルに非常にマッチする要素と言えるので、盛り込まれる可能性はあるだろう。

『Wild West Online』のバトルロワイヤルモード「Magnificent 5」は今後1週間のうちに公開される予定で、従来の西部劇MMOモード「Frontier」はさらにアップデートが加えられ、11月中にも発表される予定だ。しかし、今回『Wild West Online』の開発に名乗りを上げたFree Reign Entertainmentは、ユーザーにとっては不安の種になりえる開発スタジオ。前身となるOP Productionsが2012年にSteamにてリリースされた『The War Z』は、製品概要欄に偽りの記述があったことが問題となり、異例の販売中止処分となっている。実際には100平方kmほどのマップの広さを「100~400平方km」、ひとつのサーバーに50人しか接続できないが「最大100人接続」と記載されていたほか、搭載されているとしながら未搭載のコンテンツもあった。Free Reign Entertainmentとしては『Last Man Standing』や『Romero’s Aftermath』といった“賛否両論”なF2Pゲームをリリースしており、悪名高いスタジオである。

従来の西部劇MMOとバトルロイヤルのモード分割によって再出発を果たすこととなった『Wild West Online』は、十分なクオリティを確保したうえでユーザーのもとに届けられるのか。”西部劇が舞台”という一風変わったテーマを持つタイトルであるうえに、もともとMMOとして展開していたタイトルがバトルロイヤルモードを搭載する事例は極めて珍しい。新たな道を進む『Wild West Online』がどのような結末をたどるのか、気になるところだ。

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