惑星サバイバルゲーム『Outpost Zero』早期アクセス版配信開始。惑星開拓にドローンやAIなど野心的な要素を導入するも不親切さ目立つ


tinyBuild GAMESは本日7月13日、Steamにて『Outpost Zero』の早期アクセス版の配信を開始した。価格は2050円で、7月20日までは20%オフの1640円で購入できる。『Outpost Zero』は惑星サバイバルゲームだ。プレイヤーはロボットとともに未開の惑星に送り込まれた開拓者。地球は死にゆく運命にあり、移住先を探している。ロボットを操縦し、危険と資源が眠る惑星を開拓していくのだ。

本作のプレイヤーはまず、ローカルプレイ(オフライン)かオンラインのサーバーを選び、惑星のランダムな地点に不時着する。手持ちのツールで過酷な環境下にて資源を集め、それらを材料にして拠点を建設する。惑星にはプレイヤーのほかにもモンスターやエイリアン(賊)が住んでおり、それらの攻撃から拠点を守りつつ、資源の採取を進めていく。資源を集めれば、拠点や装備をアップデートすることが可能。武具や設備を充実させ、さらなる地盤を固めていく。探索地域を広げていき、時にモンスターやエイリアンの住処を襲って資源を奪うのもいいだろう。奪ったアイテムでさらに拠点を強固にし、新たな武器や施設を作り出す。

プレイヤーのサイクルを支えるのはドローンやロボットといったAIだ。施設でAIを生み出せば、探索のお供として連れて行くことも、拠点のガーディアンにすることも、資源採取を頼むこともできる。ラインを組んで特定の作業を自動化させることも可能だ。AIに基地を任せて新たな拠点を作るのもよし、ひとつの拠点を巨大にしていくのもよし。プレイヤーの装備とAIを並行して強化していく。本作はマルチプレイに対応しており、グループとして活動することも可能。PvE/PvPともに対応しており、ともに惑星を生き抜くだけでなく、他グループを襲いお宝をせしめるという楽しみ方もできる。

『Outpost Zero』は、『No Man’s Sky』や『Osiris: New Dawn』といった先陣を切った宇宙タイトルからエッセンスを取り入れながら、AIといったシミュレーション要素を導入している。野心的なタイトルであるが、技術的な問題に課題が残されている。筆者がプレイした限りでは、60fps固定+垂直同期設定項目がなく、画面の揺れが気になった。チュートリアルは親切であるが、メニュー選択画面では項目にカーソルをあわせてクリックしたのち、再度同じ項目をクリックする必要があったり(つまり、通常のゲームでは1クリックで済むものが2クリック必要)と、ストレスのたまりやすい設計が目立つ。

さらには、ランダムに決められるスタート地点は、運が悪いと敵の巣の真ん中や高所になることもある。死んでしまっても同じところからリスポーンになるので、こうなると詰みに近い状態になる。しかし、ゲーム内ではセーブを削除する手段がなく、手動でディレクトリを参照してファイルを消さなければならない。

現時点では、コンセプトは興味深いものの、不親切な仕様が目立つと言わざるを得ない。またtinyBuild GAMESはユニークなゲームを多くリリースしており、ユーザーとのコミュニケーションを好むが、『Hello Neighbor』や『Community Inc』などを見る限りでは、発展途上で課題抱えるタイトルをハンドリングするのはそれほど得意ではないようだ。そうした背景を踏まえた上で、競合タイトルが多い中であえて『Outpost Zero』を選ぶ必要があるかと聞かれれば答えに詰まってしまう。

Unreal Engine 4で描かれるビジュアルは美しく、全体的な不親切さが改善されれば、本作ならではの魅力が見出されやすくなるだろう。開発元であるSymmetric Gamesは、少人数ながら『FEAR 3』や『Killer Instinct』など数多くのタイトルに携わったベテランスタッフによって構成されている。スタッフの力量を期待し、今後の改善を待ちたいところだ。