『スプラトゥーン』風スケボーゲーム『Decksplash』発売前に無料プレイを実施。ただし、プレイヤー数が10万人に達しなければ発売中止


Bossa Studiosは10月25日、現在開発中のスケボーゲーム『Decksplash』について、11月2日(日本時間では3日)から1週間のあいだ無料でプレイできるフリーウィークをSteamにて実施すると発表した。フリーウィークが終了すると同時にSteamでの早期アクセス販売を開始する予定だが、もしフリーウィーク中の総プレイヤー数が10万人に達しなかった場合は、なんと本作の発売を中止してボツにするという。

本作は、モバイル向けでよく見られる、人が乗らずにスケートボードだけでプレイするタイプのスケボーゲームだ。さまざま用意されたスケートパーク内で、実際のスケボーで使われているようなリアルなトリックを決めることができる。本作の特徴は、3対3でのオンラインマルチプレイがメインということで、そのルールはシンプル。高スコアのトリックを決めてクリーンにランディングすると、地面にチームカラーのインクがドバッと塗られる。ゲーム終了時に、その塗った面積がより広かった方が勝利というものだ。スケボーで『スプラトゥーン』をするといえば分かりやすいかもしれない(似たようなルールはスケボーゲーム『Tony Hawk』シリーズにも存在していた)。

スケボーゲームなので“ブキ”をもって戦うわけではないが、「Shockwave」という対戦相手のコンボを邪魔する要素が用意されている。Shockwaveは、自らのチームカラーに塗られたエリアを滑ってメーターを溜めることで使用可能になる。またShockwaveを使用すると「Score Zone」が現れ、そのエリア内でチームメイトがトリックを決めるとスコアがアップするといった連携要素も存在する。

本作ではキャラクターが登場しない代わりに、スケートボードのデッキやウィール、トラックのカスタマイズで個性を主張することができる。ゲーム終了時には成績に応じて経験値を獲得し、一定値まで溜まるとレベルアップしてルートボックスを1回開けることができるのだが、新たなカスタマイズアイテムは、そのルートボックスから入手できる仕組みだ。

さて、フリーウィーク期間中に10万人集まらなければゲームがボツになってしまうという本作だが、Bossa Studiosはこの機会にどれだけの人が本作に興味を持っているのか計りたいとして、次のように説明している。

10万人という数字はやや気まぐれのように思うかもしれないが、のちに本作を購入してマルチプレイのコミュニティを盛り上げてくれる人たちの規模を計るには、これくらいの人数は必要だと判断した。言い換えると、無料でプレイできるにも関わらずそれだけの人数すら集めることができなければ、発売後にマッチングし難いなどコミュニティに迷惑をかけることになる。

十分なファンベースを持たないまま発売し、そして失敗したゲームをこれまでに数多く見てきた。もし本作もその一つとなるならば、我々のファンにはそのようなゲームにお金を使ってもらいたくない。もちろん、そのまま発売すれば我々はいくらかのお金を手にすることができるだろうが、それは正しいやり方だとは思わない。

Bossa Studiosは本作の開発に1年以上を費やしており、チームとしてはこのコンセプトがとても気に入っているという。とはいえ、確かにマルチプレイがメインのゲームであるだけに、コミュニティの規模はスタジオにとってもユーザーにとっても重要であるため、彼らの判断は大胆ではあるが筋が通っている。リリースしてからアップデートを重ねてコミュニティを大きくしていくこともできたはずだが、あえてそうしないのは彼らなりの信念なのだろう(あるいは、その労力を次のプロジェクトに向けたいという判断かもしれない)。

Steamではフリープレイがさまざま実施されているが、10万人というのは無料だからといってどのタイトルでも容易に到達できる数字ではない。ただ、『Surgeon Simulator』や『I am Bread』など多くの人気作を生み出してきたスタジオの新作だけに期待値は低くないはずだ。見事早期アクセス販売へと繋がるか、それともボツになってしまうのか、『Decksplash』の行く末に注目が集まる。