スローライフ・オープンワールドRPG『My Time At Portia』開発中。冒険も交流もクラフトも釣りも楽しむ欲張り生活


発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第453回目は『My Time At Portia』を紹介する。

『My Time At Portia』はオープンワールドRPGだ。舞台となるのは一度文明が崩壊し何もかもがなくなってしまった世界。残された人々はもう一度文明を作るべく立ち上がり、そうして出来上がったのが主人公が住まう街「Portia」である。プレイヤーは過去の文明の遺品を利用して、この街に自身が構えている工房を大きくしていく。

ゲームの流れとしては、農耕要素はないものの『ルーンファクトリー』シリーズに近い。プレイヤーは冒険に向かい敵を倒したり、探索したりしながら素材を入手し、その素材を使ってクラフトをしアイテムを生み出す。また、本作は生活感も重視されている。街に住むNPCにはAIが搭載されており、自律的に行動をおこなう。子供は学校に通い、若者は肉体労働に勤しむのみならず、日中趣味に没頭する者もいる。彼らに作り出したアイテムを渡せば親交が深まり、異性のキャラクターとは結婚に至ることもあるという。

『My Time At Portia』の最大の特徴は、広大な世界を冒険できるオープンワールドであるという点だろう。マップは広く、街の周辺をうろつくだけでもそれなりに時間がかかる。ロケーションも豊富で、草原や川、鉱山や砂漠などが用意されている。こうしたエリアにてモンスターと戦い、採掘や採取、釣りをおこなうことで素材を入手していく。ゲーム内では時間が流れており、天候も目まぐるしく変わるので、条件によって異なる様相を見せることもあるだろう。こうした冒険・探索に特化している点は『Portal Knights』にも似ているといえる。ほかにも異種族間交流やペットの飼育、庭での花の栽培など多くの要素を含んでおり、同ジャンルのゲームのおいしいところを詰め込んだタイトルになっている。

開発を手がけているのはPathea Games。過去に『Planet Explorers』を開発した経歴を持つが、こうした点が期待にも懸念にもつながっている。というのも、同作はクラフトの自由度が評価されていたものの、操作性の悪さやバグの多さが指摘されたタイトルだ。ただ、現在『My Time At Portia』は無料のアルファ版が公開されており、プレイした感触としてはポップな世界観をベースに遊びやすく仕上げられている印象だ。まだまだ粗っぽさがあることは否めないが、のんびりと自分のペースで遊べる「スローライフゲーム」として、アルファ時点でも十分そのポテンシャルを感じさせる。

今年の10月にはSteamにて早期アクセス販売が予定されており、無料公開中のアルファ版は毎月更新していくという。開発元はゲームプレイに絶対的な自信を持っており、「ゲームをさわってもらうことで魅力を感じてもらう方針を貫く予定である」と語っている

本作の開発にはUnityが採用されており、PCのほかにMac、PlayStation 4、Nintendo Switchでのリリースを予定しているようだ。