Nintendo Switch版『きみのまち ポルティア』発売から4年経った今、急にロード時間が大幅短縮へ。新作の研究のおかげで

 

Pathea Gamesは11月1日、Nintendo Switch版『きみのまち ポルティア』の今後のアップデート情報について明らかにした。このアップデートを適用させれば、ロード時間が大幅に短縮されるようだ。

『きみのまち ポルティア』は、Pathea Gamesが手がけるスローライフRPGだ。舞台となるのは、一度文明が崩壊し再び文明が構築された世界。プレイヤーは、そんな中で生まれた街「Portia」で、父が残した、荒れ果てた工房を再建していくことになる。農作物を育て、動物を飼育してもいい。素材を集めて、家具や装飾品を作ることも可能。工房を大きくすれば、できることも広がるだろう。街の人々と交流するのも、冒険を試みるのもプレイヤーの自由。ダンジョンに潜り込み、敵を倒し探索しよう。


同作はPCおよびコンソール向けに展開されていたが、特にNintendo Switch版のパフォーマンスの悪さが指摘されていた。発売後のアップデートでいくらか改善されたものの、エリア移動のロードは長く、ゲームの評価は良い一方で、パフォーマンス部分は影を落としていた。

発売から4年以上が経った今、Nintendo Switch版のロードが改善されるようだ。Pathea Gamesは、旧バージョンと新バージョンの比較映像を投稿。フィールドから建物に入る際や、逆に建物からフィールドに出る時のロードの長さが比較されている。フィールド→建物時は旧バージョンが7秒強であることに対し新バージョンは4秒。建物→フィールド時は、旧バージョン9秒であることに対し新バージョンでは6秒。半分とまではいかないまでも、4割ほどロード時間が短縮されている。大きな改善である。


Pathea Gamesは、新作『きみのまち サンドロック』の移植のノウハウが溜まったおかげで、最適化技術を『きみのまち ポルティア』に使うことができたと喜んでいる。このアップデートはQAプロセスの終了を待っている状態であり、それが終わればパブリッシャーが任天堂にアップデートを申し入れ、その後配信がされるとのことである。実際に配信されるまでは、もう少し待つ必要がありそうだ。

なぜここまでロード時間を短縮することができたのか。それは開発元が話していたように、同じくNintendo Switch向けに発売される『きみのまち サンドロック』の存在が大きそうだ。特に重要なのは、新作のNintendo Switch移植に関してはPathea Gamesが自らおこなったという点。

先日弊誌にてPathea Gamesの開発/マーケティング統括のAaron Deng氏に話をうかがっていた(関連記事)。Aaron氏によると、『きみのまち ポルティア』のNintendo Switch移植は外部のスタジオに委託していたという。しかしながら品質があまり良くない状態でリリースされることになり、Nintendo Switch版の評判も悪かったことから、その決断が失敗であったと考えたそうだ。


そうした反省から『きみのまち サンドロック』ではPathea Gamesが自らNintendo Switch版の移植を担当。同作ではNintendo Switch版と他機種版がフレームレートやロード時間、雰囲気に大きな差が生じないように配慮しながら、内部で移植を進めたとのこと。新作の移植によるノウハウが溜まった結果、『きみのまち ポルティア』でもそうした最適化技術を使えるようになったということだろう。

ただ、新作でノウハウが溜まったとしても、それを旧作に転用するのはコストがかかる。ましてや外部会社に移植していたなら、なおさら煩雑。それでも旧作にアップデートをするのは、Pathea Games自身が『きみのまち ポルティア』のNintendo Switch版のパフォーマンスに心残りがあったということだろう。新作旧作ともにNintendo Switchにてどのように動作されるのか、注目されるところだ。


『きみのまち ポルティア』は、PC(Steam)/PS4/Xbox One/Nintendo Switch向けに発売中。新作である『きみのまち サンドロック』は、11月3日にPS5/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch版が発売予定。現在早期アクセス配信中のSteam版も、同日正式リリースされる。