PS4『龍が如く7』をもっと早く遊べばよかった。『Gleamlight』はいろいろ惜しい。『Chinese Parents』でゲームばかり遊ばせる。今週のゲーミング


Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。248回目です。夏バテにご注意。

雰囲気が良いだけにいろいろ惜しい


今週は『Gleamlight』をプレイ。詳しい情報公開がないまま発売されたため、見た目の雰囲気だけで『ホロウナイト』風を狙った作品かなと思っていましたが、そうではなかった。ダンジョンは基本的に1本道でありメトロイドヴァニアではなく、キャラクターの強化はボスを倒して能力を得るのみとシンプル。一方、剣を使ったバトルのみを見ると『ホロウナイト』っぽい面もあり、コツコツ当てる立ち回りが大事。

本作にはUIがなく、体力は衣装の色で判別する。アバウトだけど、これは面白いアイデア。ただ、進行上の案内くらいは欲しかった。能力を獲得しても、どのボタンで何が使えるようになったのか通知もない。あと、エンドロールの後に再プレイしたら続きがあるなんて、2周目プレイしようとしなかったら気づかなかったかも。何も表示しないことが必ずしもプラスに働いておらず、もう少しプレイヤーに寄り添った仕掛けが欲しかったなという印象です。
by. Taijiro Yamanaka


たまには観覧席


別記事でも推した人類培養&発電シム『Despotism 3k』。実はいまだに上の難易度をクリアできず、うじうじ遊んでいます。「発電/繁殖/食糧生産」のリソース配分を毎回ちょっとずつ変えながらアタックしてみるものの、探索によるランダム要素もハードルとなり大詰み中。心、折れました。

ということで今週は学びを得るため、周りの人に本作を遊ばせて観察することに。他人のプレイを観て改めて気づくのはアニメーションの異常な凝り具合です。実際やっているときは忙しすぎてほぼ注目できませんが、客観視するとその生々しさにちょっと引いたほどでした。そして何より、プレイヤーの性格が出る作品は端から観ていて楽しいですね。初期は疲労した人間をすぐ休憩させていたのに、やがて過労死寸前まで使い倒すようになる過程がエキサイティングです。逼迫のすえはじめて人類を食糧分解する瞬間は、えもいわれぬ気持ちになりました。やはりヒトを甘やかしてはいけない。初心を取り戻したのでもう少し頑張ろうと思います。
by. Yuki Kurosawa



身近な最大の障害


今週は、メンツに支配された親同士がマウントバトルを繰り広げる現代中国フレーバーな育成シミュレーター『Chinese Parents』Steam版で時間を溶かしてきました。本作では、生まれてから大学受験までの間を子供視点で過ごし、内容によってその後の人生が決定します。より良い人生を歩むためには、1ターン6行動のスケジュールやミニゲームでステータスの上昇と、大学受験や就きたい職業に関連したスキルの取得が必要不可欠。ストレスでメンタルが壊れてしまわないよう気をつけたり、たまには異性の友だちと遊んだりしながら、ステータスの上昇に励んでいきます。ツッコミどころ満載のマウントバトルを含め、ミニゲームもそれぞれに攻略があり、一度始めたら3時間ぐらいは経っているので、危ないゲームかもしれません。

ところで、本作では任○堂のゲーム機や真新しいスマートフォンのステータス上昇量が高めです。勉強するよりもステータスが上がり、ストレスも下がるので重宝しているんですが、これらを連打していると親が不満を炸裂させてきます。将来を見据えているだけなのに。そうなるとメンタルに影響が出るので、親の不満を管理するために手を抜いて勉強することになるんですが、親の気分次第で入手が決まるものもあり、プレイしていて親の理不尽さを改めて感じました。
by. Keiichi Yokoyama


住民不殺に再挑戦


吸血鬼アクションRPG『Vampyr』の日本語版が今秋に発売されるという記事を先週書いていて、「このゲーム、途中で放置したままだ」と急に思い出し、プレイを再開しました。2018年6月のPC版発売時に遊び始め、住民NPC不殺クリアを目指していたところ、うっかり一地区の住民を皆殺しに。マニュアルセーブはないので、ショックから立ち直ったらやり直そうと、一旦中断したんです。そしたらそのまま他のゲームが立て込んで、気づけば忘れていたという。今回せっかく思い出したので、最初からリトライすることにしました。

本作は戦闘による獲得経験値が「雑魚1体につき5」と極端に少ないのに対し、住民NPCを吸血すると数千単位の経験値が一気に入ります(吸血したNPCは死亡)。血を吸わないとレベルを上げづらいため、「あいつの血さえ吸えば新しいスキルを覚えて楽になれるのに」という気持ちを抑えながらの攻略となりました。命を救う医師でありながら、命を奪う吸血鬼になってしまった主人公の葛藤が、違った形で伝わってきます。とはいえサイドクエストをこなしていれば、戦闘が困らない程度の経験値は入手可能。割とすんなりクリアできました。不殺といっても、戦闘時には敵対する人間の命を奪うことになるので、あくまでも「住民NPC不殺」です。
by. Ryuki Ishii


おもしろだけではなく


PS4『龍が如く7 光と闇の行方』を今更ながらプレイ。今年もいろいろなゲームを遊びましたが、まわりの評判を聞き『龍が如く7 光と闇の行方』を外したまま2020年ベストは決められないなと感じ、ついにはじめました。

シリーズはそれなりに遊んでいるのですが、シリーズのノウハウを生かしつつも、新しい試みが随所になされていて、非常にフレッシュに遊べています。宣伝まわりでは、割とポップな要素が押し出されていたイメージですが、ストーリーラインはかなり重厚。特にオープンニングの時代劇の流れはとても引き込まれました。全体的にカットシーンがお気に入りで、こだわられた人間描写がいい。映像の力だけでなく声の演技が、没入感をもたらしている印象です。カットシーン中に演出カットできる親切設計もグッド。今思えば、日本人や日本のシーンがリアルに描かれる作品というのは、そう多くなく、『龍が如く』シリーズはそういう意味でも唯一無二。反社や犯罪、風俗などを真正面に描くエンタメとして貴重ですよね。子供の頃から馴染みあるゲームですが、そうしたトピックを扱うことの難しさは社会を知れば知るほど深く理解できるので感慨深い。単純に「日本の開発者が、現代の日本をコストをかけて描く」ことが少なくなってきているので、とてもありがたい気持ちをもってプレイしています。もっと早く遊べばよかったなあ。
by. Minoru Umise