兵役中の韓国兵士たち、どうしてもオンラインカードゲーム『Hearthstone』がプレイしたくなりすべて「紙」で自作する


大韓民国では19歳から29歳の男性を対象とした徴兵制度が敷かれており、18歳から実施する身体検査にて問題がなければ兵士としての義務を2年間は果たさなければならない。組織や階級によって異なるものの、住居は大人数で暮らすパソコンも無い大部屋であったり、インターネットは特定スペースのみで使用可能であったりと、ゲーマーにとっては地獄のような環境だろう。そんな兵役中の男性が、Blizzard Entertainmentのオンラインカードゲーム『Hearthstone: Heroes of Warcraft』を昨年自作したと韓国のインターネット掲示板DC Insideにて披露した。

このお手製『Hearthstone』は2014年9月ごろに製作されたものだ。製作者は画像を投稿した人物と同期2人の3人組。材料は部隊内の売店「PX」にて購入したメモ帳で、毎晩22時以降に1時間、ランタンの光を灯し、切ったり書いたりしながら製作を続けたのだという。ランダム要素はノートに前もって条件を記したあと、20面および6面ダイスを振る形で判定が下される。体力は余ったダイスや碁石で表示していたそうだ。

残念ながら背景の戦闘フィールドは再現できなかったと伝えている投稿者だが、いずれのカードもデザインまでよく特徴を捉えており素晴らしいクオリティだ。500種類以上のカードを描き上げるだけでも大変だっただろう。それ以外にもこの手描き『Hearthstone』は当時アップデートにも対応していたそうで、「Leeroy Jenkins」がナーフされた際には実際にマナコストも修正したという。

投稿者によれば、当時は興味を示した2人から3人の同僚と共にお手製『Hearthstone』をプレイしていたという。暇な時には30枚をランダムで選んでプレイする、という遊びも行っていたようだ。ただ現在、投稿者はすでに昇進して一等兵の大部屋時代を退いており、現在お手製『Hearthstone』をプレイする機会は無いという。


初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。