PCゲーム市場では2025年、売上の半分以上が「トップ20圏外のゲーム」だったとの最新調査。実は“古株ゲーム”がどっしり支えてる

最新の調査結果では、いわゆるロングテールに属するタイトルのシェアが、PCプラットフォームを中心に大きく増加したことが明らかとなった。

ゲーム業界においては、市場規模の大部分が最上位層の人気ゲームによって構成されていることが知られている。一方、最新の調査結果ではそれ以外のゲーム、いわゆるロングテールに属するタイトルのシェアが、PCプラットフォームを中心に大きく増加したことが明らかとなった。

市場調査分析会社のNewzooは、4月14日に公開したブログ記事にて、2022年から2025年にかけてのゲーム市場における20位圏内のタイトルと20位圏外のタイトルからなる2つのグループを比較した。中国とインドを除く、37か国の市場データをもとにしているとのこと。たとえばPCにおける2025年の20位圏内のタイトルは次に示す画像の通り。

Image Credit: Newzoo

トップ5に入っている『Roblox』『Counter-Strike 2』『リーグ・オブ・レジェンド』『Minecraft』『フォートナイト』の顔ぶれは2023年以降固定化されているといい、順位が入れ替わっているのみ。そうした変化の停滞も見られる一方で、2025年には新たに『マーベル・ライバルズ』と『鳴潮』がランキング入りしている。これらの20タイトルと、それ以外の膨大な数のタイトルとを、プレイ時間と収益の2つの軸で比べている。

まずプレイ時間の観点では、PC、PlayStation、Xboxの3つのプラットフォーム全てにおいて、2025年がここ4年間で最大の数値となっている。特にPCでは、20位圏外のタイトルが33%に留まっていた2022年から大きく数値を伸ばし、2025年に42%となっている。

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さらに収益の観点で比較した場合でも、20位圏外のタイトルが全てのプラットフォームにおいて、4年間で最大の数値を示している。特にPCで大きな伸びを見せており、2025年に56%と全体の過半数にものぼる割合となっている。コンソールプラットフォームでは同年に30%台の数値となっていることからもその差は見てとれるだろう。これらのデータから、近年ではPCを中心にロングテールに属するタイトルにユーザーの関心が集まっていることが分かる。

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そこで同社は次に、20位圏外のタイトルとしてはどのような作品がシェアを有しているのかを調査。すると、RPGやアドベンチャーゲームなどが20位圏内のタイトルにプレイ時間で大きな差をつけていることが分かったという。ちなみに、シューティングゲームやスポーツゲームでは逆に、20位圏内のタイトルが大きなシェアを有していることも確認できる。

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ところで、前述したような増加傾向からは、最近発売された新作の中堅タイトルがロングテールのシェアを押し上げているように思うかもしれないが、実際には異なる状況のようだ。というのも、たとえばアクションRPGやサバイバルゲームなどでは、ロングテールに属するタイトルとして、『Path of Exile 2』『モンスターハンターワイルズ』『Kingdom Come: Deliverance II』などここ数年で発売されたタイトルが含まれる一方で、『サイバーパンク2077』や『エルデンリング』『The Elder Scrolls V: Skyrim』などのいわゆる定番タイトルも共存。さらにNewzooが“アドベンチャーゲーム”と分類するタイトルでは、『Rust』『DayZ』『Dead by Daylight』『レッド・デッド・リデンプション 2』など古株のタイトルが中心となっているという。

またNewzooはビジネスモデルにも着目。20位圏内を基本プレイ無料の運営型ゲームが占めている一方、20位圏外では買い切り型のゲームが中心。これらの結果から、Newzooは、タイトルが最上位層から外れた場合、目新しさよりも、長寿で深みのあるゲームが重視されるといった傾向があるとの見解を示している。

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今回の調査では、20位圏外のタイトルによる収益が昨年全体の過半数を超えたことが明らかとなり、PCゲーム市場におけるロングテールの重要性がますます高まっていることも明らかとなった。コンソール市場においても同様の傾向は確認できるものの、PCにおける変化が特に際立っている状況だ。Newzooはこれについて、PCプラットフォームでは20位圏内のタイトルからのプレイヤーの流出、いわゆる“再分配”が起こっているだけではなく、プラットフォーム全体の成長に伴うものである可能性を示唆している。

なお、昨年末にNewzooによって共有された市場分析においては、2025年のゲーム市場で予測を上回る成長が確認された一方で、それはプレイヤーベースの増加というよりも、既存のゲームやエコシステムに、プレイヤーがより深く時間とお金を費やした結果であるとの考察がなされていた(関連記事)。 先述したような、既存の古株タイトルが依然として大きな影響力を持っているという結果とも通ずる部分はあり、PCゲーム市場は新作ゲームの発売に頼らずとも規模を拡大する余地を秘めていると見ることができるだろう。

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Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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