大人気SRPG『ユニコーンオーバーロード』では現時点でDLCやPC向け移植の計画はない。プロデューサーが海外メディアに明かす

 

アトラスは先月3月8日に、ヴァニラウェアとタッグで手がける『ユニコーンオーバーロード』をNintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S向けに発売した。本作は発売後高い人気を博しているものの、現時点ではDLCの発売やPC向け移植などの新たな展開は計画されていないという。プロデューサーの山本晃康氏が、海外メディアに向けて明かしている。


『ユニコーンオーバーロード』は、シミュレーションRPGだ。『十三機兵防衛圏』といった人気・高評価作品を送り出してきたアトラスとヴァニラウェアのタッグが開発を手がける。本作の舞台となるのは、5つの国家からなるフェブリス大陸。主人公は、戦火を生き残った亡国コルニアの王子アレインだ。アレインは伝説の「一角獣の指輪」を手に、軍を率いて民を導いていく。

本作では、自由度の高いフィールド探索とリアルタイムで進行する独自の戦略バトルシステムを採用。5つの国を擁する広大なフィールドを駆け巡り、自由な攻略順で進行することが可能となっている。90年代の名作SRPGの雰囲気・戦術性の継承を目指しつつ、オンライン対戦などの要素も盛り込まれている。

本作はNintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S向けに3月8日に発売。先日4月1日には全世界売上が50万本を突破したことが報告されるなど、高い人気を博している。


今回、海外メディアGamerBravesが本作のプロデューサー山本晃康氏にインタビューを実施。同誌の質問に回答するかたちで、山本氏はPC向けに本作の移植予定がないことを明かしている。アトラスとヴァニラウェアが本作の開発が本格始動したのは2016年ごろのこと。山本氏によると当初本作はPS4/PS Vita向けに開発されていたという。しかしその後約8年間で(新たなコンソール機の発売など)業界には大きな変化があり、パブリッシャーであるアトラスは対応プラットフォームの変更を決断。ヴァニラウェアに、本作をPS5/PS4/Xbox Series X|S/Nintendo Switch向けに全世界同時発売にすることを求めたそうだ。

ヴァニラウェアの協力により当初予定になかったプラットフォームへの展開が実現したようで、山本氏はヴァニラウェアへの感謝を伝えている。もともと対応プラットフォームがPS4/PS Vita向けに限定されていたところから現行機へと拡大されたこともあり、少なくとも現時点ではPC向け移植までは予定されていないかたちのようだ。

なお山本氏は別の海外メディアDestructoidのインタビューでも、本作のPC向け移植の予定がないことについて伝えている。同誌が山本氏の返答として伝えるところによると、アトラスとしてはパブリッシャーとして本作をPCユーザーに届けたい考えもあるという。一方で「ヴァニラウェアとの契約に基づき(per our agreement with Vanillaware)」、本作はコンソール版のみのリリースとなっているそうだ。


アトラスでは、近年『ペルソナ』シリーズや『真・女神転生』シリーズなどがPC向けにも展開されてきた。一方でアトラスとヴァニラウェアがタッグで手がけた『十三機兵防衛圏』をはじめ、ヴァニラウェアが手がけた作品は現時点でPC向けには展開されていない。ヴァニラウェア作品はPC向けには展開しないといった方針もあるのかもしれない。

このほか先述のGamerBravesのインタビューでは、山本氏により本作にはDLCの展開が現時点では計画されていないことも明言されている。本作は先述のとおり2016年に開発が本格始動したタイトルであり、企画が立案されたのは2014年のことだという(ファミ通.com)。約10年にわたって練り上げられてきた作品となっており、じっくりとコンテンツ制作や対応プラットフォームに向けた最適化がおこなわれ、磨き上げられてきたのだろう。

そうした背景もあってか、発売後1か月足らずの現時点では対応プラットフォームの拡大も含めた新展開は予定されていないようだ。高い評価と人気を博す作品であり、今後の新たな展開が用意されるかどうかも注目される。

ユニコーンオーバーロード』はNintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S向けに発売中。