Ubisoft新作シューター『エックスディファイアント』リリース延期。「プラットフォーム側のチェックで落ちた」と正直に事情明かす

 

Ubisoftは9月12日、『エックスディファイアント(XDefiant)』のリリース時期に関する続報を明かした。本作は今夏のリリースが予定されていたものの、対応プラットフォームでのコンプライアンス・テストに合格するための対応に追われ、当初の予定より遅れが生じているという。なお本作の対応予定プラットフォームはPC/PS5/Xbox Series X|S。


『エックスディファイアント』は基本プレイ無料のオンライン対戦FPSだ。6対6で展開され、ゲームモードにはアリーナモードおよびリニアモードが存在。本作はUbisoftタイトルのクロスオーバー作品となっており『Tom Clancy’s』シリーズや『ウォッチドッグス』シリーズから勢力やキャラが登場。各勢力にはそれぞれの特色に合わせた役割が与えられる。戦いの舞台にはオリジナルマップのほか、Ubisoftタイトルでお馴染みのロケーションが採用されたマップも登場。ほか、武器をアタッチメントでカスタムするロードアウト要素も存在する。

本作は6月13日に、今夏にリリースされると発表されていた。しかし今回、当初の予定から遅れが生じていることが明かされた。主に、コンソール版のコンプライアンスに関する不具合(Compliance bugs)が予想以上に多かったためだという。コンプライアンスに関する不具合とは、プラットフォームごとのシステム(トロフィーが正常に獲得できるか、フレンド機能が正常に動作するかなど)に関連する不具合と説明されている。すなわち「プラットフォーム規格への適合性にまつわる不具合」といったニュアンスだろう。コンプライアンスに関する不具合は、ゲームプレイが意図したとおりに動作するかどうかといった機能性(functionality)に関する不具合とは別に扱われているそうだ。


発表においては、同社の作品リリースに向けたプロセスが説明されている。同社の作品は、社内のチームで機能性に関するチェックやテストを受けたのち、PC/PS/Xbox版についてそれぞれ用意された社内チームがコンプライアンスに関する不具合も含めて検証。その後PC/PS/Xboxの各プラットフォーマーに提出するためのCM版(Candidate Master・暫定完成版)が用意され、プラットフォーマーでのテストを受けることになるという。

『エックスディファイアント』では7月末にこのリリースに向けたプロセスが開始され、8月中旬には“(プラットフォーマーでのテストにおける)最初の結果”が判明。結果は不合格で、予想以上にコンプライアンスに関する不具合が多いことが判明したという。もしプラットフォーマーでのテストに合格できれば8月末のリリースが見込まれていたといい、結果として当初の予定から延期に至った格好だ。

現在は再提出用のCM版が準備されている段階にあり、ここから2週間弱でプラットフォーマーに提出できるだろうと説明されている。それが問題なく合格すれば 9月中旬から下旬にかけてのリリースが見込めるそうだ。一方でプラットフォーマーでのテストが“条件付きの合格”となり、コンプライアンスに関する不具合を修正するためのリリース初日のパッチを用意しなければならない可能性もあるという。もし初日のパッチが必要な場合、リリース時期は10月上旬から中旬にずれ込むことになるそうだ。なおリリース日が具体的に設定されていない理由としては、未完成のままゲームをリリースしたくないという想いもあるという。


今夏に予定されていたものの、やや延期となることが明かされた『エックスディファイアント』のリリース。延期にあたっては作品リリースまでのプロセスが詳しく説明されるという珍しい事例となった。本作はコミュニティに向けた透明性の高さやフィードバックを反映した開発姿勢をとっていることがアピールされている。今年4月にはクローズドベータテストが実施され、6月にはオープンセッション(テスト)が開催。現在プレイヤーの声を受けてマップ投票機能が実装されているほか、今後S&D(サーチ&デストロイ/爆弾を設置する攻撃側と阻止する防衛側に分かれるモード)風のモードも実装予定だそうだ。

エックスディファイアント(XDefiant)』は、PC/PS5/Xbox Series X|S向けに基本プレイ無料でリリース予定。