『Anthem』ゲームディレクターのJonathan Warner氏がBioWareを退職。長らく『Anthem』に関わってきた人物


ゲームクリエイターのJonathan Warner氏は、約10年間在籍していたBioWareを退職すると発表した。3月26日が最終出社日であるといい、今後新たな取り組みをしていくという。

https://twitter.com/Zen_Warner/status/1375447553664151561


Warner氏は、『Anthem』ゲームディレクターを務めた人物だ。キャリアとしては、マイクロソフトゲームスタジオやディズニー、Electronic Arts(以下、EA)などに務めた後、2012年初頭よりBioWareに入社。米国Edmontonのスタジオにて、『Mass Effect 3』のプロデューサーを担当。その後『Anthem』にゲームディレクターとして携わることとなった。

『Anthem』はリリースされてから、主要スタッフが数多く退社していた。リード・プロデューサーであったBen Irving氏、ライブサービス責任者であったChad Robertson氏、BioWareの全スタジオを統括するゼネラル・マネージャーでありコンセプト段階の『Anthem』を率いていたCasey Hudson氏、『Anthem』のエグゼクティブ・プロデューサーを務めたMark Darrah氏がスタジオを去っていった。Warner氏は、2019年後期から家庭の事情により開発を離れており、その後は別プロジェクト担当に。『Anthem』から離れてしばらくが経っている。とはいえ、制作の初期からリリースまで『Anthem』開発を指揮した者のうち、BioWareに残っていた数少ない人物のひとりである。


『Anthem』はローンチに躓き、ゲームシステムとして欠陥を抱えていたことから、大規模改修されることがEAとBioWareより2020年2月に発表されていた。1年にわたりその経過が報告されていたが、今年2月25日にその改修計画が中止されることが発表された。「Anthem NEXT」と呼ばれる再建の夢は潰えた(関連記事)。

実は2月9日に海外メディアBloombergは、『Anthem』再建計画の可否が近日決定されると、正式発表に先駆けて報道していた。同報道の影響もあってか、Warner氏は2月11日に、ファンから寄せられた愛の言葉に感謝を述べていた。#IBelieveInAnthem #StrongerTogetherというハッシュタグをつけてコミュニティを鼓舞していたが、前述したように『Anthem』再建計画は中止に。その後、Warner氏は10年勤め上げたBioWareを退職することとなった。

https://twitter.com/Zen_Warner/status/1359677343690747906


退職に際してWarner氏は、BioWareは心の故郷であり、彼らの今後の幸運を祈るとコメント。『Dragon Age』や『Mass Effect』、『Star Wars: The Old Republic』といったBioWareの開発タイトルについても心配はいらないだろうと寄せている。 再建計画が中止され、かつて同作に携わっていたゲームディレクターも退社。『Anthem』に携わっていたほかのスタッフたちも、すでに別の新作に取り組んでいる。『Anthem』は、すでに過去のものになりつつある。