『アーマード・コア6』イベント参加者が“異常な強さ”を見せて一躍ヒーローに。武器捨て強襲艦を殴る蹴る、開発陣も動揺するイレギュラーな強さ


フロム・ソフトウェアは8月18日、PlayStation Japan公式YouTubeチャンネル番組「PLAY! PLAY! PLAY!」にて『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON(以下、アーマード・コア6)』の発売前トークイベントをおこなった。同番組内にて、一般来場者を交えて催されたチャレンジ企画において、視聴者らの予想を上回る活躍を見せた“古強者”がSNS上で話題となっている。

『アーマード・コア6』は、メカカスタマイズアクションゲーム『アーマード・コア』シリーズの最新作だ。パーツを自由に組み替え(アセンブル)して戦闘メカ「アーマード・コア」を構築。愛機を駆ってミッションをクリアしていくシリーズの楽しみを踏襲している。これまでに日本各地で先行試遊イベントが開催されており、各会場でのクリア情報がSNS上共有されるなど、発売が心待ちにされているタイトルの一つだろう。


今回配信された「PLAY! PLAY! PLAY!」は特別回と称し、『アーマード・コア6』の魅力に迫る発売前トークイベントとされた。フロム・ソフトウェアよりプロデューサーの小倉康敬氏、ディレクターの山村優氏が登壇。司会にはタレントの松嶋初音氏が出演した。配信は『アーマード・コア6』開発コンセプトの紹介のほか、Q&A方式でさまざまな新情報が公開され、オンライン対戦のゲームプレイ映像も一部公開された。同イベントには、事前抽選で40名の一般ファンも招待されていた。

話題となっているプレイヤーは、そうした一般ファンのひとりだった。同配信では、小倉氏により企画された来場者参加型のチャレンジが実施された。その内容は、来場者から選ばれた一人の挑戦者が、これまでの宣伝PR(先行試遊イベントなど)で一切公開されていなかったミッションに“初見”で挑むというもの。開発陣からは、本チャレンジの達成報酬として来場者全員への限定非売品の特製Tシャツ贈呈が提示された。会場ファンたちの期待を一身に背負う、挑戦者は非常にプレッシャーの掛かるであろう状況でのチャレンジ企画となった。

この企画においてくじ引きにより選出された挑戦者は、渋谷から来場したというナンバー36、「ファイヤーワークス」氏。挑戦前インタビューにて「シリーズ全作プレイ済み」と語る同氏が、のちにイレギュラー“渋谷の花火師”という二つ名で大きな注目を浴びることとなる。


会場で事前に明かされていたのは「大型ミサイル発射支援」というミッション概要と、5分間大量に敵が押し寄せるなかでの対象護衛という情報のみ。さらに小倉氏は、挑戦前のアセンブル時間に「1分」という制限を設けた。シリーズ一作目のリリースから既に25周年を迎えているアーマード・コアシリーズは代々、搭乗(操作)する機体のパーツ構成や搭載武装を練る工程「アセンブル」が非常に重要となっている。そんな同シリーズの未発売・最新作において、初見のステージに1分間のアセンブルで挑むというのは、非常に過酷なチャレンジ内容といっても過言ではない。

しかし今回挑戦者に選ばれたファイヤーワークス氏は、制限時間内に必要なアセンブルを終え、来場者の期待を背負いながら、未発表ミッションへと出撃した。

挑戦の舞台となったステージのクリア条件は、発射準備状態にある大型ミサイル3基を襲来する敵の猛攻から守り切るというもの。ファイヤーワークス氏は、ミッション開始直後から同シリーズプレイヤーとしての年季を感じさせるミッションへの対応力を見せた。同氏の見事な機体制御や判断能力、敵機撃破のスピードもさることながら、もっとも劇的なシーンとなったのはミッション終盤、ミッション内のボスとなるであろう強襲艦(大型敵兵器)が飛来した場面だろう。


その時点での同氏は既にメイン武装として持ち込んだ両腕のガトリングの残弾が尽きかけており、残す武装はミサイルのみかと思われる状態。すると同氏の機体は、弾が尽きたためかおもむろに両腕のガトリングをパージ(破棄)。上空の強襲艦へと向かいながら素手の状態となった同氏の操る機体はそのまま艦橋に密着し、殴る蹴るの暴行を繰り広げ始めたのだ。そうして、繰り返しの“鉄拳(格闘アクション)”によって大型強襲艦を撃沈。残るミサイルと徒手空拳で残存敵を排除し、無事ミッションを成功させたのだった。

【UPDATE 2023/8/19 16:30】
パージ関連の表現を修正

ファイヤーワークス氏の挑戦を見守っていた開発陣からは、挑戦中にも「おかしい」「(相当アーマードコアシリーズを)やってますね」といったコメントが飛び出すなど、同氏の“異質”なプレイングスキルに対する称賛の声が送られていた。

また、挑戦後のインタビューにおいて同氏が「得意ではない」と語っていたアセンブルにも目を見張るものがあった。アセンブル開始直後、同氏は主力兵器となる両腕の武装に迷わず「ガトリング」を選択。これは襲来する敵の総数が不明な防衛ミッションに初見で挑むという状況で、とにかく弾数(総火力)の多そうな銃を選ぶ、という点では合理的な選択だ。

その後、すかさず機体の機動力の根幹をなす脚部パーツとジェネレーターのカスタマイズをおこなった点も見逃せない。積載量と立体機動力/旋回性能のバランスを兼ね備えた印象のあるパーツの選択は、防衛において機敏な移動が求められる可能性と積載量への対策を意識した選択だったかも知れない。事実、同氏はその機動力をもって強襲艦に“鉄拳”を叩きこんでいた。

【UPDATE2 2023/8/19 19:47】
脚部パーツについての記述を修正

*一連のシーンは動画1時間3分ごろから

こうして無事ミッションを達成した同氏は来場者らとともに限定Tシャツを獲得することに成功した。同配信後、ミッション完了後に撃ちあがったミサイルの爆発エフェクトと、挑戦者ファイヤーワークス(英語で“花火”)氏の名前の類似性、渋谷から来場したというプロフィールから、同氏を「渋谷の花火師」の異名で称えるポストが相次いでいる。また、同氏をアーマード・コアシリーズにおいては特別な意味を持った強者のための呼称「イレギュラー」と呼ぶポストも見られる。なお、本ミッション登場キャラであるシンダー・カーラは、今回の作戦を「花火大会」になぞらえている。今回の花火大会の熱狂は、きっとカーラも満足させたことだろう。開発陣からの新情報の公開に加え、ファイヤーワークス氏の活躍によって大盛況の内にイベントは幕を閉じた。

本作『アーマード・コア6』は、前作『ARMORED CORE VERDICT DAY』のリリースから実に10年ぶりのシリーズ最新作となる。また、対戦マルチプレイでは1v1のソロマッチと3v3のチームデスマッチをサポートすることも明かされている。本作発売後も、対戦シーンややりこみプレイにおいて、同氏のような「二つ名」を持つ出色のプレイヤーが現れるか、注目していきたい。

『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』はPC(Steam)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに8月25日発売予定だ。



※ The English version of this article is available here