悩み多きヤクザ生活ゲーム『Fading Afternoon』9月15日発売へ。『The friends of Ringo Ishikawa』開発元による苦悩の中年物語

 

パブリッシャーの IndieArkは8月18日、『Fading Afternoon』を9月14日に発売すると発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。時差の関係で、日本での配信は9月15日となるようだ。Steamストアページの表記によると、ゲーム内は日本語表示に対応している。

『Fading Afternoon』は2Dアクションアドベンチャーゲームだ。主人公は出所したてのヤクザである丸山誠二。「牛頭鬼」の異名で知られる丸山誠二は、かつては組の重鎮だった。しかし久々にシャバに帰ってきた丸山は、ムショにいるあいだに多くの物事が変わってしまったことを知る。古いやり方にこだわるのか、新たな生き方を受け入れるのか。いま大切なことはなにか、丸山は悩むことになる。

ゲームは2Dドットの横スクロール視点で描かれる。舞台となる街は大阪がモデルとなっており、80枚以上の背景が用意されているという。昼夜や四季、天候の移り変わりも存在。街には銭湯やキャバクラ、釣りやギター演奏など、複数のアクティビティが存在している。所持金の概念も存在し、高利貸しから金を借りることもできるようだ。また、自動車や電車を使った移動も可能という。美しいピクセルアートで描かれた、探索しがいのある街になっているとのことだ。


戦闘は素手での戦いのほか、日本刀や拳銃などが存在。トレイラー映像では、主人公が回し蹴りやスープレックス、ナイフ投げに銃撃など、多彩なアクションで敵を倒しているところが確認できる。押し寄せる敵を次々に倒す、ベルトスクロールアクション的なバトルが繰り広げられるようだ。また戦闘に特化した別モードとして、Rumble modeも用意されるとのこと。そちらのモードでは体力が尽きるまで敵と戦い、撃破人数をランキング形式で競うことができるようだ。


シナリオはマルチエンディングとなっており、開発中の段階で8種類のエンドが存在しているという。伝統と変化の狭間で、選択をおこなうことになるのだろう。8種類は開発中の数字のため、リリース時には増減している可能性もあるとのことだ。また、発売後にアップデートで追加する可能性もあるという。

本作を手がけるのはロシアのインディデベロッパーyeo。Vadim Gilyazetdinov氏を中心に、少人数でゲーム開発をおこなっている。過去には『The friends of Ringo Ishikawa』などを制作。同作はSteamユーザーレビューにて、本稿執筆時点で1835件中88%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。80年代日本を再現した美しいピクセルアートやオープンワールド世界での生活感、不良の葛藤を描いた文学的なストーリーが好評を得た。『Fading Afternoon』でも、そうした過去作の良さは受け継がれているようだ。『くにおくん』シリーズへのリスペクトを掲げるyeoが制作する、時代遅れのヤクザが過ごす黄昏れの日々に期待したい。

『Fading Afternoon』は9月15日、PC(Steam)向けに発売予定だ。