サバイバルMMO『The Day Before』開発元、「今年最高のサバイバル体験になる」とアピール。ゲームプレイなしの“スーパーカー映像”公開でユーザー困惑

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デベロッパーのFNTASTICは6月7日、オープンワールドサバイバルMMO『The Day Before』の最新映像を公開した。本作は、そのゲームタイトルについて商標権の問題に巻き込まれ、3月1日発売予定だったところ11月10日へと発売延期された。今回の映像では、現時点でさらなる発売延期を予定していないことや、ゲームタイトルの変更がないことが確認できる。

『The Day Before』は、パンデミック後のアメリカを舞台とするオープンワールドサバイバルMMOだ。高層ビルが建ち並ぶ都会から自然広がる田舎まで、さまざまな環境を擁する広大なマップが用意され、そのなかではゾンビが徘徊。プレイヤーは仲間とともに探索し、食料や武器などの物資を獲得しながら、またゾンビや敵対するほかのプレイヤーと戦いながらサバイバルをおこなうこととなる。さらにプレイヤーは、コロニーにてコミュニティ内で交流したり、戦利品を売買したりできるという。

今回公開された映像は、New Fortune Cityと呼ばれる高層ビルが建ち並ぶ大都市にて、オレンジ色のスポーツカーが疾走するという内容。街は荒廃し人の気配がなく、道路では野生の鹿が走っている。おそらく本作のゲーム内でも、このような車に乗ることができるのだろう。そして映像の最後では、「今年最高のサバイバル体験に備えよ」とのメッセージが表示され、11月10日発売予定であることが改めて伝えられた。


開発元FNTASTICは今回の映像公開に合わせて、海外メディアWellPlayedのインタビューに答えている。このなかでは、先述した商標権の問題について説明された。まず簡単に経緯を振り返ると、同スタジオは今年1月に本作の発売延期を発表。「The Day Before」の米国での商標を所有している、同名のカレンダーアプリの制作者からの申し立てを受けたためと説明された。同スタジオはそれまで、商標の取得手続きをおこなっていなかったという(関連記事)。

インタビューにてFNTASTICは、ビデオゲームにおいて「The Day Before」を先に使用したのは自分たちであるとし、自らに正義があると主張。法的手続きを通じて、タイトル名を取り戻すことについては楽観視していると述べた。また、権利者からの申し立てによって削除された状態にあるSteamのストアページも近く再公開される見込みだとし、本作はふたたびウィッシュリスト登録者数トップのポジションに復帰できるだろうと述べた。

同スタジオについては、全スタッフが“ボランティア”だとした開発体制が批判の対象となったこともあり、この点についても言及された(関連記事)。実際には、給料が支払われる社員もボランティアと呼ばれているそうだが、無償で開発に協力する本来の意味でのボランティアもおり、合わせて300人以上のボランティアが開発に参加しているとのこと。無償ボランティアの仕事内容としては、イースターエッグの作成が挙げられた。今はまだ仕事量は少ないものの、発売が近づくにつれて量も種類も増えていくだろうとした。

無償ボランティアの採用について、以前にはやりがい搾取であるなどと批判されたが、同スタジオはボランティア精神に基づいた革新的な労働文化であると自画自賛。賛同者に対しては常に門戸を開いているとし、この開発体制を維持する考えを示した。


インタビューではこのほか、本作は『The Last of Us』や「ディビジョン」といったAAAタイトルからの影響を受けていることや、さまざまな種類のゾンビが登場する一方で、ゲームプレイはPvPを主体とし、社会の回復をテーマにしたクエストが盛り込まれることなども語られた。サーバーごとの対応プレイヤー数は、まだテスト段階のため確定していないとのこと。詳しくは同インタビュー記事をチェックしてほしい。

ちなみに、本作においてはこれまでにいくつかの映像が公開されてきたが、ゲーム概要で示された内容が確認できるゲームプレイはほとんどなく、開発状況について不安視されてきた(関連記事)。今回公開された映像も、誰もいない街で車を走らせるだけで、一方で“今年最高のサバイバル体験”をうたい、YouTubeのコメント欄などでは困惑する人が多くみられる。また、映画「アイ・アム・レジェンド」を思い起こしたというコメントも。開発元には、そうした不安を払拭することが引き続き求められそうだ。

『The Day Before』は、PC(Steam)向けに11月10日発売予定だ。

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