『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』にて「ベーコンタワーバトル」が流行の兆し。物理演算サンドウィッチづくり

 

ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』のサンドウィッチづくりにおいて、 “ベーコンだけを積み上げる”遊びが編み出された。見ているだけで胸焼けしそうな「バトル」は、多くのユーザーに親しまれはじめている。


『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』は、『ポケットモンスター』シリーズの最新作。ゲームフリークが開発を手がける。本作の最大の特徴はオープンワールドを舞台に、境目なくシームレスに広がる街や大自然が楽しめることだ。また、最大4人でのマルチプレイにも対応している。冒険の合間にはテーブルを設営して、仲間やポケモンたちとのピクニックも可能。ピクニック時にはバゲットでサンドウィッチを作り、みんなで食べてさまざまな効果を得られる。

このサンドウィッチづくりに関して、ユーザー間で一風変わった遊びが誕生している。その名も「ベーコンタワーバトル」。やきベーコンを高く高く積み上げていくという戦いだ。


本作のサンドウィッチづくりには、規定のレシピどおりに作るレシピモードのほか、自由な具材を選べるフリーモードも存在する。ベーコンタワーバトルは、このフリーモードにて6種の具材をすべてやきベーコンに設定。後はひたすらベーコンをパンの上に積み上げていくだけだ。最大4人で熱い戦いを繰り広げるのだ。

むろんベーコンタワーバトルは公式に用意されたミニゲームではないため、プレイヤーごとのターンや勝利・敗北などは存在しない。それでもプレイヤー同士で、順番や崩した者が負けといった暗黙のルールを想定して遊ぶこともできるだろう。またユーザーたちは厳密な勝ち負けよりも、画面を埋め尽くすベーコンのシュールで脂っこい光景を楽しんでいる様子だ。

そしてユーザーたちはベーコンを「積む」こと自体を楽しんでいる側面もありそうだ。というのも、本作ではサンドウィッチづくりで具材を重ねるのがなかなか難しい。重ねた具材はある程度くっついてくれるものの、物理演算により傾いたり滑り落ちたり、乗せたときの反動で崩れたり。上手く重ねたとしても、最後に上からパンで挟む際にサンドウィッチが崩壊してしまったという悲しいユーザー報告もしばしば見られる。そして具材を上手く挟めなかった場合、サンドウィッチの効果も減ってしまう。サンドウィッチの崩壊を防ぐために上のパンを乗せることを諦め、皿の外に捨ててオープンサンドにする荒技まで考案されているほどだ。

つまり、ベーコンタワーバトルには物理演算を考慮しつつベーコンを積んでいくシビアな側面もあるわけだ。具材としてベーコンが選ばれているのは、積み上げやすい形状をしている点もあるだろう。そうした特徴は、かつてSNS上で流行を見せたiOS/Android向けアプリ『どうぶつタワーバトル』にも似ている。「ベーコンタワーバトル」というネーミングも共通の特徴から名付けられたのかもしれない。

なお弊誌で確認した範囲では、本作に関してベーコンタワーバトルという言葉が初めて用いられたのはTwitterユーザーめりくらげ氏の11月18日のツイート。クリエイターのミア=アンベル氏が言及した言葉だという。その後さまざまなユーザーにベーコンタワーバトルは親しまれているものの、遊び方には若干の違いがある。たとえばベーコンをハノイの塔のごとく三つに分けて積み重ねていく遊び方や、ピラミッド状に本能のまま積み上げる遊び方など。どのような形にせよ、うずたかくベーコンを積み上げることに魅力があるのだろう。

筆者もさっそくポケモンたちとのピクニックにて、ベーコンタワーバトルを試してみた。フレンドのいない、己との戦いだ。遊ぶ前はひたすらベーコンを積み上げる作業が賽の河原のようになるかと案じていたが、意外にもひとりでも楽しい。ベーコンの向きは変えられないため計画的に積み上げる必要があるほか、隣にくっつけて置くと予想外の挙動を見せるためギリギリを攻めるスリルもあり。何度か崩壊を見せたものの満足のいくまでベーコンを積み上げ、サンドウィッチづくりを終えた。ちなみに評価は星ひとつとなり、効果はなかった。



和気あいあいとしたサンドウィッチづくりが、脂ぎった戦いに変貌するベーコンタワーバトル。フレンドと集まってピクニックをする際には、いちど試してみてはいかがだろうか。また筆者のように黙々と自分との戦いに挑むのもいいだろう。

『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』はNintendo Switch向けに発売中。



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