デッキ構築型ホラーゲーム『Photogenic Minds : Identity』9月29日配信へ。写真を撮って夜の終わりへ辿り着く、恐怖とカードの融合

 

国内の個人デベロッパー727NotHoundは9月23日、『Photogenic Minds : Identity(フォトジェニック・マインド)』を9月29日に配信すると発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。本作は元々9月16日の配信が予定されていたが、バグ修正のため9月末への延期となったそうだ。

『Photogenic Minds : Identity』は、撮影した写真を使ってループ回廊の終点を目指す、デッキ構築型3D探索サイコホラーゲームである。本作の舞台は、カナダのどこかにある夜を超えられない超常都市レデルリン。主人公のジェニファー・サイレントフォールは、毎朝見つかる身元不明の異常遺体や、行方不明者の調査を生業とする探偵だ。ただし、それは表向きの話である。本作でジェニファーは、世界初の心霊写真探偵としてレデルリンで起こった大量暗殺事件を調査。心霊写真の中へ入り込み、死者の魂を捕獲することで、事件の解決へと迫る。夜の終わりを目指す、心霊写真の調査が展開されていく。


ジェニファーは死者の魂を捕獲するため、心霊写真の世界をカメラ片手に探索する。本作において心霊写真の中は、昼の12時から始まるループ構造となっている。ループ内には扉が存在し、扉の先へ進むと少しだけ時間が進行。ループ回廊の終点には死者の魂があるため、時間を進めて終点へ辿り着くことが目的の一つとなる。ただし本作では、扉を開くにはフィルムが必要であり、フィルムがなくなるとループの始点に戻されてしまう。ただ先を目指そうとしているだけでは、ループの終点にはたどり着けない。そこで、本作ではカメラを使ってデッキを構築していく。

まずループ回廊内には、被写体と呼ばれる能力付きのオブジェクトがランダムに展示されている。プレイヤーは巨大な手や不気味な絵画など、フィルムを使って被写体を撮影。撮った被写体はループ始点の部屋に飾られるので、展示された写真を撮影することで被写体の効果を発動させる。被写体の効果としては、回廊の時間を進める、フィルムを増やす、写真の展示数を増やす、ループの始点で使用できる写真の枚数を増やすなどが用意されている。要するに、本作では特殊能力付きオブジェクトの写真でデッキを構築し、撮影した写真をカードのように使って、ランダムなループ回廊内を移動するわけだ。


また回廊内には、脅威性の被写体と呼ばれる不気味な存在が時折登場する。放置していると、フィルムの数を減らされてしまうなど、探索に悪影響を及ぼすため、状況によっては脅威性の被写体の駆除も必要となる。そのほか、死者の特性とスペルを元に名前を推理する論理パズル要素も存在。システムとしては、探偵道具という探索を助ける要素も用意されており、難易度が高いと感じた場合には強力な探偵道具を持ち込むなど、自分なりの調査や推理方法で進められるそうだ。


本作を開発しているのは、国内の個人開発者である座間氏。727NotHoundは、同氏のデベロッパーとしての名義だ。過去作としては『国際指定怪異123号 廃村』や『HEAVY DREAM』、『Playable Mockup(プレイアブル・モックアップ)』などをリリースしてきた。2022年5月にリリースされた『Playable Mockup』Steam版においては、ユーザーレビュー44件中95%の好評を獲得。カードゲーム「ドミニオン」に近いルールでデッキを構築しながら、不気味な回廊を探索する、ホラーとカードの同居した奇妙なゲームプレイが展開されていた。

本作『Photogenic Minds : Identity』は、『Playable Mockup』のシステムをベースに開発された新作である。2021年12月より実施されたクラウドファンディングでは、目標金額50万円に対して、130万円以上の開発資金を獲得。複数のループステージで構成されたストーリーモードなどを搭載した、『Playable Mockup』の製品版として開発が進められてきた。

また本作は、元々9月16日に配信予定となっていた。しかし開発者である727NotHoundのツイートによれば、直前まで修正や変更を続けていたこともあり、バグが発生。リリースが9月29日へと延期された。具体的には、現在2種類のマップが正常に動かない状態にあり、動かないマップの実装がリリース時点では先送りになる可能性があるという。また仕様変更があった場合には、補填としてアップデートでより多数のマップやアイテムの実装が予定されているそうだ。

『Photogenic Minds : Identity』は、PC(Steam)向けに9月29日配信予定となっている。また基本システムのベースとなった『Playable Mockup』は、有料のSteamと無料のフリーゲーム版が配信中だ。