異空間探索サバイバルホラー『MOONS:First Fall』発表。薄暗く狂った施設を進む、その内容を開発者に訊いた

 

国内の個人デベロッパー727NotHoundは11月3日、『MOONS:First Fall』を発表した。同作は、PC(Steam)向けに2024年1月にリリース予定。開発中のゲーム画面を収録したと思われる、トレイラーが公開されている。本作は「ProjectMOONS」としてX(旧Twitter)上にて断片的な動画が公開されてきたが、正式タイトルが発表されている。

『MOONS:First Fall』は、727NotHoundが開発中の短編ホラーゲームだ。公開された動画内では、1人称視点で薄暗い施設内を進んでいく様子が映されている。主人公らしき人物が通路で何かと遭遇した後、マスコット風の化け物に襲われて画面が暗転している。動画内では、「人形限界に侵入」「ドータアに引きずり込まれデプス降下」などの記載も登場。謎の多い本作であるが、トレイラーの内容を踏まえると、プレイヤーは化け物の存在する施設内を進むことになるのだろう。

開発者である727NotHoundの座間氏に直接伺ったところ、本作は『人形限界』のセルフリメイク作品であるそうだ。『人形限界』は、727NotHoundから2023年3月にPC(Steam)向けに配信開始された、探索型サバイバルホラーゲームである。同作においてプレイヤーは、「人形限界」と呼ばれる怪異の内部で貨物輸送試験に参加。最深層のデプス399へたどり着き、人形限界の向こう側へ到達することが目的となる。

ただしエリアの向こう側へ行くには、デプス399に待ち受ける巨大な怪物・血垂れ頭領を無力化する必要がある。そこでプレイヤーは、視線を逸らすと動く人形たちと対峙しながら、人形限界内部で装備を調達。ランダムなエリアを探索して、より強力な人形の身体と魂を得ることで、血垂れ頭領の撃退を目指す。「だるまさんが転んだ」風の動く人形との駆け引きや恐怖と、奇妙な空間でのリソース確保や攻略が繰り広げられていた。なおSteamのユーザーレビューでは、23件中91%の好評を得てステータス「好評」となっている。

本作『MOONS:First Fall』では、『人形限界』からストーリーやシステムなどが一新されているそうだ。開発者の座間氏によると、本作では『人形限界』を基盤としつつも、大幅に要素を整理。UIをほとんど使用しなくても済むレベルで、ルールがシンプル化されているという。グラフィックについても前作の和やアジア系の雰囲気から変化し、西洋ホラー風の雰囲気も導入されている。「Backrooms」のような、リミナルスペース系の王道へ帰ってきたという。また本作ではそうした前作と異なるスタイルの採用により、前作で『人形限界』に触れていない、もっとカジュアルに寄ったゲームを遊びたいプレイヤーなどにも興味を持ってもらうこと目指しているそうだ。『人形限界』をベースとしつつも、新しいストーリーやルールを採用した作品になるのだろう。

そのほか本作は、プロローグやプレイアブルティザーに相当する短編であり、プレイ時間は数時間程度を予定。リリース後は反響を見ながら、最後まで遊べる作品に繋げていきたいと考えているそうだ。


本作を手がけているのは、国内の個人開発者・座間氏による727NotHoundだ。過去作としては、デッキ構築型3D探索サイコホラー『Photogenic Minds : Identity』や、4人ザッピング操作ホラー『国際指定怪異124号 東京廃村』などをリリース。独自のルールを攻略するホラーゲームを多数手がけてきた。

また727NotHoundは、本作以外にも「Project SZ(仮)」など、リリース予定のタイトルを発表している。座間氏のX(旧Twitter)アカウントによると、本作は軽度なプロジェクトだという。リリースを継続的におこない、作品間のタイミングを埋めるための小さな作品になるようだ。

『MOONS:First Fall』はPC(Steam)向けに、2024年1月のリリースを目指して開発中。前作相当の『人形限界』は、Steamにて通常価格税込500円で配信中だ。

UPDATE 2023/11/3 17:31
対応プラットフォームについて補足