『ニーア オートマタ』にて報告されていた「謎の扉」の真相が判明。謎を投げかけた張本人がネタばらし


ニーア オートマタ』においてここ数日ファンの注目を集めていた「謎の扉」について、ついに真相が明らかになったようだ。さまざまな情報から、公式の隠し要素である可能性と、Modによるユーザーの自作映像の可能性について議論されてきたが、結果的に後者であることが判明した。


ことのきっかけは、Redditユーザーのsadfutago氏が今年6月から7月にかけて投稿した映像だった。『ニーア オートマタ』の「複製された街」とみられるマップにて、何もない壁にインタラクトして隠された扉を開き、その内部へと入っていくという映像である。扉の向こうには長い縦穴が存在。そして梯子を降り、ねじれた回廊を進んだ先で、教会のような場所にたどり着く。

本作においては、ディレクターを務めたヨコオタロウ氏が「最後の秘密」と述べた要素が存在した。それは、最初のボスを倒した場面から、一気にエンディングまでスキップできるチートコードのこと。発見当時には『ニーア』シリーズの公式PRアカウントが、最後の秘密が発見されたようだと報告していた。しかし今回の映像が投稿されたことで、さらなる秘密が存在するのではないかとコミュニティをざわつかせることとなった。

ただ、問題の謎の扉についての検証が進むも、sadfutago氏以外誰も再現できず、また扉の向こうの環境には他作品のアセットが使用されているのでないかとの指摘もあり、フェイク映像の可能性も指摘されていた(関連記事)。

Image Credit: sadfutago / スクウェア・エニックス


そうしたなかsadfutago氏は7月29日、Redditに新たな画像を5枚投稿した。9Sが映るスクリーンショットなどであるが、『ニーア オートマタ』のゲーム内とは異なる様子。何らかのキャラクターのアセットらしきものも確認でき、一部では『ドラッグ オン ドラグーン3』のものではないかと指摘されている。そして次の投稿にて、「www.twitch.tv/ze34_zinnia > 三時間」というコメントを残した。

それから3時間後、示されたTwitchアカウントを通じて映像が投稿された。そこには、謎の扉の先のエリアのプレイ映像や、上述したスクリーンショットの場面のプレイ映像などが映る。そして、「sadfutagoを休ませてあげる時が来たようだ」という言葉に続けて、“ネタばらし”が始まった。


投稿者いわく謎の扉の映像は、本作からカットされたコンテンツをイメージして制作したものだったという。携わったのは、Mod制作者のDevolasRevenge氏とWoeful_Wolf氏、RaiderB氏の3人だ。数年をかけて完成させたもので、『ニーア オートマタ』のゲームエンジン上で動作させているのだという。映像を加工したものではないのだ。DevolasRevenge氏はTwitterにて、制作したマップを公開している。

当初は、6月のあいだに2〜3日程度コミュニティに楽しんでもらうことを意図していたものの、結果的に想定していた以上に話が大きくなっていってしまったと振り返る。そして映像の最後では、今回の映像を楽しんでもらえたらなによりだとして、コミュニティに感謝の言葉を述べている。


コミュニティの興味を大きく引いた謎の扉の映像は、3人のMod開発者らによって制作されたフェイクであることが判明した。これまでには、あの映像のような改造は、かなりのスキルを要するため実現は難しいとの指摘もあった。先述した本作の“最後の秘密”を発見したLance McDonald氏も、本作のゲームエンジンを使った映像であったことに驚きを示し、非常に優秀なMod開発者であると評している。

今思えば、開発側もすぐにネタばらししたり否定することも可能だったはず。にもかかわらず、ヨコオタロウ氏もプロデューサーの齊藤陽介氏も、幻の扉の話題に触れつつ、意味深なコメントを残していた。だからこそ、この話題はヒートアップしたのだろう。発端は一介のMod制作者の遊びであるが、ある意味では公式とコミュニティの、”息のあったにおわせ”が生み出したお祭り騒ぎだったといえる。いずれにせよ、5年前に発売された『ニーア オートマタ』は、国内外で大きく注目を集めることになった。『ニーア オートマタ』はPS4/Xbox One/PC(Steam)向けに発売中。10月にはNintendo Switch版も発売される。