『Dead by Daylight』大型アプデ配信前の最終調整予告。さらなる緩和と調整で遊びやすさを向上

 

Behaviour Interactiveは7月12日、『Dead by Daylight』の次回チャプター間アップデートについて、前回発表された内容(関連記事)から変更された点について発表した。予定されているのは、育成のしやすさを意識したBP関連の緩和と、我慢ステータスと一部パークに関するゲームバランスの再調整だ。前回の大型アップデート告知について、本実装される前に追加で変更予告された形となるが、これらはパブリックテストビルド(PTB)で得たフィードバックを元にした調整となっている。

育成システムの調整については、すべてのプレイヤーがパーク、アイテム、アドオン、オファリングといったこれまで獲得したものを失うことなく、プレステージレベルを上げられるように仕様変更が予定されている。しかしこの仕様ではパークの取得が簡単になった反面、アドオンを収集する労力が軽減されていないという指摘があった。よって今回新たに告知されたのは、アドオンをさらに集めやすくするための調整となる。

これまでは各マッチで獲得できるポイントの上限は、各カテゴリで8000BPの最大3万2000BPとなっていた。しかし各カテゴリの上限が1万BPへと引き上げられ、最大で4万BPまで獲得できるようになる。さらにプレステージのレベルアップにかかるコストが5万BPから2万BPへと大きく引き下げられる。そしてBPの所持上限はこれまで100万BPが上限となっていたが、2倍となる200万BPへと引き上げられる。純粋に取得できるBPが増え、育成コストも下がり、これまで以上にBPを溜め込んでおくことも可能になったといえる。

新規で解放した生存者や殺人鬼は、ある程度のパークを取得できてからマッチで使いたいプレイヤーも多いだろう。あらかじめ予告されていたアップデートも改善の多い内容だが、今回追加された項目はさらに育成面が緩和された形といえる。将来的にプレステージ後にブラッドウェブで出現するノードのレア度分布を見直すことも明言されており、今まで以上にさまざまなアドオンが出現しやすくなるように変更するとのことだ。

さらにチャプター間アップデート前の進行度を、新システムへと反映する仕組みについても変更を加えることが言及された。これはアップデート前のプレステージレベルや獲得していたパーク数に応じて、キャラクターごとにプレステージレベルのボーナスが得られるという仕組みだ。アップデート前にプレステージレベル3であれば、アップデート後には即座にプレステージレベル9となり、新しい報酬をすべて受け取ることができるようになる。パークの所持数次第ではさらに得られるボーナスが増える可能性があるのだが、ボーナスの合計がプレステージレベル10以上であった場合も、獲得できる上限はプレステージレベル9まで。それ以上はアップデート後に自力で進めていく必要がある。

ゲームバランスの再調整については、まずは我慢ステータスについて変更が入った。我慢ステータスを利用して、殺人鬼の攻撃を連続で耐え続けるプレイについて、開発側は仕様上は正しいものの望ましくはないとコメント。すでに深手を負っている場合、我慢の効果を得ている状態であっても、攻撃を受けたら瀕死になるように変更される。しかし深手状態でも我慢の効果を得ることは可能で、効果時間中に深手の手当てをすることで、我慢効果を用いて次の攻撃を耐えることができる。強力になりすぎないよう、制約が設けられた形となった。

パークの再調整については、PTB中に見つかった大きな問題を解消するための変更となる。具体例として「凍りつく背筋」がPTBでの変更内容にくわえて、殺人鬼の脅威範囲内では、脅威範囲の中心からの距離を視覚的に表示するインジケーターが追加される。この変更は耳の不自由なプレイヤーが、これまで脅威範囲の代わりにこのパークを使用していた点に起因している。ゲームのアクセシビリティをパークの効果に望んでいないことを説明しつつ、改善策を実装できるまでの暫定的な措置としている。将来的には耳の不自由なプレイヤーがこのパークを必要としないように、恒久的な解決策を検討する姿勢をみせた。

また、「デッド・ハード」は得られる我慢ステータスの効果時間が1秒から0.5秒へと短縮。PTBの調整段階でもまだ強力すぎると判断された上での変更となる。同時にアニメーションについても、新効果に見合うものに差し替える予定となっている。「オフレコ」はPTBの変更内容にくわえて、脱出ゲートが通電すると効果が無効化されるように変更される。現在の「決死の一撃」のように、脱出ゲートが通電している場面において生存者の脱出が確定しやすい点について言及し、活躍する場面をマッチ中盤までに絞り込む調整となった。

殺人鬼のパークである「オーバーチャージ」は、破壊された発電機の修理進行度が、30秒かけて最大で400%まで加速する効果が下方修正される。PTBで追加されたこの効果は非常に強力で、さらに「海の呼び声」と組み合わせることで、ソロプレイの生存者にとっては厳しくなる性能であると説明。効果量を100%から最大400%まで加速していくものが、75%から最大200%まで引き下げられた。「海の呼び声」との組み合わせ自体は引き続き有効であり、パークの取捨選択できる幅を減らさないように配慮した調整だといえる。

ほかにも「植物学の知識」は強くなりすぎないように、治療アイテムの使用効率が20%低下する効果が追加。「ディストーション」はトークンを消費した際に効果音が鳴るようになり、効果が発動したのを見逃さないように配慮されている。「鋼の意思」については変更点はないものの、各生存者のうめき声のボリュームに差異があることから、恩恵を受けにくい生存者がいる点について言及。将来的に生存者のうめき声の音量差を見直すことでバランスと取る予定とのことだ。また、「インナーフォーカス」はPTBでは変更の入らなかったパークだが、他の生存者の赤い傷が見える距離が32メートルから上限が撤廃され、無限に変更される。

ゲームの基本システムと数多くのパークと同時に変更したこともあり、運営側も「強力な戦法やイカれた状況がいくつか生まれてしまうのが必然」と前置きしている。その上で「PTBにおいてプレイヤーたちが新しい仕様やパークを最大限悪用してくれるよう祈っていました」ともコメント。そして見事にプレイヤーたちが期待に応え、さまざまな意見を送ってくれたことに感謝の言葉を述べている。また、再度パークの調整が必要と判断した際には、チャプター間アップデートまで待たずに可能な限り早く実施したいと説明した。

さらにはバランス面だけでなく、グラフィックについても変更がある。予定されているのは、プレステージレベルを進めることでそのキャラクターの固有パークをモチーフにした魔よけと、キャラクター選択時のアイコンエフェクト、そしてプレステージアイコンだ。これらは得るために費やした労力に見合うものであるべきと説明し、各種グラフィックの見直しをおこなっている。

パークの魔よけについては勲章として魅力あるものにするために、色を紫に変更し、金枠を追加してより目立つものになった。キャラクター選択時のアイコンエフェクトは、黄色いオーブから動く赤い傷マークへと変更。さらにこれまではキャラクターの前面に表示されていたものが、背面で表示されるようになった。プレステージアイコンはすべてに金色の飾りをつけることで、低いレベルであってもたどり着くまでの功績を称えたデザインとなった。

バランス調整によるプレイフィールの向上はもちろんのこと、特定のプレイヤーがモチベーションを保てるよう細やかに配慮された点が目立つ調整となっている。特に獲得BPや必要BPの緩和は、多くのプレイヤーが今後もプレイを続けていく上で恩恵を感じる要素だといえる。大きな変更が入ることによりプレイヤーが抱くであろう不安感が、これらの再調整によって少しでも新しい環境への好奇心へと変化することを期待したい。

今回告知された調整内容の全文はこちらの開発チームアップデートからチェックすることができる。これらの調整は7月中の次回のチャプター間アップデートにて実装予定だ。