国内RTA走者いわび氏、「RTAのプロ」を目指す。スピードラン専門として生計を立てる意気込み

Image Credit : Ryan-Quintal

国内のスピードランナーいわび氏は3月13日、自身の今後の活動方針について発表。RTAのプロを目指していく目標を明かした。 
 

 
いわび氏は、国内のスピードランナー。2015年ごろから活動を開始しており、『ゼルダの伝説』シリーズなどで記録を保持する。本稿執筆時点でのSpeedrun.comにおける記録としては、3DS版『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』にてGlitchless/No Wrong Warp/All Masks/Any%/100%と5カテゴリで世界1位を獲得。このほか『キングダム ハーツII ファイナル ミックス』にてコンソール60fps、クリティカルモード、メジャースキップなし、金の王冠入手カテゴリで世界記録を保持するなど、さまざまなゲームにて活躍している。 

いわび氏は3月13日にYouTubeにて配信を実施。今後の方針を視聴者に伝えた。いわび氏は高校生のときからRTAに取り組み、自身の生活の半分をRTAが占めてきたと語る。2021年には就職活動をおこなった。そのなかでは、IT系企業に勤めてプログラミングを学びRTAに活かすことや、メーカーに勤めて英語力を磨き、配信に活かすことなどを検討していたという。 

しかし、世界記録を狙うプレイスタイルを保持するうえでは、社会人になりながらRTA活動をおこなうことが困難だと判断。家族と相談し、今後はRTA活動のみによって生活を成り立たせることを目標とすることに決めたそうだ。現在いわび氏は実家で家族とともに生活しており、月間の収益は5万円~10万円程度。今後の目標としては配信・動画の収益だけで一人暮らしをすること、あるいはプロのゲーミングチームに所属することをゴールとして定めているという。いわび氏としては、さまざまなゲームのRTAを走ってきた経験から、自分でプロとしてやり遂げるポテンシャルには自信があるそうだ。 
 

 
今後RTAとして取り組みたいゲームとしては、『ゼルダの伝説 風のタクト HD』Any%、『ゼルダの伝説 風のタクト(ゲームキューブ版)』All Dungeons/Any%、『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』Any%、『ジャック×ダクスター』NoLTS、『ラチェット&クランク3 突撃!ガラクチック☆レンジャーズ』NG+ NoQE、『ラチェット&クランク FUTURE』Any%、『キングダム ハーツ2』金冠、『スーパーマリオ64』などを考えているとのこと。 

海外のeスポーツチームでは、FPSやMOBAなど対戦ジャンルのアスリートのほか、スピードランナーが所属することも珍しくはない。海外チームの代表例としては、Counter Logic Gaming(CLG)が、『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』などを走るMajinPhil氏や『スーパーマリオ64』走者Cheese05氏などを擁する。一方、国内のeスポーツチームにおいてスピードラン(RTA)走者を擁する例は多くない。いわび氏としては、今後国内のRTA走者が自分の後をついてプロを目指すことができるよう、パイオニアとなりたい意気込みだそうだ。 

スピードランナーとしては、必ずしもプロチームに入ることが生計を立てる唯一の道ではないともいえる。海外では、スピードランナー兼ストリーマーとして活動することで収入を得ているプレイヤーも存在。Twitchとパートナーシップを結んでいるスピードランナーの Firedragon764氏や、個人でG Fuelのスポンサー契約を結んでいる Distortion2氏などもそうした例といえるだろう。いわび氏は今後配信・動画コンテンツとも充実させていきたいとしており、活動次第ではアスリートだけでなく、ストリーマーとして活躍の幅を広げる未来もあるかもしれない。 
 

 
いわび氏の活動はこちらのチャンネルから視聴可能だ。