「Steam Deck」は、いつでもどこでもセーブデータをPCと共有できる機能対応。スリープすると自動で同期


Valveは本日1月25日、SteamのセーブデータバックアップシステムであるSteamクラウドに「動的クラウド同期機能」を追加した。この機能は同社の携帯型ゲーミングデバイスSteam Deckの利便性向上を企図しているようだ。

Steam Deckは、Valveが開発する携帯型ゲーミングデバイスだ。7インチディスプレイを中央に挟み、左右にスティック、ボタン、トラックパッドなどが配されている。Valveが独自開発したLinuxベースのOS「SteamOS」を標準搭載しており、同社が運営するSteamで配信中の多数PC向けゲームを楽しめるのが魅力だ。
 

 
そしてSteamクラウドは、同プラットフォームがサポートするセーブデータクラウド保存機能。同機能をサポートするゲームでは、ゲーム終了時にセーブデータがクラウドにアップロードされる。つまり、同じSteamアカウントを利用していれば、どこのPCからログインしても同じセーブデータで遊べる機能である。そして、Steam Deckの登場によりこの機能はより重要な意味をもつようになる。PCとSteam Deckの併用により、「Steam Deckで起動中のゲームの進捗はどうするのか?」という懸念も生まれるだろう。

今回追加された動的クラウド同期機能は、そうした懸念に応えるシステムとなっている。同機能を実装したゲームでは、Steam Deckでスリープに入った際に、自動的にセーブデータがSteamクラウドにアップロードされるのだ。既存のSteamクラウド機能では、セーブ同期にいちいちゲームを終了する必要があった。携帯機の手軽さの足をやや引っ張りかねない点だ。一方、スリープ操作のみで自動で同期してくれるとなれば、特に意識せず自然な利用手順でSteam DeckからPCへプレイ中ゲームの進捗が同期できる。また、PCからSteam Deckに戻る際にも、スリープ解除と共に自動的にセーブデータの変更を同期してくれるとのこと。さらなる詳細については、Steamの同機能紹介ページを参照されたい。

動的クラウド同期機能は開発者向けに、Steamクラウドの一部として提供されている。ただ、現在Steamクラウドを利用している作品でも、改めて開発側がゲーム内に実装する必要がある点には留意したい。どれだけのタイトルが対応していくかは気になる点だ。また、今後もSteamプラットフォーム側で、Steam Deckの利便性を向上させるようなアップデートが実施されるかもしれない。
 

 
携帯型ゲーミングデバイス「Steam Deck」は、アメリカ、カナダ、EU、イギリス向けに、2022年2月に出荷開始予定。その他地域での販売・予約開始時期については、公式サイトでの発表が待たれる。