E3 2022は今年もリアルイベントで「開催しない」。オンラインイベント開催の見通しもいまだ不透明

 
Image Credit : Jonas Jacobsson

アメリカのゲーム業界団体Entertainment Software Association(ESA)は1月6日、世界最大級のゲームイベント「E3(Electronic Entertainment Expo)」について、今年の「E3 2022」はリアルイベントで開催しないと発表した。ESAが海外各メディアに声明を送っている。

ESAのコメントによれば、現在みられるCOVID-19をとりまく健康上のリスクと、出展者・来場者の安全性に対する潜在的な影響をかんがみて、2022年のE3はリアルイベントでは開催しないとのこと。声明では、引き続きESAはE3の将来を非常に楽しみにしており、まもなく詳細をアナウンスすることを楽しみにしていると伝えている。

E3は例年、アメリカのロサンゼルス・コンベンションセンターを会場として開催されていた。入場できるのは業界関係者のみに限られるものの、近年の来場者数は6万人以上を記録。世界最大級のイベントとして開催されていた。しかし風向きが変わったのは2020年。新型コロナウイルスの影響により、同年の開催はキャンセルとなった。翌2021年には、初のオンラインイベントとして開催。各社のプレスカンファレンスや出展社によるショーケースなどのイベントをオンライン配信し、無料で誰でも視聴できる形態でおこなわれた。
 

 
また海外メディアGamesBeatは ESAにオンラインイベントの可否について問い合わせたところ、「オンラインイベントの可能性について興奮している」と返答されたという。一方、別の海外メディアIGNがオンライン開催についてESAに問い合わせたところ、現時点ではオンライン開催を実施するか断言することはできないとの回答が返ってきたとしている。どちらの回答も、オンラインイベントの実施についてはっきりとした言及を避ける内容となっている。今年のE3が開催されるか否かは現時点では不透明な状態だ。

新型コロナウイルスの影響というと、オミクロン株への懸念が真っ先に頭に浮かぶ。しかし情報筋によれば、ESAは変異株が11月24日に発見される前よりリアルイベントを断念していた可能性が高いという。アナリストのMike Futter氏によれば、昨年11月の中ごろにはすでに、ESAがすでにロサンゼルス・コンベンションセンターの予約をキャンセルしていたとの情報が入っていたそうだ。ジャーナリストのJason Schreier氏もFutter氏の報道を支持しており、E3は数か月前からリアルイベントを断念していたようだとしている。
 

 
依然として新型コロナウイルスの影響が波及するなか、今年のE3はどのようなかたちで迎えられるのか。各社のPRスケジュールにも影響を与えるだけに、今後の動静が気になるところだ。