『GTA5』は、思ったよりも平和的か否か。半年の調査で明らかになった、クリアまでに必要な「最小殺害数」


『グランド・セフト・オート』(以下、GTA)シリーズといえば、暴力と犯罪が描かれるゲームとして有名だ。車の窃盗や銀行強盗などが含まれるゲーム内容から、現実の銃乱射事件などと関連付けて矢面に立たされることも多い。そういった背景を別にして、純然たる興味から『GTAV』の最初からエンディングに至るまでの「最小殺害数」を割り出したプレイヤーがあらわれたようだ。PCGamesNが報じている。


海外掲示板Redditのユーザー投稿によれば、『GTAV』を可能な限り道徳的にプレイした場合、犠牲になる敵キャラクターの人数は、ほかのゲームと比較するとそれほど多くないようだ。検証は「戦闘なしでクリアできるところは、可能な限り隠密プレイ」「通行人の殺傷や不要な戦闘は避ける」「リスポーンする敵は最短で再出現を止める」、などのルールにのっとって行われ、最小殺害数を割り出すまでにかかった期間は約6か月とのこと。

まず結論としては、本作に登場するマイケル、フランクリン、トレバー3名の主人公全員の殺害数を合算すると、最終的な犠牲者数は726名になったそうだ。エンディング分岐では『GTAオンライン』につながる正史ルートを取ったため93名の敵キャラが犠牲になったとのこと。

もちろん、これは現実的に考えればとんでもない大量殺戮だが、ゲームの世界においては意外と多くはない数字だそうだ。というのも、同投稿によれば『Half-Life 2』における主人公ゴードン・フリーマンは(人間以外もふくまれるが)単身で751体もの敵を倒しているようなのだ。

同投稿では、『GTAV』のRockstar Gamesが開発した『マックス・ペイン3』の主人公マックス・ペインに至ってはゲームクリアまでに1216人が犠牲になるとしている。ほかプレイヤーの検証によれば、頑張れば同作での犠牲者は1145人までおさえられるようだが、それでもプレイ中約31秒あたり1人を殺傷するという暴れっぷりだ。


ビデオゲームをクリアするまでに必要な殺傷数を検証するYouTubeチャンネル「Video Game Kill Counts」によれば、初代『Call of Duty』ではクリアまでに1160名の敵兵が犠牲に。激しい戦闘が特徴のリブート版『DOOM』は1715体もの敵を倒す必要があるようだ。筆者は両作のプレイ経験があり、ゲーム中では特に意識していなかったものの、あらためて数字を見せられると多数の命を手にかけたような気持ちになってしまう。

殺傷数ではないものの、ゲーム中の犠牲者数といえば『スーパーマリオブラザーズ』35周年を記念して期間限定で配信されたバトルロイヤルゲーム『スーパーマリオブラザーズ35』も注目に値する。同作では敵キャラの打倒数を競うイベントが開催されていたこともあり、イベント期間中だけでもクッパは約536万体、クリボーに至っては約3億体以上が数多くのプレイヤーたちの手によって犠牲(?)となった。


それらの作品と比較してみると、『GTAV』の過激な内容に対して726人の犠牲者という数字は意外と控えめな印象を受けるかもしれない。また『アーマード・コア フォーアンサー』や『UNDERTALE』など犠牲者数そのものに意味のあるゲームも存在する。普段は“的”として認識してしまいがちなゲーム中の敵キャラクターだが、ひとりひとりの生命を意識してみるとゲームプレイに新たな深みを与えるかもしれない。