『電脳戦機バーチャロン』の生みの親・亙重郎氏がセガを退職。シリーズの今後は「皆さんと一緒に見守りたい」とコメント


セガの『電脳戦機バーチャロン』シリーズのプロデューサーとして知られる亙重郎氏は3月1日、今年2月末をもって同社を退社したことを報告した。


亙氏は、1996年にアーケードで稼働開始した『電脳戦機バーチャロン』の生みの親として知られ、“Dr.ワタリ”の愛称にてファンから親しまれている人物だ。同作は、バーチャロイドと呼ばれるロボットを、2本の操縦桿で操作して戦う3Dシューティングゲーム。アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズなどに携わるイラストレーターのカトキハジメ氏が、バーチャロイドのデザインを手がけたことでも有名である。

*ツインスティックを操作する亙氏


『電脳戦機バーチャロン』の開発当時、ロボットゲームは売れないとされていたなか、亙氏は大きなヒットへと導き、『電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム』『電脳戦機バーチャロン フォース』『電脳戦機バーチャロン マーズ』へとシリーズ展開。家庭用にも移植された。また2018年にはライトノベル「とある魔術の禁書目録」とコラボし、『電脳戦機バーチャロン×とある魔術の禁書目録 とある魔術の電脳戦機』をリリース。これに合わせて、計測機器メーカーのタニタと協力し、周辺機器ツインスティックを手がけたことも記憶に新しい。

また亙氏は『電脳戦機バーチャロン』シリーズ以外にも、ファンタジーRPG『セブンスドラゴンIII code:VFD』のプロデューサーを担当。1990年代には、ほかのいくつかのアーケード向けタイトルにも携わっている。


セガを退職した亙氏だが、トラブルや免職に繋がるような処分があったわけではないとのこと。一方で、今後については未定とし、現在は“失業中”だそうだ。同氏は「新たな仕事の場、情熱を傾けられるおもしろきテーマを見つけられれば」と述べており、これから次なる活動の場を模索していく様子。また『電脳戦機バーチャロン』シリーズについては、「将来、もしセガでなにか動きがあった場合、皆さんと一緒にその成り行きを期待をもって見守りたいと思います」とコメントしている。亙氏の今後の活躍に期待したい。