PS4『ゴースト・オブ・ツシマ』は、開発初期段階では「森だらけ」だった。ある作品を参考にし、フィールドをオープンに

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PS4向けに発売され、3日で240万本を売り上げるなど、売れ行き好調な『ゴースト・オブ・ツシマ』。同作は、開発の初期段階では「森だらけのゲーム」になっていたという。開発元Sucker Punch ProductionsのアートディレクターJason Connell氏が、IGNに明かしている。


『ゴースト・オブ・ツシマ』の特徴は、フィールドだ。長崎県・対馬を舞台とした同作は、実際の対馬の島の形などを参考にしつつ、独自のフィールドが作り上げられている。エリアによって異なる特色を持ちつつ、広大にひろがる対馬。実はこの対馬は、森だらけだったようだ。

Connell氏によると、ゲームを作り始めてから、1年か2年かほどは森林が多かったのだという。深く木々が生い茂る非常に美しい場所になっていたが、木々が多く、閉塞感があり、狭苦しいトンネルにいるような感覚を与えていたとのこと。そのアイデア自体はとてもクールだったというが、ゲームシステムとの噛み合わせが少々悪かった。本作ではコンパスやミニマップシステムが廃されており、風の導きを参考に目的地へと向かうからだ。

しかしコンパスやミニマップがない状態で、森が多いフィールドを進んでいくと、自分がどこにいるのかわからなくなってしまう。そこで、フィールドをオープンにしたわけだ。Connell氏は、『ワンダと巨像』の写真を引っ張ってき、広大な平原を通る際の気持ちのよい感覚を参考にし、平原を作ることになったとも語っている。

思い返せば、2017年12月に公開されたコンセプトアートを見ても、木々は大きな存在感を見せている。全体的な世界観はそのまま維持されているほか、本編同様に神社への道が途切れているおり、建築様式などは健在。一方で、どのアートにおいても木が力強く生えている。特に3枚目の絵では大木が存在感を放っているが、実際のゲームでは木はコンセプトアートほど重要ではない。


場所によっては木が生い茂っているエリアも存在するが、それほど広くなく、あくまでそのエリア範囲に留まっている。基本的には、オープンなフィールドを旅する。草原を駆けたり、山を登ったり、川を渡ったり、もしくは海岸を歩いたり。開放感が魅力の作品であるが、開発初期には開放感とは真逆の路線の作品だったと考えると、興味深さがあるだろう。


なおSucker Punch Productionsは『ゴースト・オブ・ツシマ』の前に、『Prophecy』なるオープンワールドアクションゲームを開発していたことが、先日報じられた。Sucker Punch Productions所属のアーティストが個人サイトに載せていたポートフォリオから開発時の11分の映像が流出したと見られている。舞台設定やテーマは異なっているが、ダイナミックでスニーキーなアクションは健在。屋根上や地下を進むシーンは、『ゴースト・オブ・ツシマ』でも見たことがあるだろう。

流出したファイルの名前から『Prophecy』は、『inFAMOUS Second Son』後につくられたバーティカルスライス(試作品)ではないかと予測されている(Eurogamer)。詳細については不明であるが、同作の開発中に生まれたアイデアが『ゴースト・オブ・ツシマ』に引き継がれているのは、間違いなさそうだ。

『ゴースト・オブ・ツシマ』は、PS4向けに発売中だ。