『ポケモンGO』にて、一般ユーザーの誤BAN報告相次ぐ。不正行為と戦うNianticの苦悩とその弊害

 

『ポケモンGO』において、不正行為をしていないにもかかわらず誤って処分されたとのユーザー報告がコミュニティから相次いでいるようだ。『ポケモンGO』で処分を受けると、黒背景の赤文字での「警告」が表示される。この画像が各所で投稿されているわけだ。RedditやTwitterでは、“普通に遊んでいたユーザー”からの嘆きの声が大量に寄せられ、開発・運営元のNianticは調査中であると表明している。

不正行為に関するNianticからの処分は、大きく3種類に分かれているようだ。まず1st Strikeと呼ばれる、一度目の警告。軽めの警告であるが、警告を受けてから1週間レアポケモンとの遭遇やEXレイドへの参加権がなくなるという。そのまま不正行為を続けると、二度目の警告を受ける。それが2nd Strike。2nd Strikeは「疑惑」としての意味合いが強く、30日のBANを受ける。1か月『ポケモンGO』を遊べなくなるのだ。そしてそのまま不正行為を続けた場合は、3rd Strikeを食らうことになる。3rd Strikeを受ければアカウントごと削除される。二度とそのアカウントでゲームを遊ぶことができなくなる。

これらの処分は、唐突に起こるという。NianticはこうしたBANへの反論に関しては基本的には対応しない方針であるとされており、そうした対応がさらに被害者の怒りに火を注いでいるという。さらにややこしいのは、この“偽りの十字架”を背負い続けなければいけないこと。誤BANを受け1週間レイド参加権を失うこともコアプレイヤーとしては痛手であるが、同様の誤った処分をもう一度受ければ、1か月『ポケモンGO』を遊べなくなるという厳しい措置が待ち受けている。苦情を出しても対応されるかわからない状態で、おぼえのない十字架を背負い続けるストレスははかりしれない。


一般的には、こうしたBAN処分は不正ツールユーザーにくだされることが多い。今年に入ってからはSpooferと呼ばれる位置偽装ツールの利用者が大量にBANされたことが記憶に新しい(関連記事)。実は直近でもやや似た事例が存在している。6月10日よりGOバトルリーグにて不正が横行しており、メンテナンスを実施した結果、一時的に同コンテンツは停止されている。今回の誤BAN大量発生については、GOバトルリーグの不正ユーザーへの処分と関連している可能性はありそうだ。

競技性の高いGOバトルリーグが導入されたことにより、不正行為が与えるコンテンツへの影響はさらに大きくなった。それらを取り締まること自体は、応援されるべきことだろう。的確に不正者をBANできればベストであるが、プレイヤー数があまりに多いことも関係してか、そううまくはいっていない部分もあるようだ。カスタマーサポートも追いついておらず、ユーザーのための不正者取り締まりのはずが、逆にユーザーに不信感を与えることになりかねない。

Androidの32bit端末を非推奨端末と発表したのち、それを延期するなどドタバタ対応が続く『ポケモンGO』運営。新規イベント展開だけでなく、既存プレイヤーに対する充実したサポートも求められるところだ。