株価の下落グラフを「スキージャンプ台」にする不謹慎ゲーム『Stock Jump』無料公開。気になるあのゲーム会社の下り心地はいかに

ポーランドのインディーゲーム開発者Sos Sosowski氏は3月22日、スキージャンプ株価シミュレーション『Stock Jump』を公開した。ブラウザにて無料で遊ぶことができる。本作のリリースにあたり、同氏は「資本主義の凋落を祝して」とコメントした。

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ここでいう“Stock”とは、スキーストックのことではない。滑るときに使う杖は、英語なら“Ski pole”と呼ぶ。ここでの“Stock”が指すものは「株価」だ。『Stock Jump』は全世界の株価をリアルタイムで取得し、その下降グラフをスキージャンプのコースに見立ててオリンピック記録を目指すシミュレーションゲームである。

ゲームのブラウザページに飛ぶと、まずは全世界の株式市場リストが表示される。たとえば日本企業の株価で遊びたい場合は、最初の画面からスクロールせず下の方にある“TOKYO STOCK EXCHANGE-TOKYO PRO MARKET (JPY)”——東京証券取引所を選択しよう。すると膨大な数の国内企業が現れる。それぞれ英語表記になっているものの、一般消費者でも見知った名前がちらほらと現れるだろう。ブラウザの検索機能を使えば目当ての会社名を手っ取り早く見つけられるはずだ。

遊びたい企業を選択すると、選んだ会社の直近における株価の値動きをゲームが取得する。その推移を示す折れ線グラフをもとにして、スキージャンプのコースが自動で生成されるのだ。なおどんなグラフであっても途中で強制的に坂が途切れるため、必ず最後には「株価ゼロ」の状態になる。この点は決して実際の株価を示しているわけではないため注意が必要だ。あくまで「株価をベースにした、途切れるコース」だということを念頭に置いて楽しもう。

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たとえば下記画像は京都に本社をおく、とあるゲーム会社の株価グラフだ。以下、各グラフは3月23日16時時点のものを掲載する。

序盤〜中盤にかけては順調な下降ぶりを見せるものの、ポイントとなるのはラストスパートに現れる急上昇&急下降だ。突然崖のようにそそり立つ高騰ぶりであわや激突するかと思いきや、快調な下り坂の勢いはそれしきでは止まらない。上り坂がむしろジャンプ台の役割を果たし、記録は169.96メートルまで伸びた。これは1974年、スイスのスキージャンプ選手ヴァルター・シュタイナーが叩き出した当時の世界記録とほぼ同等の記録となる。右肩上がりだったからこそ、記録が出たのだろう。

続いて、日本を代表する2大RPGを擁するゲーム会社のコース。こちらも京都の企業と同様、ラストスパートに急な値上がりが見られジャンプ台効果に期待がかかる。しかし記録は143.67メートルと、花札屋には及ばない結果となった。勢いが削がれてしまったのだろうか。

しかし諦めてはいけない。『Stock Jump』は自動生成されるスキーヤーを見ているだけではなく、タイミングよくクリックすることで跳躍して飛距離を伸ばせるインタラクティブな作品だ。何度も挑戦してみたところ、奇跡の瞬間を捉え格段に記録を伸ばすことができた。その距離、なんと231.84メートル。こちらは2016年、日本のスキージャンプ男子・葛西紀明選手がワールドカップで自身の最年長表彰台記録を更新した際の記録とほぼ同様だ。当時の葛西選手は43歳。繰り返し継続することで経験値を稼ぐ、王道のプレイスタイルが好記録につながったといえるだろう。

最後に滑るのは、ゲームやアミューズメント、スポーツクラブ施設まで幅広い事業を手がける企業のコース。まずグラフを見ると、右肩下がりである。一向に上がる気配がない。狭山あたりなら程よくスピード感を楽しめる良コースであろうが、今回はジャンプをしにきたのである。恐る恐る滑りだしてみると、序盤の真綿で首を絞めるような緩やかさが仇となりまったく速度が出ない。先ほどの経験を活かしてベストな跳躍のタイミングを探ってみたが、うっかり変に小山の前でジャンプしたせいで引っかかってしまった。にっちもさっちもいかない。

なんとか脱出するも、その後もスピードは出ず。「そもそもあのグラフでは地上へシームレスに降り立ってしまうだけでは?」という気もしたが、いちおうゲームのシステム上、適当な部分でコースがぶった切られているためジャンプはできないこともない。その記録は83.18メートル。奈良県の東乗鞍古墳とほぼ同じ長さである。

このほか、開発者のSosowski氏は自身のTwitterで自らの記録を掲載。林檎マークの大企業やeスポーツで知られるゲーム会社で滑った記録を発表している。興味があるなら対抗してみるといいかもしれない。本作のコースはリアルタイムで株価情報を取得しているため、同じ企業に挑戦しても日によって異なるコンディションを楽しむことができそうだ。ブラウザにて無料でプレイできるため、好きな企業・嫌いな企業のコースで気軽に楽しむといいだろう。なお今回は限られた数しか試遊できていないが、「上昇続きでプレイ不可能」という企業は今のところ無い。

Sosowski氏はドット絵パズルゲーム『McPixel』の制作者としても知られる人物だ。こちらは制限時間20秒のステージで、ひたすらポイント&クリックしながら爆発オチを回避し続けるアドベンチャー。雪崩のように押し寄せるナンセンスなシチューションの数々が、プレイヤーのシナプスを解離させる怪作として名を轟かせている。『Stock Jump』を遊んで世界経済を憂うのに疲れたらこちらをプレイするといいだろう。

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