任天堂とソニーが共同開発していた「Nintendo PlayStation」プロトタイプが約3160万円で落札。ただし“以前の打診額”には遠く及ばず

アメリカのオークションハウスHeritage Auctionsは3月7日、先月から実施していた「Nintendo PlayStation」のプロトタイプのオークションが終了し、30万ドル(約3160万円)で落札されたと発表した。バイヤーズプレミアム(手数料)が20パーセントに設定されているため、落札者は最終的に36万ドル(約3790万円)を支払ってこの幻のゲーム機を手にすることになる。

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Nintendo PlayStationは、かつて任天堂とソニーが共同開発しながら発売される事のなかった、CD-ROMドライブ搭載ゲーム機だ。スーパーファミコンカートリッジとの互換性を持ち、さらにSuper Disc規格のCD-ROMゲームを楽しめるものとされていた。のちにPlayStationを手がける久夛良木健氏が主導してハードウェア開発を担当していたソニーは、1991年の家電見本市CESにプロトタイプを出展。しかし、そこで任天堂はフィリップスのメディア規格を採用することを表明したため、Nintendo PlayStationプロジェクトは中止となった。

今回のオークションの出品者Terry Diebold氏は、米クレジットカード会社Advanta Corporationが破産した際に、資産として売却されたNintendo PlayStationを含む複数のアイテムをまとめて75ドルで購入したという。それはSCE(現SIE)の元社長Olaf Olaffson氏が、同社に転職し辞任した際に置いていったものだった。Nintendo PlayStationのプロトタイプは合わせて200台製造されるも、開発中止を受けてすべて破棄されたとのことで、Diebold氏は現存する最後の1台を偶然入手したことになる。

とはいえ、それだけ貴重なものであることをDiebold氏が知るのは、のちに息子がインターネット上で本機を紹介し、当時は一般に広く知られてはいなかったNintendo PlayStationの存在が認知された後のことだった。それから同氏は、世界各地のレトロゲームイベントを渡り歩いてきたが、そうした出費が負担になってきたため、今回オークションに出品することにしたという。

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Nintendo PlayStationを36万ドルで手に入れる権利を得た落札者は、現時点では匿名を希望しているため、どこの誰であるのかは不明。ちなみに今回のオークション開催中には、VRデバイスメーカーOculusの設立者Palmer Luckey氏が、2月14日時点での最高額で入札していたことを表明していた。同氏はゲームコンソールの膨大なコレクションを保有し、保存活動に取り組んでいるという。

そしてオークション終了後には、同氏の入札に批判的な意見に対し、「ゲーム技術の保存活動において、私以上に上手くやれる資産家がいると思いますか?」とコメントしている。ただ、自身が落札したのかどうかは明かしていない。ある大手メディアの問い合わせに対しても、自身についてでっち上げの記事を公開し、訂正にも応じないとして回答を拒否した。

ゲーム関連のオークションでは、クラシックゲームの未開封カートリッジが高値をつけることがあり、2019年にはNES版『スーパーマリオブラザーズ』の未開封品が出品。同作のパッケージにはいくつかの種類があるが、これは一部地域で試験販売された際のもので、貴重かつ状態も良いとして10万150ドルというゲーム関連として史上最高額で落札された。

今回のNintendo PlayStationのプロトタイプは、昨年の記録を大幅に塗り替えた形になる。ただ出品者のTerry Diebold氏は、ノルウェー在住の人物から120万ドル(約1億2630万円)で購入したいという申し出を受けていたものの、これを断ってオークションに出品していた。今回の落札額の4倍であり、もしかすると同氏は、あの時に売却していればと後悔しているかもしれない。

もっとも、世界に1台しか残っていないとされるNintendo PlayStationの希少性を考えれば、120万ドル以上での落札を夢見るのも無理はないだろう。なお本機の今後については、落札者の素性が不明のためはっきりしない。もう一般人の目に触れることはないかもしれないし、落札者がどこかで展示することがあるかもしれない。

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