『PAYDAY 2』メキシコを舞台にする新DLC「Border Crossing Heist」11月7日に配信へ。売上の8割を占める主力の再開発で起死回生へ


デベロッパーのOVERKILL Softwareは11月5日、4人協力プレイ対応クライムFPS『PAYDAY 2』向けの新追加コンテンツ「Border Crossing Heist」のトレイラーを公開した。

本DLCの舞台となるのはメキシコ。映像では、バイカーが集まる酒場や、航空機関連の立ち入り禁止施設にて激しい戦闘を繰り広げ、金庫を破る様子も確認できる。詳しい内容については、現地時間11月6日に発表予定。そして、11月7日にSteamにて配信開始するとのことだ。

*YouTubeのコメント欄では、開発終了状態から蘇った本作について、ヒネリを利かせて表現するコメントで溢れている。

『PAYDAY 2』は、2018年冬に開発を終了していたが、親会社Starbreezeが経営危機に陥ったことを受け、依然として同社の主力タイトルである本作の開発再開を今年10月に発表。その際に開発中であると報告していたのが、この「Border Crossing Heist」だ(関連記事)。公式サイトでは、『PAYDAY 2: Silk Road』というタイトルと共に掲載されており、メキシコを舞台とする新たなコンテンツを続々とリリースしていくのかもしれない。

「Border Crossing Heist」とは別に、海外で販売されているPS4/Xbox One版向けのアップデートの開発再開についても、10月31日に発表されている。最後のアップデートは今年5月まで遡るが、当時は1日に最大10万人がプレイしていたそうで、これを超える賑わいを取り戻したいとしている。なお、Nintendo Switch版の今後については、これまでのところ言及はない。

Starbreezeは同日11月5日、2019年第3四半期の決算を発表している。同期の売り上げは2110万スウェーデンクローナ(約2億3800万円)で、この内『PAYDAY』シリーズに関連する売り上げは1750万スウェーデンクローナ(約1億9800万円)。今年度のこれまでの3期9か月の売り上げは、前年同期比で14パーセント下落しており、同社の経営は依然として厳しい状況にあるようだ。

第3四半期の売り上げ全体に対する『PAYDAY』シリーズの割合は、一昨年は3割ほどだったが、今年は8割以上にまで高まった。これは、昨年から売り上げが大幅に落ち込んでおり、その中でも同シリーズの売り上げは一定の規模を維持しているためだ。しかし、それでも前年割れが続いている。先日リリースした、これまでのDLCをすべて収録した『PAYDAY 2: Legacy Collection』の販売や、今回発表した「Border Crossing Heist」など今後の追加コンテンツにて盛り返したいところだろう。

今回の発表の中でStarbreezeのCEO Mikael Nermark氏は、『PAYDAY』シリーズを中心とする保有IPのゲーム開発に注力する方針を語っている。また、同社は再建計画を今年12月までに完了させる予定となっているため、グループ全体でのコスト削減を進めながら、コアビジネスであるゲーム開発に取り組む考えを示した。

先日、2022〜2023年に発売すると発表したシリーズ新作『PAYDAY 3』については、同社にとってもっとも重要な将来の製品であるとコメント。現在は、デザインのやり直しに全力で取り組んでいる段階とのことだ。また、2020年には同作の販売パートナーを探す予定で、その準備にも取り組んでいるところだという。パートナーには、今後10年以上にわたってPAYDAYブランドを構築していく上で、共に尽力してくれることを求めている(関連記事)。

また、モバイル向けの『PAYDAY: Crime War』については、販売を担当する予定だったUniversalが、モバイルゲーム販売事業から撤退したため提携を解消。自主販売に切り替えることも検討したが、モバイルゲームでのユーザー開拓に精通した別のパートナーを見つけられそうだとしている。

Nermark氏は、これら『PAYDAY 3』と『PAYDAY: Crime War』の販売契約の締結と、高い品質に仕上げてリリースすることは、同社の今後のカギを握る要素だと述べる。そして、およそ1年にわたってStarbreezeの再建に取り組んできたことを振り返り、現在は同社の将来を楽観視しているとコメントしている。