Steamの「近日中リリース」ゲームの発売日設定の変更が、Valveへの事前申請制に改定。露出を得るための不正行為への対策か

Steamを運営するValveが、ストアに掲載されたゲームの発売日について、メーカーが編集する際の手続きの変更をおこなっていたことが明らかになった。RedditユーザーのHeadlessIvan氏は8月5日、ストアページの発売日を変更しようとした際に表示されたという注意表記のキャプチャ画像を投稿した(以下の画像)。

そこには、「発売日を変更する必要がある場合は、新たな発売日を設定する理由と、その新発売日を添えてValveに連絡してください。なお新発売日は、実際にリリースできると確信を持てる日にちを設定すべきです」と記載されている。

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Image Credit: HeadlessIvan

Steamにて発売予定のゲームのストアページを公開するメーカーは、製品情報やスクリーンショットなどに加えて発売日も設定する必要がある。そして、たとえば発売を延期した際には、これまでは掲載する発売日を自由に変更することができた。しかし、今後はValveに事前に連絡して承認を受けなければならないとのことである。Valveは、遅くとも8月頭までにこの手続きの変更を決定していたようで、開発者向けのドキュメンテーションの中でも以下のように説明している。

近日登場ページの公開後は、Valveに連絡しない限りリリース日を変更することはできません。できる限り実際のリリース日に近い日を設定してください。
開発に変更や遅れは付き物であり、Steamでリリースするタイミングを決定するのは皆さんですので、リリース日を変更することは構いません。しかし、ストアを訪れる顧客に対して正直かつ正確な情報が表示されることを弊社は希望します。

上記の近日登場ページというのは、発売前のゲームのストアページのこと。冒頭の注意表記でもこのドキュメンテーションでも、Valveは新たな手続きを伝えたうえで、確実にゲームを発売できる日を設定し、正確な情報を提供するよう求めていることが分かる。これは、発売日を自由に変更できることを悪用していたメーカーへの対策として、こうした手続き変更をおこなったことを示すものと考えられる。

今年3月、インディーゲームパブリッシャーNo More Robotsの代表Mike Rose氏が、Steamで販売されるゲームを掲載するカテゴリのひとつ「人気の近日中リリース」が、不正な操作により本来の役目を果たしていないと指摘した(関連記事)。このカテゴリには、近日発売予定のタイトルのうち、ウィッシュリスト登録者数の多さなどから人気だと判断されたものが順にリストアップされている。

Rose氏のいう不正な操作とは、発売日設定を自由に変更できることを悪用し、実際にはまだ発売は先であるにも関わらず、“近日”に変更することを繰り返すというもの。Rose氏によると、発売日はストア上でユーザーに周知させる表記とは別に、Steamのバックエンドに登録するものがあるという。つまり、ストア上では具体的な日にちや「Coming Soon」などと表示されたままでも、バックエンドの日付を変更することで、近日中リリースカテゴリに何度も登場させて露出を得てウィッシュリスト登録を獲得し、人気の近日中リリースにてさらに大きな露出を得ることが可能というわけだ。

Mike Rose氏は特定のパブリッシャーを名指しして、こうしたシステムの悪用を批判してきた。数多くのゲームが毎日のようにリリースされるSteamでは、ストア上でいかに露出を得るかが売り上げに直結するため、人気の近日中リリースのような注目度の高いカテゴリの上位に掲載されることは、メーカーにとって大きな意味を持つ。しかしこうした不正行為は、そのほかのメーカーに損害を与え、また歪められたランキングはユーザーにとっても不利益となる。

Rose氏の告発に対して、Steamの事業開発に携わるTom Giardino氏が、Valveもこの問題にはフラストレーションを抱えており、ちょうど会議でも議論していたところだったと返信。そして、問題を解消するよう取り組んでいるとしていた。その結果が、今回の手続きの変更に結びついたようだ。Valveがメーカーに事前申請を義務付けたということは、不自然に何度も発売日を変更するような行為には目を光らせているという意思表示だろう。

この変更についてRose氏は、Steamのシステムを悪用したビジネスは終わりを迎えたようだとコメントしている。Valveにとってもメーカーにとっても手続きの手間は増えることになるが、有効な解決策となりそうだ。

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