人間に復讐するモンスターステルス『Darkborn』パブリッシャーとの契約がひっそり終了していた。映像お披露目時も沈黙する奇妙な状況


Rockstar Gamesや2Kを傘下に持つ大手パブリッシャーTake-Two Interactive Softwareが2017年に設立したインディーゲーム専門レーベルPrivate Division。同レーベルでは、『アサシン クリード』シリーズのクリエイティブ・ディレクターを務めたPatrice Désilets氏率いるPanache Digital Gamesの『Ancestors: The Humankind Odyssey』や、『Fallout: New Vegas』の開発元Obsidian Entertainmentが手がける『The Outer Worlds』が開発中で、また先日には『Halo』や『SOCOM』に携わったベテランが設立したV1 Interactiveの『Disintegration』が正式発表された(関連記事)。

レーベル設立時には4本の新作を用意していると発表されており、これでひととおり披露された形になるが、残る1本である『Darkborn』については、Private Divisionとの提携をすでに終えていたことが明らかになった。海外メディアGameSpotが報じている。

『Darkborn』は、もともと「Project Wight」というコードネームで呼ばれていた作品だ。知能を持ったモンスター種の最後の生き残りとなり、迫害を続けるヴァイキングの人間たちに復讐する、一人称視点のステルス・アクションゲームである。Guerrilla GamesやEA DICEを経て、OVERKILL Softwareで『PAYDAY 2』のゲームディレクターを務めたDavid Goldfarb氏が新たに設立したスタジオThe Outsidersが開発している。

本作については、2016年に開発中であることが明らかにされ、のちにPrivate Divisionと契約し、そして続報として上に掲載したゲームプレイ映像が届けられたのは今年の4月だった。しかし、Private Divisionとの契約は2018年末時点ですでに終了していたという。このゲームプレイ映像は、海外メディアIGNやGame Informerが先行公開していたが、当時の記事では契約終了には触れていない一方で、販売元だと思われていたPrivate Divisionへの言及も一切なく、いま振り返るとやや奇妙な状況であった。

*『Darkborn』の公式Twitterアカウントが、2018年12月に3か月ぶりにツイートするも、特に変わった様子はなかった。

The Outsidersは『Darkborn』の開発を続けているにも関わらず、なぜPrivate Divisionとの契約を終えることになったのか、その理由については明かされていない。ただこの間の変化としては、The Outsidersの共同設立者Ben Cousins氏が2018年4月に退社している。同氏のLinkedInプロフィールによると、『Darkborn』が本格的な開発に入ったタイミングで辞めたそうだ。

David Goldfarb氏は、『PAYDAY 2』がマイクロトランザクションを導入したことに反発してOVERKILL Softwareを退社し、クリエイティブ面での自由を求めてThe Outsidersを設立した経緯がある。一方でPrivate Divisionは、スタジオ側に権限を与えてその開発のサポートに回ると宣言しており、両者の間でクリエイティブ上の軋轢があったことは考えにくいように思える。それどころかPrivate Divisionは、契約終了後も数か月にわたって同スタジオへの金銭面でのサポートを続けていたことをGameSpotに明かしている。

Ben Cousins氏に代わってThe OutsidersのCEOに就いたAnders Pettersson氏によると、同スタジオの今後のプランについては夏が過ぎた後に発表する計画だという。また、スタジオのブランドを変更する作業もおこなっているとのこと。何が起きたのか謎が多いが、『Darkborn』の続報と共に詳細を待ちたい。