『LoL』新チャンピオン「ユーミ」が発表。リーク騒動も


『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』を開発運営するRiot Gamesは、日本時間4月27日に新チャンピオン「マジカルキャット、ユーミ」を発表した。かねてより予告されていた、本をシンボルとする「不思議系サポートチャンピオン」の正体がいよいよ明らかになる。

 

不思議な本と魔法の猫

日本時間4月25日深夜に公開されたティーザー動画「境界の書」では、女性の声が魔法の本を通して『LoL』の世界のあちこちを見聞きし、さらにはワープしていく様子が描かれた。先日公開された「チャンピオンロードマップ:2019年4月」でも、次の新サポートチャンピオンは「彼女」と表記されており、すでに女性であることは確定と見られていた。そして翌日深夜に公開されたチャンピオントレーラー動画およびチャンピオン設定から、本と猫というコンビであることが判明。姿を消してしまった飼い主を懸命に探す魔法の猫という設定はすぐにユーザーの心をつかみ、コミュニティ全体がかわいらしい猫チャンピオンの追加を大いに歓迎している。

 

味方を強化するエンチャンタータイプのサポート

以前から予告されていたユーミの性質である「エンチャンター」とは、味方を強化したり守ったりすることに特化したメイジを指している(公式解説記事)。クライアント内で閲覧することができるユーミの性能概要によると、味方に「密着」することによって体力回復やシールド付与などを行う。RiotScruffy氏のツイートによれば「ユーミはソナのようなポーク&サステインタイプのサポート。オールインに反撃するのは苦手で、ラカンのようなイニシエートは得意ではない」ということで、ひとりでできることはかなり限られると考えてよさそうである。またIGN記事によれば「不慣れな新規プレイヤーがゲームそのものを学んでいく過程で助けになれるチャンピオン」と位置づけられているようだ。

チャンピオンデザインを担当したのはEndlessPillows氏とRiot Maxw3ll氏。EndlessPillows氏はザヤ&ラカン、パイクといったボットレーンのチャンピオンデザインで知られる。Riot Maxw3ll氏はBlizzard社で『ハースストーン』のシニアゲームデザイナーを務めていた人物で、Riot入社後の仕事としてはパッチ9.9で実装予定のブリッツクランクの小規模アップデートを担当している。キャラクター設定&ストーリーは、ケイル&モルガナの物語をはじめ、さまざまなチャンピオンのショートストーリーを執筆しているJellbug氏が担当。OwleyCat氏による美麗なスプラッシュアートコンセプトも公開中だ。

「マジカルキャット、ユーミ」は5月1日のパッチ9.9実装にともない、次のパッチサイクルへ移行するPBEにてプレイ可能になる見込み。実装は5月14日実装のパッチ9.10と予想される。

 

公式パートナーによるリーク騒動

通例、新チャンピオン等の新規コンテンツが発表されるのは、パッチ実装にともなってPBEに大きな更新が行われる水曜前後である。しかしユーミが発表された4月26~27日は週末であり、PBEでユーミがプレイできるようになるのも次のPBE更新日である4月30日と推測される。通常のサイクルより早い発表が行われたのは、ユーミのリークが原因かもしれない。

パッチ9.8期間の真っただ中である4月24日、Redditにて「あるLoLパートナーのYouTubeチャンネルより、次の新チャンピオンがリークした」という内容のスレッドが立てられた。リークした動画画像には、ユーミのスキルアイコン画像やゲーム内モデルが映っており、その信憑性を含めてコミュニティは大きく揺れた。

週末にユーミの公式発表が行われてから、リークが起こってしまったYouTubeチャンネルを運営するLoLパートナーであるNasteey氏は「なぜユーミのリークが発生したのか」という動画(英語)を改めて発表した。動画の説明によると、氏はRiot本社にて収録したユーミのプレイ動画を自宅で編集した後、Riotの確認と承認を受けるために限定公開動画としてYouTubeにアップロードした。その際、YouTube側のシステム不具合によって限定公開動画をどこからか見られる状態になっていたため、リークにつながってしまったという。このリークに悪意は全くなく、長期間の新チャンピオン開発を続けてきたRiot社員、うれしいサプライズを受け取るはずだったコミュニティに対して「いくら謝罪しても謝罪しきれない」と氏は告白している。

『LoL』では数年前に新チャンピオン情報のリークがあり、当事者に厳重処分が下されて以来、新規コンテンツに関する致命的なリークはほぼなくなったと言える状態ではあった。PBEよりも早く新規コンテンツを知ることのできる先行アクセス権なども特典として受けられる『LoL』公式パートナー制度が始まったのは昨年秋。NDA(秘密保持契約)ももちろん交わされており、パートナー側にもそれを守る意志があった。にもかかわらずリークが起こったのは、それを支えるシステムやインフラに瑕疵があったためだ。公式パートナーによる制作コンテンツが『LoL』を盛り上げているのは間違いなく、今後こうした「失敗」を防止するための仕組みづくりを進めてほしいものである。