とある海外メディアが「どのゲームのプレイヤーがもっとも賢いか」として、さまざまなタイトルの“プレイヤーのIQ”を独自に調査・算出。20のタイトルが挙げられ、『リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends)』のプレイヤーのIQがもっとも高いとされている。“IQ”の算出方法などさまざまな点が不明な調査結果ながら、興味深いランキングとして注目されているようだ。
今回調査を実施したのはオンラインカジノのポータルサイトであるWhichBingo誌。「どのゲームのプレイヤーが最も賢いか」として1002人のゲーマーに対しIQ(知能指数)テストを実施、その調査結果をまとめている。またIQの測定方法としては、心理学者のチームと連携してリモートでIQテストを実施。言語コミュニケーション、数学、論理、視覚的推論の4つの領域で参加者の認知能力を評価したという。
そして参加者に対し、主にどのゲームをプレイし、もっとも多くプレイしているプラットフォームが何かを尋ね、その結果を元にランキングを作成したとのこと。ゲームと、“そのプレイヤーのIQ数値”が示されたランキングだ。
なお、参加者の年齢層や地域、調査時期などは不明で、またIQの数値の算出方法などの詳細も明かされていない。一般的に用いられる知能指数(IQ)の数値の定義としては、あるテストを行ったうえで、その人の知能レベル(精神年齢)が実際の同年齢の正規分布の中でどこに位置するかを示すもの。あくまで相対的な評価であり、その数値は行われるテストの内容や集団の性質によって変動するものであることは留意されたい。
そんなWhichBingoの調査結果では、「賢いプレイヤーベース」を持つタイトルのトップ20が列挙されている。そのタイトルを見ると、『リーグ・オブ・レジェンド』のプレイヤーが1位となっており、プレイヤーのIQレベルは「120.4」とのこと。次点に『黒神話:悟空』が続き、『バルダーズ・ゲート3』『Counter-Strike』『エルデンリング』『ダークソウル』シリーズなどのタイトルが続いている。なおトップ20における最下位は『EA SPORTS FC 24』『EA SPORTS FIFA 23』となっている。
人気作がさまざま並んだ興味深いランキングながら、IQレベルはWhichBingoが独自の基準で算出しているとみられ、どのようなゲームでプレイヤーのIQレベルが高くなるかの傾向は不明。また先述したようにIQの算出方法なども明かされておらず、たとえばランキングにおける「IQ120」が一般的なIQ数値の定義と同様かどうかも不明な点には留意したい。
ちなみにこの結果に対しWhichBingo誌は「戦略やロールプレイングに重点を置いたゲームは、IQスコアの高さと関連している」と総括している。『リーグ・オブ・レジェンド』はMOBAと呼ばれるジャンルのゲームだ。同じくMOBAである『Dota 2』も上位にランクインしている。広く戦術的な思考が必要となる点から、プレイヤーのIQも高い傾向にあるという見方のようだ。
WhichBingoの調査結果が実際の“プレイヤーのIQ”の傾向を表しているかどうかは別として、ゲームをプレイする習慣が認知能力に関わるという点は過去に研究結果もみられた。例としては2003年にNature誌で発表された、アクションゲームが視覚的注意に及ぼす影響について述べた論文が挙げられる。この論文ではプレイヤーが焦点的注意、分散的注意を意図的に切り替えるアクションゲームのプレイにおいて、大脳皮質の注意を制御する脳領域の活性がより大きく変化、認知的側面に良い影響を与えることが報告されている。
また、主にアクションゲームやシューティングゲームの分野において認知機能の向上との関連性や影響を探る研究もさまざまな機関によって行われている。その中ではアクションゲームは主にワーキングメモリーや課題切り替え能力といった、認知的柔軟性を向上させる影響が見られるといった研究結果も報告されている(関連論文)。
そのため今回WhichBingoがランキング上位に挙げている『リーグ・オブ・レジェンド』や『Counter-Strike』など、アクション性もありつつ瞬時のチームワークや判断力が問われるゲームには特に認知機能が活かされる可能性はありそうだ。ランキング自体はあくまで同誌の独自調査に基づく報告であり、プレイや腕前に“IQ”が関わるかどうかなども不明ながら、少なくとも『リーグ・オブ・レジェンド』は、やはり頭脳戦も重要なゲームといえるのかもしれない。