Toby Fox氏が新作RPG『DELTARUNE』についてファンに説明。『UNDERTALE』の世界との繋がりや、チャプター2以降の開発体制など

 

インディー開発者のToby Fox氏は11月2日、先日発表した新作『DELTARUNE』についてファンに説明した。本作は、チャプター1をプレイできるWindows/Mac向けのデモ版が公式サイトにて現在無料配布中(関連記事)。配布開始されたのは日本時間10月30日だったが、Fox氏はこれをプレイした人から寄せられるであろう質問を事前に予測して、10月4日にあらかじめFAQ形式で書き留めていたものを公開している。

『DELTARUNE』のチャプター1には、Fox氏がほぼひとりで手がけ大きな人気を得たRPG『UNDERTALE』のキャラクターが登場するなど共通点が多い。一方で、同作の続編というには奇妙な世界の中で物語が進行し謎深い印象を与えている。この点についてFox氏は、「『DELTARUNE』の世界は、『UNDERTALE』とは別の世界」だと明言。『UNDERTALE』と同じ見た目と名前を持つキャラクターが登場するが、『DELTARUNE』の世界に暮らしているのは「別の人生を歩んできた別のキャラクターたちで、そこで繰り広げられるのは、まったく新しい別の物語」なのだという。Fox氏は、『UNDERTALE』にて皆が幸せになるエンディングを迎えたなら、みんな幸せのまま変わらない。『DELTARUNE』は同作をクリアした後で、お好みでプレイできるゲームであると説明している。

弾幕が飛び交ったり、交渉が可能な戦闘システムも『UNDERTALE』との共通点のひとつ。味方キャラクターが複数いる本作とは本来相性は良くないものの、気に入っていたのでどうしてもふたたび採用したかったのだという。また、敵と戦いたくないプレイヤーが「ぼうぎょ」ばかりしなくて良いシステムにしたかったとも。ちなみに、敵弾をスレスレで回避すると敵の攻撃が早めに終わる場合があるそうだ。とはいえ、チャプター1の内容は今後変更する可能性もあるそうで、コンテンツを追加することはないが、UIの修正などをおこないたいとしている。

本作のストーリー面については、ゲームの続きを作ってから話したいとのこと。ただ、ストーリー自体はすべて書き上げているものの、チャプター1の開発には数年かかっており、残りのチャプターの長さを考えると、Fox氏がこのプロジェクトに費やしてもいいと考えている時間である、最長7年以内に完成させることは不可能だと感じるほど、本作は『UNDERTALE』と比べて制作難易度が高いそうだ。

*Toby Fox氏が、『DELTARUNE』のアイデアを書き留めたファイルの一部を公開。日付は『UNDERTALE』のリリースよりも3年も前の2012年となっている。

チャプター1の開発に時間がかかったことについては、続きのチャプターでも使用することになる町全体を最初に作り上げる必要があったこともあるが、グラフィックが複雑になったことに加え、メインキャラクターが複数になったことにより、戦闘システムやフィールドなども複雑化し、さらにダイアログの執筆の難易度も上がったことも挙げている。また、ゲーム制作に対する自信の喪失や燃え尽き、制作以外の責任が増えたことなど、Fox氏自身のコンディションやスケジュールにも難しい面があったという。

このままFox氏と、『UNDERTALE』の一部アセットを手がけたTemmie Chang氏だけで開発していたのでは、『DELTARUNE』は本当に完成しそうにないため、Fox氏は開発チームを組むことを目指すとしている。まだこれから取り掛かるという段階のようだが、優秀なスタッフを迎え、効率よい役割分担ができれば開発のスピードアップは間違いないだろう。

『DELTARUNE』は、現時点ではチャプター2から最終章まですべて完成してから一気にリリースする計画だそうで、エピソード形式ではなく、一度の購入ですべてをプレイできる形にするとのこと。完成時期や価格、またコンソールへの移植については未定。このFAQを書いている段階でのチャプター2以降の開発の進捗はゼロパーセントだそうで、まだまだこれからということのようだ。

それでもFox氏は、これまでに想い描いてきたものをファンに見てもらいたいという、たったひとつの理由で本作を手がけているという。大ヒットした『UNDERTALE』によってファンの期待値が上がっていることに不安を感じたこともあったそうだが、同作とはまた別の、もしかすると皆に気に入ってもらえるかもしれない作品を作りたいとしている。

なお、『DELTARUNE』のチャプター1をプレイしてバグらしきものを見つけた場合は、Twitterにて「#deltarunebug」というハッシュタグをつけてツイートして報告して欲しいと呼びかけている。