物理演算アクション『Human: Fall Flat』PC版が日本語に対応。売上は400万本を突破、“アップデートなし”でセールスを倍に伸ばす

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Curve DigitalとNo Brakes Gamesは、『Human: Fall Flat』の全プラットフォームの合計売上が400万本を突破したことを発表した。2016年7月に発売された同作は今年2月に200万本を売り上げたことを報告されていたが、半年待たずしてその倍である400万本へと到達している。なお、400万本突破にあわせて、同作のアジア人気を受けて日本語と韓国語に対応。テキスト量はさほどない作品であるが、日本語で同作を楽しめるようになった。

『Human: Fall Flat』は、3Dアクションアドベンチャーゲームだ。ぐにゃぐにゃとした粘土のようなキャラクターを操作し、ステージのクリアを目指す。ステージ上のさまざまなものをつかみ壊すことができるほか、物理演算が導入されており、オブジェクトが予測不能な動きを見せるなど、思わぬ事故が多発する。ステージ制が採用されているが、ゴールにいたる解法は複数用意されており、自由度の高さも魅力である。

本作は前述したアクシデント性や自由度の高さにより、購入したプレイヤーから好意的な声が寄せられていたものの、一方で人気は伸びきらないタイトルであった。というのも本作は、シングルもしくはローカルプレイ専用タイトルであり、「実際に友達が横にいる環境で遊んでください」と開発陣も推奨していた。こうした理由により、“それなり”な人気はあったものの、昨年9月には「Humble Jumbo Bundle 9」の1ドル枠にて販売されるなど、安売りされることも少なくなかった。

しかし10月末にSteam版にオンラインマルチプレイモードが実装されたことにより、状況は一変。オンラインで友人を誘って遊べるようになったことで、遊ばれる機会が増加。TwitchやYouTubeにて楽しげな動画が多数アップされ始め、コミュニティベースが広がりを見せ始めた。実況動画などによる話題性の高まりの影響を受けてか、昨年末に発売されたNintendo Switch版もニンテンドーeショップのセールス上位に位置することが多くなり、さらにはPlayStation 4版の売り上げも押し上げられるなど、Steam版のオンラインマルチ対応が売り上げに大きな影響を及ぼしている。

どれほど売り上げが伸びているかをチェックしてみると、たとえば昨年8月時点でのゲームの所有者は15万本。バンドル入りによりユーザーは倍近くになり、オンラインマルチの実装とセールの追い風を受け怒涛の伸びを見せる。Steamの仕様変更により現在の所有者数は確認できないが、今年4月時点で260万まで伸びているところまで確認でき、推移を考えると300万近くの所有者がいると予想できるだろう。約20倍の伸びと考えると、セールスペースが驚異的であることがわかる。

Image Credit: SteamSpy

特筆すべきは、No Brakes Gamesは200万本突破をアナウンスした2月よりメジャーなアップデートをおこなっていない点。そもそも『Human: Fall Flat』はすでに完成されており、マルチプレイの実装もあくまで試験的なものだった。Mod対応なども示唆していたが、そもそも開発者がひとりの個人制作のプロジェクトであることにより、できることは限られている。アップデートがないにも関わらず、売上を倍にしたということから、ゲーム実況を中心としたクチコミがマーケティングとしていかに強いかということを、あらためて確認できる。

Steamのプレイヤー数Twitchのスタッツを見る限り、加熱した人気は落ち着きを見せているようだが、大型セールによるブーストも今後期待できる。500万本という大台への到達も、時間の問題になるだろう。

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