開発中止になった『Fallout 3』非公式リメイクプロジェクトが再始動。中止の原因となった問題に再び取り組む

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「Capital Wasteland」のプロジェクトリーダーであるHcGxGrill氏は1月2日、同プロジェクトの開発を再開すると発表した。「Capital Wasteland」は、『Fallout 4』に使用されているCreation Engineで、『Fallout 3』をリメイクするという非公式リメイクプロジェクト。オリジナル作品に含まれたクエストやモンスター、マップなどをすべて作り直すというコンセプトで進められていた。システムは原作のものを尊重し、雰囲気が明るくなりすぎないように、フィルターをかけるといった工夫が加えられていたが、昨年に開発中止を余儀なくされていた。しかし、紆余曲折を経て「Capital Wasteland」の制作は再開されたようだ。

「Capital Wasteland」は順調に制作されていたものの、「音声」が問題となり開発中止に至った。というのも、『Fallout 3』の世界を再び作り上げるうえでは、グラフィックやモーションは作り直すことができるが、シナリオを盛り上げるボイスは作り直すことができない。開発チームが原作のボイスを使わせてもらえないかと、販売・開発元であるBethesdaに相談したものの、声優の権利が付随した問題により断られていた。音声の再収録を試みたものの、新収録の音声では『Fallout 3』の魅力を伝えられないとチームは感じたという。かといって、Bethesdaの断りを無視して音声を入れることもできない。最終的に、プロジェクトの続行を諦める決断を選んでいた(関連記事)。

しかし時間と情熱を捧げたプロジェクトだったこともあり、HcGxGrill氏は中止を発表した後、落ち込む日々が続いたという。数か月の休暇をとったあと、ゆっくりとふたたび「Capital Wasteland」に着手し始めた。チームもそのことに気付き、プロジェクトは再始動された形だ。「音声」という課題は残ったままであるが、前回とは異なり音声収録のリードであるModチームUnoctiumの力を借りるとのこと。とはいえ、存在するセリフはおよそ4万5000行と、その量はとにかく膨大。声優を募り音声収録をするところからふたたび始めていくという。

チームとしては、声優だけでなく、レベルデザイナーや3Dアーティスト、2Dアーティスト、アニメーターや環境およびVFXアーティストも募っているという。なお非公式リメイクプロジェクトとしては、『Fallout New Vegas』を『Fallout 4』内で再現させる「Fallout 4 New Vegas」が進行していた。こちらも音声問題に直面したが、音声を新規収録することによりプロジェクトを続行することを決断。「Capital Wasteland」チームも、同じ道を選んだ形だ。

「Capital Wasteland」自体が開発中止前時点で、まだ完成まで遠い状態だったこともあり、そこに音声収録も加わるとなると、まだまだ時間が必要だろう。再始動したことに喜びつつ、リリースされる日をのんびり待ちたいところ。

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