ポストアポカリプス・サバイバルシム『END ZONE A WORLD APART』開発中。放射能の脅威溢れる終末を生き抜け

 

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第650回は『END ZONE A WORLD APART』を紹介する。

インディーパブリッシャーAssemble Entertainment がポストアポカリプス・サバイバルシム『END ZONE A WORLD APART』を制作中だ。開発を手掛けるのはアドベンチャーゲーム『Leisure Suits Larry』などに携わったインディースタジオCrazyBunch。2020年春にリリース予定となっている。

『END ZONE A WORLD APART』は、2021年に起こった壊滅的な放射能汚染から150年後の世界を舞台とするサバイバルシミュレーターだ。プレイヤーは地下シェルターから脱出することに成功した人類を指揮し、廃材や自然資源を利用した都市の形成と運営を通じて、荒廃した地上で社会を形成し、如何に長期間生き残るかを模索することとなる。

ゲームの基本的な流れは、他の都市運営型サバイバルシミュレーターと殆ど変わらないようだ。作業に回せる人員数を常に考慮しつつ、荒れ地を整地。寝るための家屋や水、食料、電力といった、安定したライフラインの供給が可能となるよう、インフラ施設を次々と建設していくことが先ず必要となる。PV中では浄水場や農作物を育てるための畑、住民を外地に派遣しての狩りや、牧場が一例として確認できる。ソーラーパネルを用いた太陽光発電も可能となるようだ。

現時点で、建てることのできる建設物は約30種類以上を予定しているという。いずれの施設もトタン板のパッチワークと言えるような「いかにも終末後の世界」という外観をしているのが面白い。もしインフラの充実度が足らなければ最悪の場合、住民の不満によりコミュニティが霧散してしまうため、今の生活に何が足りないのか、ということをいつ何時も頭の隅に入れながらゲームプレイを行っていく必要がある。そうやって度重なる苦難を乗り越え、やがて安定した生活が送れるようになれば、住民たちは家族を作り、新たな生命を育むことだろう。そうやってこれまでの成果を次の世代に継承し発展させていく。盤石な生活基盤の構築と連続した世代交代によるコミュニティの繁栄こそ、このカテゴリのゲームにおける究極的な目標なのである。

では『END ZONE A WORLD APART 』は同系統の作品と何が異なるのだろうか。「ならでは」という点は何処にあるのだろうか。それは本作の設定に準えた見えざる敵「放射能」がもたらすさまざまな災害と、オーパーツを探索するトレジャーハンティングにある。本作ではゲームプレイ中、「干ばつ」「豪雨」をはじめとする一般的な自然災害の他に、「汚染水を降らす雨」や「砂嵐」など放射能を帯びた様々な天災に見舞われることがある。これらを人体や農作物が直接浴びてしまえば病気となってしまうし、そうでなくても水質汚染や土壌汚染という、深い爪痕を残す。プレイヤーは次の災害がやってくる前に、放射線をカットする特殊な装備を開発し、損傷、汚染された設備補強の片手間を使って、コミュニティ内に広まる放射能を浄化していかねばならないのだ。そうでなくとも、新たに領地を広げるにあたり放射能の浄化は必須。最悪の場合、汚染物質を埋めることで土地に封印することになりかねない。地形にどの程度の放射能が含まれているかは作中のグラフで一目瞭然ということであるため、参考にするといいだろう。

また生活に余裕ができれば、旧世界の遺跡を探索するトレジャーハンティングに住民を派遣することができるようになる。基本的には遠征という形で一定数の人数を指定された土地へ送り、成功すれば遺物が手に入るという仕組みだ。単なるコレクション要素なのか、それともコミュニティに影響を与えるアイテムとして使用できるのかは未だ不明だが、長期的に本作を遊ぶために一つのモチベーション要素として機能することだろう。

Steam内のストアページによれば、本作のクオリティをより高いものとするためまず早期アクセス配信を行う予定とのこと。同ゲームカテゴリに興味がある方はぜひ購入を検討してみては如何だろうか。