『グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-』世界大会上位選手・座談会インタビュー。猛者たちは、試合前のプレッシャーや敗戦の苦しみとどう向かっているのか?

 

今年3月21日から23日にかけて、「アークワールドツアー2023」の決勝大会が開催された。同大会では『グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-』(以下、GBVSR)も採用されており、日本からの3名を 含む8名のプレイヤーが参戦し激戦を繰り広げた。

競技シーンも盛り上がる中で、そうした選手たちがなぜ本作をやりこみ、どのように練習しているか気になることだろう。今回、「アークワールドツアー2023」の『GBVSR』の決勝大会に参加した8名のプレイヤーのうちなんと7人に同時にインタビューをする機会をいただいた。その上で今回の大会について、そして『GBVSR』について多くの質問に答えてもらった。本稿では、この豪華極まりない日米欧合同インタビューの内容をあますところなくお届けする。

前編(関連リンク)では、なぜ『GBVSR』を始めたかや、今のキャラクターを選んだ理由などを訊いた。後編となる本稿では、試合に対する心構えやプレッシャーとの付き合い方など、プロシーンで活躍する上でのコツを訊いている。

なお、インタビューが実施されたのは4月。パッチ1.30環境下でのインタビューであり、現在のパッチとはゲーム内容が異なる点がある可能性については注意してほしい。

参加者

・たこどっと(日本)

格ゲー歴20年。野菜が苦手。
メイン使用キャラはニーアとベリアル。

・フクナガ(日本)

前作は発売直後にメインにやり込み、ライジングはゲーム性が好み。
メイン使用キャラはランスロット。

・Xerom(アメリカ)

格ゲー歴は長め。RPGも好きで、オリジナルの『グラブル』も愛する。
メイン使用キャラはシャルロッテ。

・Fitizen(ドイツ)

2013年から格ゲーを遊ぶ。格ゲーをいろいろと渡り歩き、いまは『GBVSR』をプレイ中。
メイン使用キャラはジークフリート。

・Zippy(アメリカ)

格ゲー歴は4年ほど。最近高校を卒業したばかり。
メイン使用キャラは、ニーア。

・Sonic-san(フランス)

2009年から格闘ゲームをプレイ、よく近くの地元の大会に行く。
メイン使用キャラはジークフリートとベリアル。

・Kojicoco (アメリカ)

日本語も喋ることができ、本インタビューでは時に通訳も担当。好きな食べ物はお菓子。
メイン使用キャラはニーアとゾーイ。

――決勝大会で一番注目していたプレイヤーは誰ですか?

たこどっと氏:
1回戦の相手で、シャルロッテ使いのXerom選手のことは注目していました。決勝大会唯一のシャルロッテですし、日本でもプレイヤー数が少ないキャラクターです。Xerom選手と対戦経験があるという人が日本にもいて、「日本のシャルロッテの誰よりも強い」と言っていたのでかなり警戒していました。オンラインのリプレイでXerom選手の試合を分析したりして、おそらくXerom選手対策に1ヶ月くらいは打ち込んだと思います。

フクナガ氏:
基本的に決勝大会の参加者は(当時まだ出場が決定していなかった御傍選手とKojicoco 選手を除いて)全員リプレイを見て手癖やプレイスタイルを研究していました。特に見たのは自分側のブロックのSonic-san選手、たこどっと選手、Xerom選手の3人ですね。中でもたこどっと選手はCygames Cupで一度負けたことがある選手で、手癖の噛み合いとかもあまりよくないと感じていたので、普段のニーア戦もたこどっと選手相手を想定して自分の動きを矯正していく意識をしていました。

Xerom氏:
決勝大会はどのプレイヤーも強かったですが、特にフクナガ選手は印象的でした。冷静でかつアグレッシブで、プレイスタイルが洗練されていますし、特にヴォーゲンシュトロームでプレッシャーかけていって対戦相手のミスを誘うのが上手い。北米にここまで上手いランスロット使いはいないので、非常に新鮮な気持ちになりました。個人的に一番対策をしていたのはやはり1回戦の相手となるたこどっと選手で、Zippy、Kojicoco 、Elsaと言った北米のニーアプレイヤーと多く対戦をして、ニーア対策を積んで大会に臨みました。実際の大会では負けてしまいましたが自分のプレイには満足していますし、対戦自体もとても楽しかったです。


Fitizen氏:
Zippy選手と当たることが分かっていたのもありますが、基本的にはニーア対策を多めにしてきました。LCQに参加するプレイヤーにどちらも有名なニーアプレイヤーである木成選手とKojicoco 選手がいましたし、決勝大会にもたこどっと選手がいるのが分かっていましたからね。たこどっと選手はCygames Cupでの活躍もあり、多くのプレイヤーは優勝候補として見ていたと思います。なので基本的にニーア対策は避けては通れないと思っていましたし、かなり対策を積んで大会に臨んだつもりです。実際の大会の場で一番印象に残った選手は御傍選手、フクナガ選手とKojicoco 選手ですね。御傍選手はとてもユニークなプレイヤーで、観戦しているだけでも楽しいです。

フクナガ選手に関しては、存在は認識していましたし、リプレイも見ていましたが、実際に目にすると全く異なった印象を受けました。やはりリプレイを見るだけでは実際に相手にした時の感覚は得られないと思います。Kojicoco 選手がLCQを勝ち上がってくる様子ももちろん印象的でした。実際の大会では自分はXerom選手に圧倒されましたが、正直こういうことは起こり得るとは思っていましたのでそれほどショックではありませんでした。自分がこのタイトルで安定感のある実力を発揮できているとはまだ思っていませんので、こういうことが起きる可能性は常に頭の片隅にありました。

Zippy氏:
大会が始まる前はまわりに「ジークフリートの相手だけは嫌だ」と言っていました。決勝大会の抽選も友人と見ていたのですが、「Fitizen選手だけはやめてくれ」と祈りながら見ていたら見事にFitizen選手を1回戦の相手に引きました。1週間ほど絶望していましたが、腹を括って地元のジークフリートのプレイヤーを呼んで対策を積むことにしました。1日4時間近くジークフリートと連戦していましたが、結論としては1,2ゲーム取ることはできてもBO5を勝つのはかなり難しそうだと。なのでそこからはルーザーズの対策に移りました。ルーザーズブラケットのほうはなんとかなりそうという感覚もありました。結果としてルーザーズで当たった選手のうち御傍選手はLCQからの出場だったので対策はできませんでしたが、たこどっと選手相手の対策はしっかり積んできていましたね。

Sonic-san氏:
一番印象に残った選手を一人あげるとしたらやはりランスロットを扱うフクナガ選手ですね。当時ヨーロッパでは環境の最上位キャラはジークフリート、ニーアとシスの3人とされていましたが、個人的にはランスロットもそこに並ぶほどの性能をしていると確信していました。この3キャラに比べて難易度が高いので、そこまで活躍していないというだけだと。なので、フクナガ選手がランスロットの真のポテンシャルを発揮させているところを見るのはとても嬉しかったですね。ヨーロッパとアメリカにはこれほど上手いランスロットのプレイヤーはほとんどいないので、対策をするのは非常に大変でした。ランスロット対策も出来る限りのことはしましたが、ルーザーズに備えてニーア対策も多めに積んできました。


――決勝大会でのプレッシャーをどのように乗り越えましたか?メンタル面での取り組みがあれば教えて下さい。

たこどっと氏:
どうしても気負いすぎると自分の動きが出来ないなと思う場面は、過去の大会でも多くありました。「気負わずに行こう」とは思っているのですが実際はなかなか難しいので、そういう時は準備したい気持ちをぐっと抑えて格闘ゲーム以外のゲームをやったり、友人と遊んだり、あえて格闘ゲーム以外の楽しいことをしています。こうすると、頭の中がリフレッシュされて良いメンタルで大会に臨めるような気がしています。今回も大会2日前に友人と温泉に行ったりして、あまり格闘ゲームや大会のことで頭がいっぱいになって気負いすぎないように意識していました。

フクナガ氏:
やはり賞金のこととか、邪念があるとプレイに支障をきたすのでそういうことをなるべく考えないようにはしています(笑)。

Xerom氏:
大会での緊張をほぐすためにはよく音楽を聞くようにしています。音楽は精神を落ち着かせたり、集中力を研ぎ澄ましたりするのに大きな効果があると思っています。あとはやはり楽しむことですね。大きなイベントでは自分が楽しむことも大切だと思っています。今回の大会は自分にとってとても楽しかったので、あまり緊張せずにパフォーマンスを発揮できたと思っています。

Zippy氏:
Xerom選手が言ったように、音楽は緊張を落ち着けるのにかなり効果的だと思います。あと自分はおしゃべり好きなので、緊張している時はまわりによく話しかけます。今回もKojicoco 選手にたくさん話しかけて、会話を楽しんでいるうちに徐々に緊張が薄れていきました。いざ試合に入ってしまえば緊張はそこまで問題にならなくて、自分の場合はとにかく試合前の緊張が課題ですね。

Kojicoco氏:
自分はどちらかというとLCQのほうが緊張していたと思っていて、実際にパフォーマンスもLCQでの時のほうが悪かったように思っています。いったん決勝大会までたどり着いてしまえば、LCQを勝てたという安心のおかげか比較的リラックスして試合に臨めました。もちろん多少の緊張はありましたが、このような大舞台で試合すること自体が初めてだったのであまり実感が湧いていなくて、アークワールドツアーのイベント規模に対してもあまり現実感がない状態でした。もし次にこのような大きな大会に出場する機会があれば、結構気負ってしまうタイプなので緊張してしまうかもしれませんが、当時はLCQを勝ち抜けた安心のほうが大きくてあまり緊張はしていませんでしたね。


Fitizen氏:
最近は緊張の対策として瞑想をするようにしました。昔は特にそういうことはしていなかったのですが、実際に始めてみたら緊張対策に一役買っていると思います。自分はそもそもあまり大会で緊張するタイプではないのですが、それでも一番緊張するのは逆転できそうな時です。今回の大会では実際に逆転した場面はあまりなかったですが、Kojicoco 選手との試合で大きな体力不利を背負った状態から逆転まで漕ぎ着けそうな場面があって、その時が大会で一番緊張したと思います。


試合中に緊張するとゲームに関係ない雑念がたくさん湧いてきます。負けたらどうしようとか、負けたあとの帰り道のこと考えてしまったり、応援してくれる人に失望されてしまうかもしれないと思ったり、そういうことが頭に浮かんでゲームに集中出来なくなって、パフォーマンスが悪くなります。こういう時にゲームに集中を戻すためのルーティンが個人的にあって、それは自分が今世界のトップで試合ができていることを感謝することです。トッププレイヤーたちと大会で試合が出来るこの瞬間こそが自分が普段から頑張っている理由なんだと、自分なら出来ると、そう自分に言い聞かせると、不思議と雑念が一気に消えてまたゲームに集中できるようになります。自分だけかもしれませんが、少なくとも自分はこれが一番有効なルーティンでした。

――メンタル面以外で、今回の大会に向けて特に意識してトレーニングしてきた点はありますか?

たこどっと氏:
今回対戦相手も早い段階で決まっていたので、対戦する可能性が高いキャラクターを使っている日本のプレイヤーに声をかけて、週に3~4回、2~3時間みっちりとそのキャラクターと対戦を繰り返しました。相手のプレイヤーにも対策を聞いたりフィードバックをもらったりして練習しましたね。

フクナガ氏:
たこどっとさんと練習方法はほぼ同じだったと思います。あとは、緊張の中でも勝手に身体が動くように、連携やコンボを身体に染み付かせるように反復練習を多めにこなしました。緊張で頭が働かないことはやっぱりあるので、そういうときでも反射で近い感じでいつもの動きができるようにと練習しました。

Fitizen氏:
この質問は今回自分にとって重要なものです。というのもヨーロッパの上位プレイヤーにはほとんどニーア使いがおらず、大会に向けてニーア対策が積めないことがかなり心配でした。そこで自分を助けてくれたのがSockyというプレイヤーで、彼は自分が対ニーアの練習を積むためだけにニーアを使い始めてくれました。1か月の練習期間で彼とはかなりの量の対戦をこなしました。彼がいなければ対ニーアの練習はできなかったと思うので、今回この場を借りて彼には大きな感謝を伝えたいと思っています。

Kojicoco 氏:
自分はまずLCQを勝ち上がるための準備が必要だったので大変でした。ヒューストンにJANというファスティバプレイヤーがいて、彼に頼んで対戦してファスティバ対策を積みました。もちろんZippyを含めた北米のほかのトッププレイヤーにもたくさん対戦してもらって、LCQでしっかりパフォーマンスが出せるように準備したつもりです。LCQでは同じプールに木成選手とNitro選手がいることも分かっていたので、ニーア同キャラ戦 の対策も必要でした。実はこのニーア対ニーア のマッチアップは個人的にかなり不安だったのですが、結局実際の大会では遭遇しませんでしたね。

Sonic-san氏:
本来の質問への回答とはちょっとズレた内容にはなるのですが、今回の大会で学んだことがあります。個人的に今回の大会での自分のパフォーマンスは悪かったと思っていて、その理由のひとつにウォーミングアップがあまり出来なかったことがあると思っています。たとえばKayane Cupの場合は午前中に予選のプールがあるので、そこでたくさん試合ができますし、午後のTOP8前には十分に手が暖まっています。

アークワールドツアーではいきなり大きな試合だったのでウォーミングアップが足りていなくて、やや不安を抱えたままでの試合となってしまいました。次回こういうイベントに参加する時は、ブラケットの反対側にいるプレイヤーなどを誘って対戦して、十分にウォーミングアップをこなしてから試合に臨みたいと思います。

――大会での勝利に向けて、何がもっとも重要だと考えますか?

たこどっと氏:
練習量ももちろん大事ですが、やはり気持ちの面が重要だと感じています。どれだけ練習したところで、やはり大会は慣れない環境での対戦になりますし、普段通りの動きがどうしても難しくなってしまう部分はあると思います。練習を積んだ上で、先ほども言ったようにリフレッシュを心がけたりと、メンタル面をしっかり整えておくのが大会では特に重要だと思います。

フクナガ氏:
自分はほかのゲームでもいろんな大会に参加して最近気付いたことがありまして、それが「安定を求めると逆に安定しなくなる」ということですね。自分は攻めが強いキャラが好きで、プレイヤーの傾向としても攻めたがりなのですが、いざ大会になると普段は勝てている相手でも対応気味に相手をしようとして後手後手になって負けてしまうということが結構ありました。なので普段からのプレイスタイルを崩さずに、自分の武器を発揮できるように、攻めっ気を忘れずにやっていくことを最近は意識しています。


Xerom氏:
大会で勝つために重要なのは、試合中にしっかり相手に対応していくこと、そしてプレッシャーに負けずに冷静にいることです。対戦相手がどのようなゲームプランを持ち込んでくるかは試合になるまで分からないので、それにしっかり適応していくことが大切です。柔軟さは非常に重要だと思います。あとは当たり前のことですがあまり緊張して固くなりすぎないことですね。シンプルな入力ミス、操作ミスで試合を落とすことはいくらでもありますし、それが大会自体の敗退に繋がったりすることもありますから。

――大会の試合を後から見返すことはありますか?大会の試合を振り返る際に重視するポイントは?

たこどっと氏:
大会の試合はそれなりに見返しますね。今回も大会が終わってすぐ自分の試合は見ましたが、基本的に最初は自分の勝った試合を見て気持ちよくなってました。コメント欄で褒められてたりもしていてやっぱり嬉しいですからね。大会終わったあとはやっぱり悔しさが混じってしまって負けた試合はなかなか見れないのですが、最近は落ち着いてきて負けた試合も見返してます。ここはちょっとワンパターンだったかなとか、そういった反省をして次に活かしてますね。

フクナガ氏:
自分も負けた試合はあまり見ないのですが、Cygames Cupでたこどっと選手に負けた試合はさすがにかなり見返しましたね、アークワールドツアーで当たる可能性はかなり高かったので。やっぱり大会での立ち回りは普段のリプレイとはちょっと違うと思うので、たこどっと選手が大会でどういう立ち回りをするのか、どういう連携をするのかとかを研究しました。でも普段はやっぱり自分の勝った試合しか見ないですね(笑)

Xerom氏:
日本のお二人と同じで、負けた試合を見返すのはなかなかつらいのであんまりやらないですね。でももちろん、負け試合の録画を勉強することはあって、そういう時はちゃんと自分がどこでミスをしたのかを特定できるようにしています。ここは本当に強気に行くべきだったのかとか、ジャンプするべきではなかったのかとか、そういう細かい部分ですね。自分が上手いコンボや連携が出来た部分を見て次の機会でもちゃんと出来るように覚えておくのも意識してます。

Kojicoco 氏:
わりと試合は見返す方ですが、何に注目するかは勝った試合か負けた試合かによりますね。勝った試合では対戦相手が自分に対して取れた行動や対策について注目してます。たとえ通った行動だとしても、対戦相手が甘えてくれただけのこともありますし、勝った試合でもちゃんと改善点を見つけていけます。負けた試合も確かに見返すのはつらいときはありますが、それでも自分が勝つために取れ得た選択肢について見ていくのは大事だと思います。

Fitizen氏:
自分はどちらかというと負けた試合を見ることのほうが多かったりします。特にゲームがリリースされた直後の今のような時期は、トッププレイヤーでもシンプルなミスをしがちなので、試合を見返すときはこういう単純で改善しやすいミスから見つけていくのが大事だと思います。ゲームが長く続いていくに従ってプレイヤーのレベルも上がってミスは少なくなっていきますので、そうすると今度はよりマクロな視点で、ゲームプランなどに注目して録画を見ていくことが大事になっていくと思います。

いろんな録画を見て、時には試合同士を比較して、相手や状況に応じて最適なゲームプランを考えて試してみる、このプロセスが自分は好きです。インタビューの最初でも言ったように『GBVSR』はシンプルなゲームで、あまり複雑な状況というのがないので、2~3試合分の録画を見ればそのマッチアップで重要となってくるような状況はおおむね把握できると思います。


――ほかの地域の選手に聞きたいことはありますか?

たこどっと氏:
日本と海外ではキャラクターの評価も結構違ったりすることが多いですよね。1.30パッチの後の海外のキャラクター評価、特にどのキャラクターが今環境で強いと思われているのかとかは気になります。

Kojicoco 氏:
ジークフリート。

Xerom氏:
英語圏のプレイヤーがキャラクターを評価する時は(特に攻めに使える)ツールの多さが重要視される傾向があると思います。なので、今の環境だとジークフリート、ニーア、そしてシスの3人がもっとも強いキャラクターとされることが多いですね。これらのキャラは試合のどの段階でも画面全体に対して常に大きくプレッシャーをかけ続けていくことができますから。特にアメリカはアグレッシブなプレイスタイルを好むので、それを実現することができるキャラクターは高く評価される傾向があると思います。

フクナガ氏:
今回アークワールドツアーに参加した以外で注目している日本人の選手とかはいますか?

Fitizen氏:
パーシヴァルとジークフリートをプレイする身としてはやはりとろろ選手でしょうか。自分よりも上手いプレイヤーだと思っているので、彼の試合や録画からは多くのことを学ばせてもらっています。キャンセルアビリティに対空 技でガンガン割り込んでいこうとするところとか、自分とプレイスタイルが似ている部分があるとも思います。あとはもちろんGamera選手ですかね。いま挙げた二人は前作『GBVS』で強力だったジリジリとした防御的なプレイスタイルに長けていると思っていて、『GBVSR』ではこのスタイルは少し弱くなりましたが、この二人は今作でもしっかりと強いので、学ぶべきところが多いと感じます。

Kojicoco氏:
自分が注目している日本人選手はGamera選手、とろろ選手、ひのきの棒選手、そしてRQ選手ですね。どれもとても強いプレイヤーだと思います。

Fitizen氏:
自分もフクナガ選手に質問したいのが、ランスロットが1.30パッチで弱体化したことについて、キャラクターの評価がどう変化したのか、フクナガ選手が今のパッチのランスロットをどう評価しているのか気になります。

フクナガ氏:
1.30パッチでのランスロットの一番の弱体化はUヴォーゲンシュトロームの発生が遅くなったことですね。これで連続ガードの連携が近Hからしか出来なくなったので、ガードキャンセルという対策を取られやすくなってしまいました。遠MからのUヴォーゲンシュトロームというのが結構手癖になってしまっていて、今まではかなり強い行動だったのですが対策が出来ている相手だとあまり通用しなくて、今はあまり使わないように矯正している最中ですね。


Uヴォーゲンシュトロームは確かに発生が遅くなって避けや対空 技で対策しやすくなったのですが、とはいえもともと対策がしっかり出来ている人は前から出来ていたことでもあり、このパッチを契機にそういう行動を少なくしていけば、もとから対策できていた人に対しても戦いやすくなっていくのではないかと考えています。あとはダッシュ攻撃に関して。ガード後に距離が出来るようになりましたし、ランスロットの場合は当たっても距離が少し遠くなったのですが、そもそも足が速いキャラなのでそこまで影響は受けないように感じています。

Xerom氏:
日本のお二人は、ビカラ以外でこのゲームに参戦してほしいキャラはいますか?

たこどっと氏:
ビカラ以外だとヴァンピィというキャラが好きなのでぜひ実装してほしいです。

フクナガ氏:
自分は原作『グラブル』でもお世話になったヨダルラーハをぜひ格闘ゲームでも使いたいですね。おじいちゃんキャラですが、奥義も格好いいので。

――今後の『GBVSR』に期待することはありますか?

たこどっと氏:
これからどんどん出来ることが増えていくといいなと思います。キャラクターの面白かった部分が削られたり、今まで出来ていたことが出来なったりする調整ばっかりだとどうしてもプレイヤーとしても不自由を感じることが多いですから。なるべく出来ることが増える、プレイの幅が増えていくような方向性で調整・進化していってくれると嬉しいです。あとはやっぱりビカラを実装してほしいです!『GBVSR』はグラフィックがとても綺麗で、自分が好きなキャラが動かせるようになると感動もひとしおなので、ぜひ。福原さん、お願いします!

フクナガ氏:
『GBVSR』は今相手のガードを崩す手段が基本的に投げと、相手の投げ抜け漏れを狙ういわゆるグラップ潰ししかないので、トリプルアタックの中下段をもうちょっと強化してもいいのではないかなと思います。ダメージもそうなのですが、特に中段は当てても有利フレームが1フレームしかないので、もっと有利フレームを増やすかいっそダウンさせてしまってもいいと思います。ファジーガードもいま猶予6フレームなのですが、これももうちょっと短くしてしまっても構わないのではないかと。

あとはこのゲームは攻めが面白いと思っているので、ダッシュ攻撃に関しては1.30パッチで少し弱体化しましたが、これ以上は弱くしないほうがいいと思っています。今のキャラクターはどれも個性があって、たとえばランスロットだと先ほどもお話したUヴォーゲンシュトロームだとか、あとはパーシヴァルだとアン・ツュンデンという地面を這う炎を飛ばす技だとか、こういう個性的なアビリティや部分をどんどん伸ばしていく調整を望んでいます。入力面でも後ろ特殊技とかは追加する余地があると思うので、今後面白い技が追加されていったりすると嬉しいですね。

Xerom氏:
このゲームが今後どのような方向に向かっていったとしてもプレイは続けると思います。『GBVS』シリーズの大きな魅力としていろいろなジャンルの2D格闘ゲームプレイヤーがみんな集まって遊べるところがあると思うので、その方向性が今後も維持されるといいなとは思っています。具体的な変更点だと、シャルロッテのような溜めキャラクターをテクニカル入力でプレイしていると、ホールドからダッシュ攻撃を出そうとするとアビリティが暴発しやすく、すぐにダッシュ攻撃が出しづらいので、ぜひそこを改善してほしいと思っています。

あとはブレイブカウンターがガードされても有利なのも変えてほしくて、ここはガードした側が有利か、せめてイーブンであるべきだと感じます。現状だとどうしてもブレイブカウンター合戦になってしまいがちなので。とはいえ現状の『GBVSR』の方向性にはかなり満足していて、前作『GBVS』よりも良い方向に向かっていると自分は感じます。

Zippy氏:
現状自分がこのゲームに唯一望むのは、ランクマッチでマスター昇格後にレーティングかポイントのようなシステムを追加することですね。今の仕様だとマスターに上がったあとは同じ人と何度も何度もプレイすることがあって、ちょっと辟易とすることがあります。なのでマスターランクに到達した後にレーティングのようなものを追加して、ぜひランクマッチ を活性化させてほしいです。

Kojicoco氏:
自分もブレイブカウンターはもうちょっと弱くしてもいいと思っています。1.30パッチでブレイブカウンターを食らっても体力が500以下にはならなくなりましたが、それでもまだ強いと思います。ブレイブカウンターがガードされても有利なのを嫌うプレイヤーが多いのも知っていますが、BPを消費する行動でもあるので、ガードされて有利なの自体は個人的に理解できます。ただもうちょっとノックバックを追加するなどして、ブレイブカウンターにブレイブカウンターを返すのが常套手段にならないようにするべきだとは思っています。

あとは、個人的に1.30パッチでダッシュMが下段のキャラクターがさらに有利になったように思えます。もとからダッシュMは中段より下段のほうが強かったと思うので、一部のダッシュMはもうちょっと距離を短くするなどで調整するべきだと思っています。主にジークフリートとか。というかジークフリートの対空 技は強すぎますよね?無敵時間も長すぎるし弾もめちゃくちゃ抜けてくる……絶対に本来の想定より強い技になっていると思います。あとは……ゾーイを強化してくれたら嬉しいですけどね。なんて。

Fitizen氏:
まずはアークワールドツアー2024の開催に関してアークシステムワークスとCygamesに感謝したいです。オンライン大会の比重が増えているなかで、こういったオフライン大会がメインのツアーを開催してくれることはとても嬉しいです。


現在の『GBVSR』のゲーム性については、ブレイブカウンターが強すぎるという点については自分もその通りだと思います。あとは個人的に解放奥義が相手のBPを2削るのもちょっとやりすぎだと思っています。今の『GBVSR』で逆転劇が多い理由はここにあると思っていて、体力有利をつけて端に追い詰めていても、相手の体力が30%を切っているとちょっとした反撃から解放奥義に繋げられてしまい、大ダメージの上にBPを奪われ、さらにそこから飛び道具の削りダメージで追い詰められる……というようなシーンが頻発します。

このようなデザインになっている理由は理解できますが、それでもやはり解放奥義はちょっと強すぎると思うので、せめてBPを奪う量を減らしてほしいですね。とはいえ個人的にゲームのペースがもうちょっと遅くなるような変更だったらなんでも歓迎です。前にも言ったように個人的には前作 『GBVS』のようなスローペースのゲームのほうが好みなのですが、『GBVSR』はどちらかというとアグレッシブで展開の速いゲームです。なのでもう少し落ち着いた展開になるような方向性の変更ならばおおむね喜ばしいと思っていますし、1.30パッチはまさにそういう調整だったので非常に満足しています。

――最後にファンやサポーターに伝えたいことありますか?

たこどっと氏:
SNSなどでいろいろな方から応援をいただいて、間違いなく自分にとって力になっていますので、とても感謝しています。これからも大会は出続けるつもりですし、このゲームも続けていくつもりなので、ぜひ応援し続けてくれると嬉しいです!

フクナガ氏:
前からプレイしていたゲームのコミュニティなどでは応援してくれたり、優勝を喜んでくれたりした人がいらっしゃって、とてもありがたいと思っています。今後どのゲームを遊んでいるかは分からないですが、ゲームは楽しむことが一番大事だと思ってますので、ぜひみなさんと一緒にゲームを楽しめていけたらと思っています。

Xerom氏:
まずは自分のファンだと言ってくれた方みなさんには感謝を伝えたいです。自分のゲームプレイを楽しんでくれる人がいる、ファンだと言ってくれる人がいる状況にはまだちょっと慣れないですし恥ずかしいですが、これからも自分を応援し続けてくれると嬉しいです。『GBVSR』の大会には今後も出続けるつもりです。ついでに、『GBVSR』にもっとハーヴィンのキャラクターが実装されることを願っています!

Kojicoco氏:
今回の大会については、いろいろな支援をいただいてとても驚きました。特に家族はとても協力的で、自分がもっとも尊敬する人物のうちの一人である祖父には、大会に出るにあたって金銭的にも多くの支援をしてもらいました。母親もずっと応援してもらって、とても感謝しています。こんなに多くの人に自分のことを知ってもらうのはまだちょっと慣れない気分ですが、同時にとても嬉しくも思っています。今後も最強を目指して頑張っていきますので、どうぞ応援をよろしくお願いします。

Fitizen氏:
自分に対する多くの支援・応援にはいつも感謝しています。今回の大会の結果、そして自分のパフォーマンスには個人的には満足していないので、まずは来年より強くなって帰って来るということを約束したいです。ヨーロッパのコミュニティが今回の大会を見てくれて、自分を応援してくれていた光景は後から確認してとても感動しました。自分にとって得難い経験となった大会でしたが、来年も必ず決勝大会に出場して、願わくはもっと良い結果を出せるように頑張りたいと思います。

Sonic-san氏:
とても良くしてくれたヨーロッパのコミュニティと、この大会に出場するにあたって応援・支援をしてくれたフランスの友人たちにはとても感謝しています。ついでになのですが、ヨーロッパにはたくさんの大会がありますし、自分とFitizenはジークフリートを使っています。どこかのスポンサーが有力なプレイヤーを探しているなら、我々は有望だと思いますよ!

Zippy氏:
『GBVS』シリーズの新規プレイヤーとしては、このシリーズを始めるにあたって多くのことを教えてくれた『ギルティギア』コミュニティにとても感謝しています。右も左も分からない状態からのスタートで、苦しい時期もありましたが、ここまでやってこれたのは間違いなく彼らのおかげなので、この場を借りて感謝を伝えたいです。

――本日はありがとうございました。