世界最大級のゲーム小売チェーンGameStop、約30%の減収を報告。ダウンロード販売などの普及からか苦境続く


GameStopは現地時間9月10日、第2四半期における決算を発表した。売上高については前年同期と比較して一年で約31%の減収となった。一方で純損益は黒字に転換し、第2四半期は減収増益となっている。 米ロイター誌が報じている。

GameStopはアメリカ・テキサス州に本社を置く世界最大のゲーム小売店。北米地域や欧州地域などを中心に約4000店舗以上を展開している大手チェーンだ。中核事業としては新品ゲームのパッケージ版販売のほか、中古ゲームの取り扱いも行っている。

現地時間9月10日、GameStopは第2四半期の決算を発表。8月3日に終了した四半期において、約8億ドル(約1100億円)の売上高を計上した。2023年の第2四半期は約11億6000万ドル(約1600億円)となっており、前年比で約31%の減収となった。なお第1四半期についても前年同期比で約30%減となる約8億8000万ドル(約1240億円)を記録。苦しい状況が続いているようだ。

また同社は今回の決算発表にあわせて、最大2000万株の株式売り出し計画を公表。これを受けて同社の株価は時間外取引で10%以上急落した。株式売り出しで調達した資金は同社の投資方針に沿った「一般事業目的」に充当すると説明している。

なお同社の純損益については1480万ドル(約20億円)の黒字となっており、前年同期の280万ドル(約4億円)の赤字から黒字に転換したかたちとなっている。これには同四半期の販売管理費を16%削減したことが寄与しているという。

GameStopは欧米地域におけるゲーム販売において大きな役割を担っているものの、近年はダウンロード型販売やストリーミングサービス、電子商取引の普及で、新品や中古のゲームのパッケージ版販売という中核事業の売り上げが減少しているとみられ、苦境に繋がったようだ。同社は収益改善に向けて取り組みを続けており、今後は過去数年間よりもより多くの店舗を閉鎖する見込みであると発表している。

今回発表された決算内容では、ゲーム小売業で米国最大手のGameStopでも、苦しい状況にあることが見受けられる。ゲームの販売形態としてパッケージ版販売も根強い需要もある一方、ダウンロード販売などが着実にシェアを広げていることがうかがえるだろう。先日発表されたPS5 Proでも、ディスクドライブが標準搭載されないことは注目を集めていた(関連記事)。

とはいえGameStopでは前述した収益改善の取り組みが一定の効果を上げているとみられ、今期は販売管理費の削減などによって利益を上げたようだ。海外だけでなく国内においてもダウンロード販売などが主流になっていくなかで、これまで小売業を主としていた企業がどのように舵を切っていくのか、引き続き注目される。