CRI・ミドルウェアから発売されている「OPTPiX ImageStudio ®8」。画像の軽量化などに使う画像最適化ツールとして、長きにわたり愛されてきた。その「OPTPiX ImageStudio 8」(以下、ImageStudio 8)はどうやら最近、最適化以外の分野で重宝されているという。現在重宝されているのは、素材のリマスターだ。

同ソフトでは現在、リマスター機能が搭載されている。機械学習のリマスター機能によって、高精細なHD化画像を自動で生成可能となっている。この超解像度と呼ばれる機能は、どのような仕組みなのか。あるいは、導入においてどのような使われ方をしているのか。CRI・ミドルウェアのスタッフに話をうかがった。実際の使用事例をまじえて、「ImageStudio 8」の現在地をお伝えする。


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──自己紹介をお願いします。

小野 知之(以下、小野)氏:
「OPTPiX ImageStudio」シリーズのプロダクトマネージャーを担当している小野です。1997年発売の初代のOPTPiXから今に至るまで、「ImageStudio」シリーズの開発にずっと関わり続けています。よろしくお願いします。本日はリモートで参加します。


橋本 孔明(以下、橋本)氏:
開発の橋本です。プログラム担当です。「ImageStudio 8」のプログラマーチームのとりまとめや、認証ライブラリなどの内部設計を担当しています。


浅井 維新(以下、浅井)氏:
営業の浅井です。『アイドル雀士スーチーパイ』とか『ルーンファクトリー』など、案件単位での提案もしています。


結局どういうツールなのか

──ありがとうございます。では改めて「ImageStudio 8」についてご紹介をお願いします。どういう特色があるソフトウェアなのでしょう。

橋本氏:
「ImageStudio」シリーズは、既存の画像素材を製品で使うために加工、最適化するソフトウェアです。もともとは圧縮とか減色がメイン機能ですが、昨今は逆に画像のサイズを大きくする方向にも使われています。というのも、昔のゲーム機向けの小さかった素材を、最新のゲーム機で使うために解像度が高いものに変換する用途がありまして。そういった機能を搭載、強化した結果、実際に引き合いが増えている状況です。


昔のゲーム機や初期のスマートフォンは、容量が小さかったり、処理速度に問題があったためデータを小さくする需要がかなり強かった。ただ、昨今のゲームコンソールは性能が上がってきたのもあって、データを小さくするニーズは以前ほどの勢いはなくなっています。一方で最近増えているゲームのリマスターとか移植向けに、当時の小さく圧縮してしまった画像しか残ってないものを大きくしたいニーズが出てきて、その機能を「ImageStudio 8」につけたところ、ヒットしている状況です。

──では今は、小さくすることもできるし、大きくすることもできると。

小野氏:
そうです。今でもやはりスマートフォンゲームなどではパッケージのダウンロード量を少しでも小さくしたいなどの需要はあります。また、家電機器などの組み込み系でも需要があります。ROM容量やCPUパワーの問題から、小さい画像に圧縮、減色したいニーズは根強くありますので、機能は残しつつ、解像度を上げたいという新しいニーズに応えています。

──現在は画像編集ソフトといってもいろいろなソフトがあります。代表的なものは「Adobe Photoshop」になると思うのですが、他の画像編集ソフト比べて「ImageStudio 8」の特色、特に強い部分について教えていただけますか。

橋本氏:
「ImageStudio 8」には25年を超える歴史への信頼であるとか、減色とかサイズを縮小するエンジンの品質の部分で強みがあると考えていまして、その部分を評価してもらって採用いただいてきたと自負しています。「Adobe Photoshop」にも減色やサイズ縮小などのエンジンがあるんですけれども、「ImageStudio 8」では独自のエンジンを採用していて、ちょっと毛色が違う出力を得ることができます。お客様としてはそちらの方が使い勝手が良いものになるだろうと考えています。

小野氏:
「Adobe Photoshop」は基本的には作画機能がメインで、補助的にファイルのサイズを軽量化したり解像度を上げたりする機能がついていますが、どちらかというと「ImageStudio」 は逆なんです。「ImageStudio」シリーズは「Adobe Photoshop」で作った絵を綺麗な画質のまま、軽量化したり、解像度を上げたり、そういう部分に特化したツールになっています。ですからどちらかがあれば済むのではなく一緒に使う、「Adobe Photoshop」で作った画像を後から加工するのに「ImageStudio 8」を使うような位置づけのツールと言えます。

橋本氏:
たとえば、最初にデザイナーが「Adobe Photoshop」などで素材を作って、プログラマーなり組み込みをする人が「ImageStudio 8」を使って、最終的に製品に組み込むデータに変えていくような流れです。

──いろいろな使い方があるのですね。既にHPなどで採用事例が公開されていますが、最近はどういったゲームタイトルで使われているのでしょうか。

浅井氏:
とにかくたくさんあります。たとえば、『モンスターストライク』『にゃんこ大戦争』『Shadowverse』などがあります。……が、正直多すぎて列挙しきれません。「ImageStudio 8」は会社単位で提供しているので、どのタイトルで使っても問題ないため、実はすべての把握は難しいのです。


──HPに掲載されている採用事例でいうと、たとえばAのゲームが事例に掲載されているとして、Aを作った会社さんは、それとはまた全然違うタイトルで「ImageStudio 8」を使っているかもしれないということですか。

橋本氏:
そうです。会社のホームページの画像にも、もしかしたら使っているかもしれない。

浅井氏:
とあるモバイルゲームでは、ゲーム中に出てくるUI全般で使っているようです。ゲームのメインコンテンツ以外でも、画像が登場するシーンであれば様々な用途で活用いただけるツールです。

小野氏:
ブラウザゲームでも使われている事例はいっぱいありそうです。

橋本氏:
ROM容量の制限がネックになっていたのはニンテンドーDS時代がピークでしたが、その頃は著名なゲーム会社にはおおむね採用していただいていたイメージです。

「ImageStudio」シリーズが採用されたタイトルの一部


超解像度化の実際の事例

──では次に、具体的な事例として、既に発売されている『アイドル雀士スーチーパイ サターントリビュート(以下、スーチーパイ)』と『ルーンファクトリー3スペシャル(以下、ルーンファクトリー3SP)』で「ImageStudio 8」がどのように使われたかを教えていただけますか。

浅井氏:
直近の『ルーンファクトリー3SP』に関しては、NDS版のマスターデータの中を解析して、抽出したデータを復元するところで使っていただきました。約300~400枚のデータ、主に背景の画像データの拡大と、アイコンの拡大に「ImageStudio 8」のリマスター超解像機能が使用されています。特に背景の画像に関しては満足いただける結果が得られたと聞いています。


小野氏:
Nintendo Switch向けに移植するにあたって、画像を書き起こすとなると1枚に数日かかるところを、元の画像をリマスター超解像した後に手直しするだけだと数時間で済むので、工数を大幅短縮できたそうです。

──『スーチーパイ』ではどういうふうに使われたかはお聞きされていますか?

浅井氏:
『スーチーパイ』はアーケード版からの移植と、サターン版からの移植の両方で活用いただきました。オリジナル画像の解像度が高めだったというのもあって、良い結果が得られたと聞いています。指先で触るボタンアイコンのような、64*64ピクセルとか128*128ピクセルみたいな極端に小さいチップがなかったので、引き伸ばしても大きく崩れることなく画像補正をすることができました。

小野氏:
『スーチーパイ』では主にキャラクターの画像に「ImageStudio 8」が使われました。キャラ絵は元が大きかったから、リマスター超解像でいい感じに拡大できたようです。

──元画像が小さすぎると良い結果が得られづらいとのことですが、実際どれぐらいの解像度までは綺麗にリマスター超解像で拡大できるものなのでしょうか。

橋本氏:
解像度というよりは倍率です。大元のAIエンジンが基本2~4倍ぐらいまで設計して作られていまして、基本4倍ぐらいまでは綺麗に出力できるかなと思います。同じエンジンで何回も処理すると、どうしてもちょっと劣化してしまいますので、大体2倍から4倍ぐらいで使っていただくイメージです。

CRIのマスコット「りんご」の素材(370×320)を特殊処理で3倍にしてみた結果。なかなか良い感じである


──私も「ImageStudio 8」のトライアル版を触らせていただいたのですが、確かに4倍ぐらいの拡大であればきれいに出力できる印象でした。となるとリマスター超解像が使われるケースの想定としては、だいたいニンテンドーDSで使われていた数百ドット程度の元素材がメインターゲットになってくるのでしょうか。

浅井氏:
そうですね。直近でお客さんの話を聞く限りだと、ニンテンドーDS、ニンテンドー3DS、PlayStation Vitaあたりからの移植とか。あるニンテンドーDSタイトルのリマスターの事例としては、あのぐらいの世代の液晶は暗めに表示される傾向があったので、オリジナルの画像が明るく作られていたんです。それをそのまま拡大すると今の液晶だと白飛びしちゃうという問題が見つかりました。それは「ImageStudio 8」の一括処理の中に暗くする処理を挟むことで対応できたと聞きました。昔は液晶に合わせて色づくりしていた時代があったんだな、と懐かしい思いになりましたね。あとはPlayStation Portableの美少女ゲームからの移植での採用がメインです。

小野氏:
「リマスター超解像」は色の変化がくっきりしている画像が非常に得意ですので、2次元のイラストっていうのはまさにドンピシャに性能発揮できる分野で、引き合いは強いですね。

橋本氏:
ものによっては初代PlayStationとかスーパーファミコンもあるかもしれないです。

すべてのデータに対して効果があると保証できるものではないですが、たとえば1000枚データがあって、900枚は成功して100枚は書き直しが必要だとしても、工数は10分の1にはなりますし、一度トライアル版を試していただきたいです。

小野氏:
トライアルした結果やっぱりいりませんという話はそんなに多くないです。皆様クオリティには満足いただいて、そのまま導入するという話が多いです。

AIエンジンの仕組みと種類

──先ほどAIエンジンのお話が出たので、こちらについても質問させていただきます。「ImageStudio 8」にはClear waifu2xエンジンが搭載されていると拝見しました。こちらはWeb上などでも動作する普通のwaifu2xエンジンとどう違うのでしょうか?

橋本氏:
標準のwaifu2xエンジンは、透過情報を持つ画像との相性があまりよくないエンジンだと思っています。キャラの立ち絵などの背景が抜けている半透明画像であるとか、境界線の最適化が特に苦手なのかなと。そこを綺麗に出せるようにしてあるのが弊社のClear エンジン、Clear waifu2xとかClear RealESRGANです。拡大後の画像と拡大前の画像を使って、独自処理をかけることで縁取りをきれいにしています。この半透明の縁取りの部分の拡大の品質が、「ImageStudio 8」の売りのひとつです。


──特殊処理で使用されているClear RealESRGANはどういったエンジンなのでしょうか。

橋本氏:
大元をたどるとGAN(Generative Adversarial Network)という名前のAIのエンジンがありまして、その拡張版がESRGAN(Enhanced Super Resolution Generative Adversarial Network)です。Super Resolutionというのが超解像技術のことです。Real-ESRGANはESRGANを独自に拡張されたもので、さらにそのReal-ESRGANを弊社が拡張してClear RealESRGANと名付けました。

ESRGANは標準の拡大エンジンとして有名です。今話題のイラストAIの生成エンジンの中にもReal-ESRGANで解像度を上げるオプションがあります。


──Clear waifu2xとClear RealESRGANの違いはどのような点にありますか?

橋本氏:
基本的にどちらもAIなので考え方としては同じですが、アプローチがちょっと違います。普通の拡大は元の画像を再配置する機械処理ですけども、AIの場合は新たに描き直させているという考え方に近いです。ある画像を与えたとき、これを2倍にしたときに元絵はどんな絵だったのかをAIに想像させています。

──Clear waifu2xとClear RealESRGANだとどちらがよく使われている印象でしょうか。

橋本氏:
元の素材によっても得意不得意があって、Clear waifu2xは万能というか、全体的にあまり変なことにならない結果を出してくるエンジンです。一方で、Clear RealESRGANは画像との相性によって大きく結果が左右される面があります。

小野氏:
写真系ではClear waifu2xの方が良い結果になることが多いです。Clear RealESRGANはアニメ塗りみたいな画像がすごく得意です。ものによっては質感の表現がうまくできないときもありますが、すごい!となるときもあるし、なかなか使い方が難しいところはあります。ですので、Clear RealESRGANの方は「特殊処理」という名称にしました。少し面倒でも、両方試してから良い方を使っていただきたいです。

Clear waifu2xの設定項目。オーソドックスな利用が可能であり、設定もいろいろとある


──確かに私が試したときも、特殊処理はシンプルな絵はすごく上手に出力していましたが、情報量が多い3Dゲームとかだと大変なことになりました(笑)。

橋本氏:
Clear RealESRGAN では2次元アニメCG系は結構難しいです。AIが想像した新しいオブジェクトを書き加えてしまったりするんですよね。

Clear RealESRGANの設定項目。アニメ絵と実写系で、高解像度化の種類を変えられるのが最大の特徴だ


浅井氏:
PlayStation 3やXbox 360など、ハイエンドになってきたゲームの背景グラフィックはテクスチャーの描き込みが結構細かいので、実写系と捉えてパラメーターを呼んでもらうケースはあるかもしれないです。

小野氏:
Clear waifu2xにはアルファチャンネルの拡大の仕方に、いろいろな選択肢を用意しました。完全な2値の抜きにするか、アンチエイリアスをかけた抜きにするか、素材によって拡大したい好みが変わると思いますので、変えられるようになっています。もちろんデフォルト設定のままでも、適度にアンチエイリアスがかかって拡大されるので、ドットのカクカクがなく綺麗に拡大できます。

──普通処理と特殊処理のどちらかが優れているというより、目的に合わせて使い分けられるようにされているのですね。

小野氏:
どちらかが万能なわけではなく、用途や素材にあわせて使い分けていただきたいです。

橋本氏:
素材が大量にあって、とにかく一括で処理したいのであれば、標準のClear waifu2xを使うことをおすすめしています。大当たりにはならないかもしれないですけど、大きく外すこともない印象です。

大量のアセットも一括処理

──大量のアセットを一度に処理することも可能なのですか。

橋本氏:
マクロ機能を用意しています。フォルダを指定したりドラッグ&ドロップでファイルを指定したりして、同じ設定を使って一括出力する機能です。上位向けのオプションとして、コマンドライン処理の機能もあるので、WindowsのバッチファイルやPowerShellスクリプトなどが書ければ使用可能です。

──実際にどれくらいのアセット量を処理することが可能なのでしょうか。

浅井氏:
リマスター超解像処理だけではなく減色処理も含めての事例ですが、一晩で5000枚処理した話は聞いたことがあります。1回のマクロ実行時間が15時間だったとか。

橋本氏:
自動実行の良い点は、仕掛けて帰れば、翌日の朝には出来上がっているところです。リマスター案件の場合は元の画像がすでにまとまって存在するケースが多そうなので、一括処理のニーズは高いと思います。

──「ImageStudio 8」には他にノイズ除去の機能が搭載されていますが、こちらはどのようなものなのでしょうか。

橋本氏:
「ImageStudio 8」のノイズ除去は、リマスター超解像と同じく、Clear waifu2xを利用したものと、Clear RealESRGANを利用したものの2種類を用意しています。 Clear waifu2xのノイズ除去はJPEGで圧縮したときに出てくるブロックノイズを取るための機能が付いています。 Clear RealESRGAN では、Clear RealESRGANが勝手にノイズを除去してくれる特性を生かして、拡大した画像を元のサイズに戻すことで、元画像の解像度のままでノイズだけ取ります。

実際の運用の流れ

──ここからは実際の採用イメージについてお聞きしたいと思います。「ImageStudio 8」採用タイトルのリマスターにおいてはどういうフローで作業されることが多いのでしょうか。

浅井氏:
まずはクライアントが受託会社にリソースを出して、リマスター可能か判断をしますが、こういうケースではアートマネージャーやテクニカルアーティストなどが「ImageStudio 8」を試すところからスタートすることが多いです。

小野氏:
試しに数枚処理して品質を確認し、どれぐらい手直しがいるか感触を掴んでから、実使用者であるデザイナーが作業するという流れだと思います。

──最初にある程度クオリティコントロールした後に、そのまま大量に超解像度化していくわけですね。主にデザイナーが利用者となるケースが多いのでしょうか。

小野氏:
リマスター超解像に関しては、利用者はほとんどデザイナーだと思います。最終的な圧縮はプログラマーがやる可能性はありますが、リマスター超解像に限っては拡大した後に手直しするところまでデザイナーがやるので。

浅井氏:
最近は背景担当とかエフェクト担当の人がリマスター超解像を試したいとお話しいただくことも多いですね。


橋本氏:
もちろん、デザイナーしか使えないわけではありません。プロダクトマネージャーがやっているケースもあるでしょうね。

──確かに「ImageStudio 8」はUIもわかりやすいですし、トライアル版を触っていて、素人の自分でも業務レベルで使いやすいなとは思いました。とはいえうまく活用できるか不安な人もいると思います。CRIではどういったサポート、相談体制を準備されているのでしょうか。

小野氏:
「画像をこういうふうにしたいんだけどうまくいかない」のような相談には、随時対応させていただいています。たとえば「減色したらイメージ通りにならなかった」といった相談の場合は、サンプルの素材をもらって実際に弊社で試してみて、「パラメーターをこうしたらいいですよ」とアドバイスを差し上げることもあります。

橋本氏:
我々のサポートは基本的にはソフトウェアの一般的なサポートレベルですが、過去のOPTPiX固有のサポート事例として、スクリプトを書いてお渡ししたことはあります。「ImageStudio」シリーズは画像処理でJavaScriptでフィルターをかけているのですが、特殊な変換をしたいという依頼を受けたときに、スクリプトを書きました。

──ある程度の相談であれば身軽に対応いただけるのですね。「ImageStudio 8」は継続的にアップデートがなされていますが、今後予定されているアップデートなどはありますでしょうか。

小野氏:
近々、次のアップデートを予定していて、新しい機能を追加します。これは減色の機能強化で、重要領域ファインダーという機能です。たとえばキャラの目とか口の色を減色で劣化させないで残したいときに、重要領域を指定する機能が昔から「ImageStudio」シリーズにはありました。ただ、目とか口をマウスで指定してから減色するので、いちいち絵を手動でポチポチやるのが面倒くさいと言われていたので、今回AIを活用して、絵の中の目や口を検出してマークを付けるという機能を作りました。それが重要領域ファインダーです。これを含むアップデートを、早ければ6月にリリース予定です。

橋本氏:
超解像度系の改良にも着手しています。先ほどAIの得意不得意のお話をしましたが、Real-ESRGANは画像の輪郭線がはっきり出る一方で、ザラザラとかの質感が失われてしまいます。逆にwaifu2xは輪郭線がぼやっとしているけれど、ザラザラとかの質感はそのまま出るので、両方のいいところをとると輪郭線がくっきりして質感もそのままという出力が、理論上はできるかなと思っています。二つのエンジンの結果のいいとこ取りを研究している最中です。

筆者(編集者)が最近食べたカレー画像(300×200)を特殊処理で3倍にしてみた結果。実写系の設定をしたのでうまく補完されている


──リマスター超解像と減色のどちらかの機能強化に寄っていくわけではなく、両方の機能をハイブリッドにアップデートしていく方針ということですね。

小野氏:
そうです。減色のニーズは根強いので、お客様の要望には対応していきたいと考えています。

浅井氏:
減色とリマスター超解像、双方のニーズに応えることで、より多くのお客様に使っていただければなと思います。

──今まさにリマスター全盛期ですよね。Nintendo Directなどの情報を見ていても、リマスター作品が多く目につきます。そういったタイトルの開発に「ImageStudio 8」が役に立つぞと。

浅井氏:
昔のIPを再活用したいすべての会社に提案したい気持ちです。

──ありがとうございました。


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[執筆・編集:Junichi Matsui]
[聞き手・編集:Ayuo Kawase]