『Ready or Not』開発元へのハッキングにより、ソースコードなどデータ4TB以上流出との報道。公式は、ユーザーやスタッフの個人情報は無事と発表
海外メディアInsider Gamingは現地時間4月16日、デベロッパーのVOID Interactiveが、同社が手がける『Ready or Not』関連データについてハッキング被害にあっていたと報じた。今年3月に4TB規模のハッキング被害にあっていたとのこと。なお今回の報道を受けてVOID Interactiveは、スタッフや、同社が手がけるゲームのプレイヤーに関する情報は漏洩していないとしている。
VOID Interactiveはアイルランド・ダブリンに拠点を置くゲーム開発会社だ。2016年に設立。スタジオの代表作として『Ready or Not』がある。同作は協力マルチプレイに対応したタクティカルFPSだ。対応プラットフォームはPC(Steam)。本作では、プレイヤーは特殊警察部隊SWATの隊員として、チームと共に数々の犯罪現場へと突入を試みることとなる。人質の保護や犯人の無力化などを最優先事項としながら、状況に応じた任務を遂行するのだ。
本作は早期アクセス配信期間中より人気を集めていた。昨年12月にバージョン1.0として正式リリースされた際には、最大同時接続プレイヤー数が5万5174人を記録。Steamユーザーレビューでも、銃撃や敵AIのリアルなシミュレートが好評を博し、約13万件のうち88%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。高い人気を誇る作品となっている。
今回海外メディアInsider Gamingは、VOID Interactiveがとあるハッカー集団によって4TBを超えるデータの流出被害にあったと伝えている。Insider Gamingによれば、同ハッカー集団は3月にはVOID Interactiveの情報にアクセスできたと宣言していたという。同誌は実際に流出したデータを確認したとしてしており、そのなかには、『Ready or Not』のソースコードや、PS4/PS5やXbox Series X|S版のビルドデータなどが含まれていたという。同誌の報道を、海外各メディアも伝えた。
一方のVOID Interactive側は、そうした報道を受けて、各メディアに向けて声明を送った。VOID Interactiveは今回の報道について情報漏洩を認めつつも、ユーザーやスタッフに関連した情報は流出しておらず、開発資産と独自のコード(our development assets and proprietary code)は無事であるとした。あくまで『Ready or Not』に関するコードの一部が流出したのみとの主張だ。同社は今回の被害の原因について、使用しているクラウドサービスの重大な脆弱性によるものとしている。なお被害規模については、引き続き調査をしていくとのこと。
ゲーム企業を狙ったサイバー攻撃は近年でも数多く報告されている。2023年にはRiot Gamesが標的となり、『League of Legends(LoL)』および『チームファイト タクティクス(TFT)』などのソースコードが漏洩。同社が身代金を要求されたという報道がなされた(関連記事)。同年末には『ラチェット&クランク』シリーズや『Marvel’s Spider-Man』シリーズを手がけるInsomniac Gamesがサイバー攻撃を受けたことを発表するなど、被害は後を絶たない。
本作は先述した通り、多くのユーザーからの注目を集めている人気作だ。そうした注目度の高さから、今回のハッキング被害の標的となったのかもしれない。また現時点では、データを盾にした身代金の要求などがあるか、公式発表はされていないようだ。いずれにせよVOID Interactiveの今後の対応にも注目が集まるところだ。