“GAME BOY”なる機器の悪用によって、高級車の窃盗が発生との報道。任天堂のゲームボーイとはもちろん無関係

 
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日本国内での高級車の窃盗において、新たな機器による被害が発生していることが報じられている。“GAME BOY”との名称で販売されてきた機器の最新モデルだといい、車から出ている信号を利用してドアの鍵を開けたりエンジンをかけたりすることが可能とされる。FNNプライムオンラインなどが報じている。


日本国内での高級車の窃盗において、新たな機器による被害が発生していることが報じられている。従来の自動車窃盗においては、スマートキーの電波を傍受・増幅させる「リレーアタック」や、車の内部の通信規格・伝送路であるCAN(Controller Area Network)に侵入する「CANインベーダー」といった手口が用いられてきた。

一方今年に入ってから、自動車窃盗において新たな機器が用いられていることが報道されている。この手口で用いられる「キーエミュレーター」とされる機器は“GAME BOY”との名称で取引されているという。これまでにも自動車窃盗に用いられる“GAME BOY”なる機器の存在は報告されており、今年になって最新モデルが登場したようだ。最新モデルの価格は日本円にして約490万円で取引されているとのこと。なお“GAME BOY”を取り扱うサイトでは「違法行為への使用は禁止」として、あくまで鍵を紛失した際のスペアキー作成のために同ツールを販売していると主張されている。

ちなみに過去のモデルの“GAME BOY”では、機器の左側に十字型のボタンを、右側にはA・Bと刻印されたふたつのボタンを備えていたとされる。任天堂の携帯型ゲーム機「ゲームボーイ(GAME BOY)」を彷彿とさせる形状であり、このことからか勝手に同ゲーム機の名称を用いて販売されてきたようだ。一方自動車窃盗に用いられる“GAME BOY”の最新モデルは、トランシーバーのような形状イメージで報じられている。

なお自動車窃盗ツールの“GAME BOY”では、車から出ている信号を利用してドアの鍵を開けたりエンジンをかけたりすることができるという。FNNプライムオンラインは“GAME BOY”が使用されたとみられる実際の被害として、三原じゅん子参議院議員のランドクルーザーが自宅から盗まれた事例を紹介している。同メディアによれば、警察でも“GAME BOY”による自動車窃盗の手口を把握している模様。実際に同ツールが用いられた被害があるかといった情報収集が進められているとのことだ。