『ドラゴンズドグマ 2』の「エンドロールに出てくるスタッフ数が少ない」との指摘が注目集める。大規模開発ゲームやカプコン他作品と比べると少数精鋭の可能性【UPDATE】

 

ドラゴンズドグマ 2』のスタッフロールから確認できるスタッフ数が、大規模開発作品に比べてかなり少ないことが注目されている。近年のカプコン作品の中でも、少なくとも人員面では小規模な開発となっていたようだ。


『ドラゴンズドグマ 2』は、オープンワールドアクションゲーム『ドラゴンズドグマ』シリーズの新作だ。舞台となるのは人の王国ヴェルムントと獣人の国バタルが存在するファンタジー世界。プレイヤーは竜に心臓を奪われた覚者として、世界を冒険。竜を討ち、玉座へと昇る者の物語が描かれる。味方NPC「ポーン」を連れ歩くシステムも引き続き登場。ジョブごとに異なる、多彩なアクションも健在だ。

本作に携わったスタッフ数がカプコンのほかのタイトルと比べて少ない点が指摘され、注目を集めている。データベースサイトMobyGamesにて掲載されている本作のスタッフロールから引用・集計したとみられるデータによると、本作に携わったスタッフ数は392名とされている。一方、たとえばカプコンが2023年2月に発売した『バイオハザード RE:4』ではスペシャルサンクスを除くスタッフ数は1504名。2023年6月発売の『ストリートファイター6』では1828名となっている。それぞれ3倍以上のスタッフ数が携わっているかたちだ。


さらに『ドラゴンズドグマ 2』のディレクター伊津野英昭氏の過去作品と比べても、本作のスタッフ数は少ない。2019年3月発売の『デビル メイ クライ 5』においてスタッフ数は1222名。そしてシリーズ第1作『ドラゴンズドグマ』においては616名とされている。スタッフロールの記載を見る限りは、『ドラゴンズドグマ 2』はシリーズ第1作よりも少ないスタッフ数で開発されたようだ。

ちなみにMobyGamesで確認できる大規模開発とみられる直近の作品として、たとえば『ホグワーツ・レガシー』のスタッフ数は3429名で、『ファイナルファンタジーVII リバース』は3077名となっている。スタッフロールで確認できる範囲では、『ドラゴンズドグマ 2』のスタッフ数は大規模開発作品に比べて、かなり少ないといえるだろう。

小規模なチームで開発されたとみられる『ドラゴンズドグマ 2』。なお本作のプロデューサー平林良章氏が過去の弊誌インタビューにて伝えたところによると、『ドラゴンズドグマ』は伊津野氏あってのIPとして構想されており、同氏の携わった『デビル メイ クライ 5』リリース後に開発環境が揃ったという(該当記事)。『ドラゴンズドグマ 2』はそこから約5年越しのリリースとなったかたちだ。そしてこの間カプコンでは、先述した『バイオハザード RE:4』や『ストリートファイター6』といった人気シリーズ作品も並行して開発されていた格好となる。


『ドラゴンズドグマ 2』は「ファンタジー世界体験アクションシミュレーター」がコンセプトとして掲げられており、第1作『ドラゴンズドグマ』では技術的にかなわなかったアイデアなどが実現されているという。マップの規模は第1作の4倍以上とされるものの、一部魔物やジョブが引き続き登場しているなど、開発リソースを節約できる部分はあったのだろう。またカットシーンやイベントだけでなく、偶発的にさまざまなハプニングが巻き起こるシステムが特徴の本作。そうしたシステムを取り入れている関係で、カットシーンやイベントを手作業で豊富に用意する作品よりも少なめのスタッフ数で作り上げられたのかもしれない。

そんな『ドラゴンズドグマ 2』は3月22日の発売から10日間で全世界販売本数250万本を達成(関連記事)。スタッフロールから確認できる開発規模に比して、好調な売れ行きを見せているかたちだ。

なお本作では、ゲーム内で深刻な事態を引き起こす要素「竜憑き」をはじめ、粗削りな部分もあるゲームバランスにユーザーから賛否も寄せられている。また特にPC(Steam)版ではパフォーマンス問題なども指摘された。とはいえフィードバックを受けたアップデートがすぐさま実施されたこともあってSteamユーザーレビューは持ち直しを見せており、本稿執筆時点で約5万2000件のうち好評率58%の「賛否両論」ステータス。パフォーマンス問題については対応中であることが伝えられており、今後のサポートも注目される。

『ドラゴンズドグマ 2』は、PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中だ。

【UPDATE 2024/4/9 11:14】
弊誌で検証したところ本作では通常とは異なるエンディングが存在しており、エンディングによってはスタッフロールに1000名以上が記名されていることが明らかになった。確認されていたよりも多くのスタッフが本作に携わっていたようだ。