“基本プレイ無料アプリ内課金の『エルデンリング』モバイル版”が、中国テンセントにて開発中との報道。しかし開発難航中とも

 
*画像は『エルデンリング』Steamストアページより

中国のIT大手テンセント傘下の開発チームにより、『エルデンリング』のモバイル版が開発されているという。Reutersが報じている。

*画像は『エルデンリング』Steamストアページより

『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけるアクションRPGだ。PC(Steam)およびPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに2022年2月に発売された。本作は広大なオープンワールドを舞台としつつ、『ダークソウル』シリーズなど同スタジオ過去作のゲームプレイを色濃く継承。ボス戦闘をはじめ、手強い調整となっている戦闘なども特徴だ。爆発的なヒットを記録し、The Game Awards 2022のThe Game of the Yearを獲得するなど、同年を代表する作品となった。

今回Reutersが関係者証言として報じるところによると、テンセントは『エルデンリング』のモバイル版開発に取り組んでいるという。テンセントは2022年に数十人規模のチームを立ち上げ、『エルデンリング』モバイル版のプロトタイプの開発に着手。しかし開発は難航しているという。

また同誌の報道によれば『エルデンリング』モバイル版は基本プレイ無料ゲームとしてリリースされ、アプリ内課金が設けられる計画とのこと。開発の滞りの背景には、買い切り型のゲームである“本家”『エルデンリング』にアプリ内課金要素を実装する困難さもあるのかもしれない。なおReutersは本作のビジネスモデルについて「『原神』と同様のアプリ内課金基本プレイ無料」と説明している。ガチャのような仕組みも存在するのかもしれない。

*画像は『エルデンリング』Steamストアページより

なおフロム・ソフトウェアは2022年9月に第三者割当による新株式として、普通株式3179株を発行。割当先は、テンセントの子会社Sixjoy Hong Kong Limited(以下、Sixjoy)およびソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)であった。フロム・ソフトウェアはこの際に、技術面でのサポートや世界市場での展開におけるSIE・Sixjoy両社それぞれとの協力を通じて、より品質の高いゲームを沢山のユーザーに届けていくための体制を拡充していくとコメントしていた(関連記事)。

今回のReutersの報道を見るに、『エルデンリング』モバイル版開発の背景には、テンセント子会社によるフロム・ソフトウェアへの出資もあるようだ。テンセントは中国ゲーム市場において、政府によるゲームライセンス申請・承認の滞りなどに苦心しているとされ、人気IPを中国内に持ち込むことでそうした滞りを相殺する狙いもあると見られる。

エルデンリング』は、PC(Steam)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに発売中。またDLC「Shadow of the Erdtree」が開発中となっている。