『Apex Legends』アプデで“ネオストレイフ”などの自動化入力を無効化。設定ファイル変更や外部ツールなどで有利になるのは「不正」と改めて明言

 

Respawn Entertainmentは2月1日、『Apex Legends』にてコントローラーの自動ストレイフや設定ファイルを介した連鎖操作を無効化することを目的としたアップデートを実施したことを発表した。ゲーム外での入力により一部のプレイヤーがほかのプレイヤーに対して競争上の優位性を得ることがないようにするための措置だとしている。


このたびRespawn Entertainment公式Xアカウントにて発表された内容によると、『Apex Legends』においてコントローラーの自動ストレイフ(automated strafing on controller)とゲーム中の+execコマンドによるcfgファイルの連鎖に対策を講じたようだ。ゲーム外のインプットにより可能とされていた“ネオストレイフ”とされる動きのほか、リコイルの“完全制御”などに対策がなされたかたちだ。

『Apex Legends』のゲームコミュニティにおいて、コントローラーの自動ストレイフを含む、外部ツール・ソフトウェアによる自動化はかねてより問題とされてきた。直近では、YouTubeにおいて活動しているTreeree氏が投稿した動画が大きな波紋を広げていた。同氏が投稿した動画は、とある人物がSteamの設定ファイルを介してゲーム内の一部動作を自動化することを可能としたゲームプレイを記録した内容となっている。動画内の人物は倒した相手のボックスからアーマーを瞬時に抜き取る設定、武器のリコイルを完全に抑制する設定、一瞬にして180度の回転を可能とする設定などを紹介。人力の入力によっては成し得ない、設定ファイルによる自動化方法が示されていた。

そうした設定ファイルの変更とあわせてSteamでのコントローラー設定機能も“悪用”され、人力では不可能な動きをするユーザーは一部存在。Treeree氏は動画投稿によってそうした状況に「対策が講じられるべきだ」と注意喚起をおこなっていた。


動画の反響は大きく、『Apex Legends』プロプレイヤーのMonsoon氏やコンテンツクリエイターのShiv氏などが反応。設定ファイルの自動化によるゲームプレイはチート行為にあたるのではないか、といった発言も見受けられ、コミュニティ内で改めて批判の的となっていた。

なお国内においては“Steampad”と呼ばれていた本設定については、EA公式FAQにおいてもユーザーから複数の投稿がなされていた。そのなかでEAのコミュニティマネージャーであったEA_Mako氏は昨年5月、設定の自動化についての考えを表明。同氏は設定ファイルを介した連鎖的な動作の呼び出し行為の存在を(開発チームは)認識しており、公平性という点からユーザー契約上許されない行為となりうるため避けるべきであるとしていた。本日実施された変更は、そういった行為を防止していく措置というわけだ。

Respawn Entertainment公式Xアカウントのアップデート報告はコミュニティから歓迎されており、注意喚起をおこなっていた先述のTreeree氏も「LETS GOOOOO」と喜びを表すポストを投稿している。また公式の発表によると、サードパーティー製ツール、ハードウェア、ファームウェア、ゲームのメカニクスを自動化するソフトなど、ほかプレイヤーよりも操作的に優位になれる設定は「チート」と判断され、今後も厳しく対策を講じていく旨が発表されている。


『Apex Legends』のシーズン19は大詰めを迎え、シーズン20の開始を間近としているところだろう。本日のアップデートは、コミュニティ内で長らく問題視されていた設定に対策が取られたかたち。今後もゲームの競技的中立性が維持されていくことを期待したい。