『ファイナルファンタジーVII リバース』のストーリー・シナリオを手がける野島一成氏が、一部ユーザーの目に余る行為に対し「やめてほしい」と要請している。同作についてかどうかは明言されていないものの、同氏のもとに「特定のキャラクターを消すべき」といった要求が寄せられたという。なお本稿にはオリジナル版『ファイナルファンタジーVII』のストーリーに関する言及が含まれるため注意されたい。
『ファイナルファンタジーVII リバース』（FF7リバース）は、PS向けの『ファイナルファンタジーVII』（以下、FF7）のリメイク三部作の二作目だ。グラフィックは最新技術を用いたフル3Dになり、ターンベースだった戦闘はアクションベースに変化。前作『ファイナルファンタジーVII リメイク』（FF7リメイク）ではミッドガル脱出を果たすまでの物語が描かれた。
第二作目である『FF7リバース』では、ミッドガル脱出からの「クライマックスに向かう旅」がストーリーとして描かれるという。また本作はオープンワールド的な要素として「自由な探索」をコンセプトにしているとのこと。広大なワールドマップの中でセフィロスの影を追っていくことになり、高い自由度で多彩な物語が展開されるようだ。そうしてオリジナル版における「忘らるる都」までの範囲を元に物語は描かれるとのこと。
今回、本作のストーリーおよびシナリオを手がける野島一成氏が、一部ユーザーによる目に余る行いを戒めている。同氏は投稿において「どのキャラクターも愛情をもって書いている」と前置き。どんな意見も思想も自由であるとしたうえで、特定のキャラを「消すべき」「殺せ」といった要求を同氏のもとに送るのはやめてほしいと伝えた。
野島氏の投稿に対しては励ましのコメントのほか、同氏にそうした要求を送る者への批判が寄せられた。同氏はそうした暖かい反応に向けて後に感謝を綴っている。なお同氏は、具体的にどの作品のどのキャラに向けてそうした要求が送られていたのかについては言及していない。一方で投稿への反応の中には「特定のキャラを消すべき」といった要求は『FF7』のリメイク三部作に向けられたものではないかとの推察も見られる。
『FF7リバース』では、オリジナル版におけるエアリスの死までの物語が描かれると見られる。一方で前作『FF7リメイク』においては、オリジナル版とは違ったストーリー展開も存在。『FF7リバース』でもオリジナル版と違って、エアリスが死なない展開が用意される可能性も考えられる。
この可能性に対し、エアリスをオリジナル版と同じく死なせるべきとの考えも一部発生しているようだ。そうした考えに基づいてか、先日から複数のXアカウントが野島氏に向けて何度も「エアリスを死ぬべき」といったメッセージを送り続けていた。一連の要求の背景には、エアリスの生存によってクラウドとティファの関係性やそれを描くシーンがオリジナル版から変化する、といった憶測もあるようだ。このあるまじき行為を見かねて、今回野島氏は注意をおこなったのかもしれない。
なお野島氏は過去に、「個人的な発言が商品の価値やファンの方々の楽しみを損なってしまう可能性」を懸念しているとの想いを投稿。X（当時Twitter）の投稿では、『FF7リメイク』など自分が関わった特定の作品についての言及をやめると表明していた（関連記事）。今回の投稿内でも『FF7』およびそのリメイク三部作に関する言及であるとは明言されていない点には留意したい。
本件に限らず、作品に関する要求を直接クリエイターにおこなうのは迷惑行為になりうる。野島氏はユーザーをなるべくブロック・ミュートしたり、自身のXアカウントを非公開にしたりする対応を望んでいないとのことだ。また同氏は「どんな意見も思想も自由である」と伝えており、ファンたちの作品に対するあらゆる考えを尊重する姿勢を見せている。あくまでそうした考えを直接伝えないでほしいと要望したかたちだろう。
またいずれにせよ、現時点ではエアリスが死ぬかどうかも不明瞭だ。公式からは『FF7リバース』にて「エアリスが死ぬ」とも「死なない」とも明言されていない。エアリスがオリジナル版と同じ運命をたどる、あるいはオリジナル版とは違った展開の後に死を迎える可能性もある。
ちなみにクリエイティブディレクターの野村哲也氏は過去に本作について、オリジナルを知る誰もが気になるであろう運命が待ち受けているとコメント。「オリジナルを体験した方も未体験の方も是非ご自身の感性で本作のエンディングを向かえて頂きたい」と綴っていた。『FF7リバース』で展開される物語は、新規層やオリジナル版のファンなど、さまざまな感性をもつプレイヤーを想定しているのだろう。
『ファイナルファンタジーVII リバース』はPS5向けに、2024年2月29日に発売予定だ。
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