マイクロソフト・Xboxのボス、『CoD』次回作からは「プラットフォーム独占コンテンツを作らない」方針明かす。ベータテストも装飾アイテムも分け隔てなく提供へ

 

マイクロソフトのゲーム部門CEOでXbox事業を率いるPhil Spencer氏は、『Call of Duty』シリーズ(以下、『CoD』)にプラットフォーム独占のコンテンツを用意しないといった方針を明かした。10月18日に配信された「Official Xbox Podcast」でのインタビューで語られている。

マイクロソフトは10月13日、Activision Blizzardの買収手続きを完了したと発表した(関連記事)。Activision Blizzardは、『CoD』シリーズをはじめとした人気IPを数多く抱えているゲーム会社。たとえば『CoD』シリーズではこれまで、PlayStation向けの先行ベータテストや装飾アイテムが提供されてきた。来月11月10日発売予定の最新作『CoD: Modern Warfare III』でも、先日PlayStation限定の先行ベータテストがおこなわれていた。買収がおこなわれたことで、今後はXboxに向けて、同様の優遇措置を取られる可能性も考えられていたわけだ。

こうした懸念に対してか、Phil Spencer氏は10月18日のOfficial Xbox Podcastでのインタビューで今後の『CoD』シリーズの方針を表明した。同氏は、Xbox以外のプラットフォームのプレイヤーが、取り逃しているコンテンツやスキンがあるように感じて欲しくないと説明。つまり今後は、特定プラットフォーム限定のコンテンツなどを避ける方針が取られるようだ。

さらに「コンテンツとローンチについては、できる限りすべてのプラットフォームで100%平等にすることが目標だ」とSpencer氏は語っている。そのため『CoD』では、時限独占といった施策もおこなわれないのだろう。またSpencer氏いわく、上述の“できる限り”とは、プラットフォーム間での解像度やフレームレートの違いを指しているという。それ以外に関しては平等なコンテンツの提供が目指されるようだ。

そうした方針には、プラットフォームを問わず作品のコミュニティの一員であると感じてもらう狙いがあるとのこと。同氏の一連の発言を見るに、『CoD』では今後ベータテストも特定プラットフォームによる独占がおこなわれることはないと見られる。


マイクロソフトは、『CoD』についてプラットフォームを問わずリリース・サポートする姿勢をこれまでにも繰り返し表明してきた。昨年12月には任天堂などと長期的な提供合意を締結。さらに今年3月にはPC版のプラットフォームをActivision BlizzardのプラットフォームBattle.netからSteamに広げ、『CoD』シリーズ過去3作品が発売された(関連記事)。またPSについても、Phil Spencer氏は今年7月にXアカウント上で、今後も『CoD』をPS向けに提供していくことを発表していた。

長期にわたって手続きの続いたマイクロソフトによるActivision Blizzardの買収。ついに買収手続きが完了したこのタイミングで、改めて『CoD』について今後はプラットフォームにこだわらないサポート方針があることが示されたかたちだ。